こんにちは、神門です。
フィギュアスケートといえば近年、日本が得意とする競技です。
氷上で見せる華やかな滑りと演技、表現。
でも、大きな舞台で輝けるのはほんの一握り、選ばれた人、というか生き残ることが出来た人だけ。
そんなフィギュアスケートの世界を描いた作品、「メダリスト」1巻の感想です。
作品情報
作品名 | メダリスト |
著者 | つるまいかだ |
出版社 | 講談社 |
紹介対象の巻 | 1巻 |
ジャンル | フィギュアにかける熱血スポーツもの |
作品の感想
主人公の青年、司は、大学時代に全日本選手権(高校野球でいう甲子園のようなもの)にも出場したほどの腕を持っています。
その実績を引っ提げてプロスケーターを目指したものの、アイスショーのオーディションには落ち続けて今なお無職という状況にあります。
ある日、司のアイスダンスのパートナーだった瞳から、瞳が所属しているクラブのアシスタントコーチになって欲しいと依頼されます。
しかし司は自分に自信が持てず、コーチを引き受けることを躊躇います。
そんな司の前に、フィギュアスケートをやりたいという女のことその母親がやってきます。
少女の名前は結束いのり。
母親は、いのりは昔から何もできないし、フィギュアをやるには遅すぎるから、先生の口からはっきり駄目だと言って欲しいとやってきたのです。
母親の前で縮こまるいのり。
だけど司はしばらく前に、いのりが氷の上を軽やかに滑っている姿を見ています。
いのりは必ず上手になる、才能があるという司。
そしていのり自身も、他に何もできなくてもスケートだけは絶対にやりたいと、はっきり言います。
母親も二人の熱に折れ、司のもとでスケートをすることになったいのり。
こうして二人で、本気で、メダル獲得に向けて動き出すことになるのでした。
「メダリスト」 1巻 つるまいかだ/講談社より 引用
というのが大筋というか、物語の始まりであります。
本作を読んで思ったのは、物語の流れ的には王道を汲みながら、コミカルタッチな部分と真剣な部分をうまいことバランスよく使って読ませてくるな、というものです。
王道というのは、
- ヒロインであるいのりは、学校では落ちこぼれで勉強もそれ以外の活動も上手くできずにからかわれている
- 学校のクラスメイトからも親からも出来ない子と思われているいのりが、フィギュアスケートについては才能を発揮
- スタートは遅くとも力をつけ、同年代の女のこと知り合い上をめざしていく
というような流れだからです。
同年代の女の子も、既に大会で優勝して天才少女と言われている光(屈託なく、いのりに早く上がって来いというような子)、
そして強気で負けず嫌いで一人でも我武者羅に強くなると練習するミケ。
二人の異なるタイプのライバルも、テンプレ的ながらも良い感じ。
「メダリスト」 1巻 つるまいかだ/講談社より 引用
フィギュアに関しても、いのりは独力で滑る力は身に付けているものの、習うのは初めてなので基本的なことから習得していきます。
だから読み手の方も、いのりとあわせて順にスケートの技術的なことを知っていきますし、昇級のテストについてとかも学ぶことが出来ます。
華やかに滑る姿はテレビで見ても、こういうところは実際にやっていないと知れないから嬉しくもあり面白くもあるところです。
お金がかかるとか、色々な人のサポートが必要とか、大変な世界だというのもなんとなく知っていますが、話が続いていく中でこの辺もさらに深掘りされていくのでしょうか。
「メダリスト」 1巻 つるまいかだ/講談社より 引用
司が熱くいのりを指導し、いのりも自分にはフィギュアしかないと真剣に、執念をもってスケートに取り組むので、熱いです。
でもギャグというかコメディ調の部分が多く、物語の中で細かく緩急が付けられている。
この辺は好みによるかもしれませんが、どちらか一辺倒じゃないので良いかなと思います。
テンポもよく進み、ライバル達とどのような戦いを繰り広げて成長していくのか楽しみです!!