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ファンタジー 書評

【ブックレビュー】夜市(著:恒川光太郎)

更新日:

【作品情報】
 作品名:夜市
 著者:恒川光太郎
 ページ数:218ページ
 ジャンル:ファンタジー
 出版社:角川書店

 おススメ度 : ★★★★★★★☆☆☆
 ホラー度 : ★★★★☆☆☆☆☆☆
 こういう人におススメ! : ちょっとダークな児童文学とか読んでみたい

 

■作品について

「夜市」そこは、妖怪たちが様々な品物を売っている市場である。
その「夜市」では、望むものがなんでも手に入るという。
幼い頃に「夜市」に紛れ込んでしまった祐司は、弟と引き換えに「野球選手の才能」を買った。
野球部のヒーローとなった祐司だが、弟を売ったことに罪悪感を抱き続けており、弟を取り戻すため再び「夜市」を訪れるのであった。

表題作、「夜市」と、「風の古道」の2編を収録。

■良かった点

恒川光太郎さんの鮮烈なデビュー作です。
デビューする時点で、既にこの世界観をご自身の中で確立していたのですね。

ホラー小説大賞受賞ですが、恒川さんの作品はホラーというよりもファンタジーであり、怖いというより切ない。
だから、「ホラーって苦手なんだよな」っていう人が読んでも全く心配いりません。
正直、私がそうでしたから。
いや、改めて考えると、ファンタジーというよりも、幻想的。その言葉の方が良く似合う。
弟を取り戻すため、「夜市」に再び足を踏み入れた祐司。
その結末はなんとも切ない。

もう一本、「風の古道」もまた同様。
普通の人は立ち入ることのできない道に踏み込んでしまい、そこを旅していくカズキ。
古道で出会った永久の放浪者、レンとの関係。
やがてカズキは古道を抜けて元の世界へと戻るわけだが、その終わり方がまたなんとも切ない。
少年の成長物語ではない。
何も終わらず、変わらず、克服することもせず、ただ道は交差して分岐し続ける、ただそれだけ。
うわー、なんだよそれ。

現実と異世界がまじりあう世界。
そこに生きる人々。
そういうのを描くのがとにかく、たまらなく上手い、それが恒川光太郎ワールド。

■ここが改善できるともっとよかったかも?

もうこの世界観にはまるかどうか、でしょう。
だからここを改善、とかはないかなぁ。

 

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感想(3件)

 

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