みなさんこんにちは、神門です。
既に1ジャンルとして確立したように思える、「オタクに優しいギャル」
また新たな作品が出てきました。
タイトルもずばり、「オタクに優しいギャルはいない!?」です!
作品情報
作品名 | オタクに優しいギャルはいない!? |
著者 | 原作:のりしろちゃん 漫画:魚住さかな |
出版社 | コアコミックス |
紹介対象の巻 | 1巻 |
ジャンル | オタクに優しいギャルとのラブコメ |
作品の感想
主人公は高校一年生の瀬尾卓也。
名前が指し示す通りのオタクくんで、しかも好きなジャンルが女児向けアニメ!
ということもあってか分かりませんが、中学以前はキモオタとしていじめられる日々を過ごしていたようです。
高校に入って周囲が変わったことでいじめはなくなったものの、友人がいないのは変わらない状況。
そんな卓也の前の座席にいるのが、ノリが軽くて明るいいかにもなギャルの伊地知さん。
ある日のこと、伊地知さんに消しゴムを貸してほしいと言われてとりあげられたのが、卓也が大好きな女児向けアニメ、「キラモン」の限定消しゴム。
大事なものだから使用して欲しくないけれど、ギャルに免疫もない卓也はそれを言いだすこともできません。
それを救ってくれたのが、伊地知さんとよく一緒にいる友達でモデルみたいに綺麗なクール系ギャルの天音さん。
しかも、卓也が口にしたキラモンの情報を訂正しながら。
天音は、「妹が好きだから」、というけれど、卓也でさえ気が付かなかった小さな情報を知っていてすかさず突っ込んでくるところからは、どう考えてもオタクなのではないかと思える。
そんな風にオタクを隠しているギャルの天音さん。
オタクじゃないけれどオタクに偏見のないギャルの伊地知さん。
オタクの卓也が二人のギャルと仲良くなっていく姿を描いた、ラブコメです。
「オタクに優しいギャルはいない!?」 1巻 原作:のりしろちゃん 漫画:魚住さかな/コアコミックスより 引用
オタクに優しいギャル作品はいくつかあります。
そんな中でも本作、「オタクに優しいギャルはいない」は、かなりお気に入り上位にきました!
別に、オタクに優しいギャル作品に限定しなくても、好きです。
なんでギャルがオタクに優しいの? という疑問がどうしても出てしまいますが、本作のギャルの天音さん自身もオタク!
ギャルがオタクというと、「その着せ替え人形は恋をする」の喜多川海夢がいますが、海夢はオープンオタク。
それに対して天音さんは隠れオタクで、オタバレすることを必死に隠そうとしています。
しかも好きなジャンルが、女児向けアニメであり、対象作品の「キラモン」はその中でもマイナーらしいので、現実でもネットでもそんなに同好の士がいないという状況。
そんな状況で、同じ作品を好きな人がいたら、語れる人がいたら、黙っていられるオタクなどいるわけがない!
ということで、「妹が好きだから」というのを免罪符に、なんだかんだと卓也のトラップ(?)に引っ掛かる天音さんが可愛い!
クールな天音さんだけど、「キラモン」のことになるとかなり熱くなってつい我を忘れてしまう。
そんなギャップにオタクは弱い!(オタクじゃなくても弱い)
段々と卓也に素の姿を見せていく天音さん。
なんだかんだ、同じ好きなものを語ることが出来るのが嬉しいのです。
特に、鑑賞会でうちわを作りサイリウムを振って盛り上がる姿とか・・・可愛いなぁ(笑)
「オタクに優しいギャルはいない!?」 1巻 原作:のりしろちゃん 漫画:魚住さかな/コアコミックスより 引用
一方で非オタクのギャル、伊地知さん。
こちらは天音さんとは対照的に明るくフレンドリーで距離の近いギャル。
オタクの卓也に対してもその距離感は変わらないし、卓也がオタクだと知ったところで態度を変えるわけでもありません。
卓也が作品について熱く語っても引くこともしないし馬鹿にすることもしない。
インスタに自分で描いた絵を投稿しているのを見ても気持ち悪がったりしない。
むしろ、絵は上手だし、そこまで情熱を持っているのは凄いと褒めてくれたりします。
そして、実は色々と気遣いもできたり、頭もよかったり、家では弟たちの面倒を見る良いお姉ちゃんだったりと、馬鹿なギャルに見えてそうではない。
そんなギャップにオタクは弱い!(オタクじゃなくても弱い)
伊地知さんの距離感は男を勘違いさせるに十分ですが、そうやって卓也をからかっているうちに伊地知さんも少し変わっていきます。
「キラモン」に興味を持つようになってきたり。
今まで自分が接してきた男たちと異なる態度を見せる卓也に興味を持ち始めたり。
卓也と一緒にいて意外と楽だし気持ちいい事に気が付いたりして。
伊地知さんも可愛いぞ。
「オタクに優しいギャルはいない!?」 1巻 原作:のりしろちゃん 漫画:魚住さかな/コアコミックスより 引用
という感じで、オタクに優しいギャル系の作品の中でも、二人の異なるタイプのギャルと仲良くなっていくタイプは少し珍しいかも?
で、その二人との距離の詰め方の描き方が上手い。
隠れオタクの天音さんは、同じ趣味で同じ話が出来て盛り上がれる、今までできなかったことが出来るようになって楽しい。
だから卓也と仲良くなっていく。
伊地知さんは席がすぐ近くだから距離感が近く、天音と仲が良いこともあって卓也と接する機会が必然的に増えていく。
そうした中で、オタクだけど真面目で今まで知り合った男子とはどこか異なる卓也に興味を持っていく。
そんな流れが読んでいて実に良い。
1巻の表紙から、優しくなるギャルは天音さんだけかと思っていただけに、これは嬉しい誤算です。
「オタクに優しいギャルはいない!?」 1巻 原作:のりしろちゃん 漫画:魚住さかな/コアコミックスより 引用
天音さん、伊地知さん、二人とも卓也に対して少しずつ好意を抱いていく。
卓也は、生まれて初めての事態に戸惑いつつ、二人の魅力に惹かれていく。
果たして三人の関係がこれからどうなっていくのか、非常に楽しみな作品がまた生まれました!