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SF ファンタジー 書評

【ブックレビュー】無貌の神(著:無貌の神)

投稿日:

【作品情報】
 作品名:無貌の神
 著者:恒川 光太郎
 ページ数:272ページ
 ジャンル:SF・ファンタジー
 出版社:KADOKAWA

 おススメ度 : ★★★★★★★☆☆☆
 珠玉の短編集度 : ★★★★★★★☆☆☆
 こういう人におススメ! : 独自の世界が作られている作品が好き

 

■作品について

顔のない神が持つ秘伝の奥義と、その神の正体と秘密。
死神に魅入られた少女による七十七人殺しの顛末。
などなど。
表題作を含む、恒川光太郎がお送りする暗黒ファンタジー短編集。

■良かった点

恒川光太郎が作り出す世界観は健在なり。
その摩訶不思議な、だけどどこか自分の近くにも存在するのではないかと錯覚しそうな世界。
そこを舞台に繰り広げられる、どこか哀しい、そして美しくもある。
暗黒童話というか、暗黒日本昔話というか。

■無貌の神
 表題作だけあって心にも残る。
 顔のない神、千尋の谷、赤い橋。
 顔のない神とは何者なのか。赤い橋の向こうには何があるのか。
 世界から抜け出すためには。延々と生まれ継がれてゆく神との戦い。
 ラストがなんとも・・・・やるせない。

■死神と旅する女
 話の展開としては他のどこかでも見たことがあるようなものですが、料理をする人が恒川さんだとこうなるのか、と。
 七十七人を殺すたびに出る少女・フジと死神。
 彼女の辿り着く行く末は?
 こいつは読んだ後も嫌な気分にならず、本作品の中ではお気に入り。

■カイムルとラートリー
 少女と、喋る獣織り成すファンタジー。
 二人の絆が読んでいて心地よく、最後読み終えるとちょっとホロリとくる。
 最後の一篇にこれを持ってきたというのがまた良い。
 この作品の設定で、一つの物語が出来そうだ。

もやもやとして終わる作品あり、読後感良いものあり、ただどれにも共通して言えるのは、その類まれなる独自の世界観はどの作品でも際立っているということ。
それでて読みやすい文体。
さあさ、この世界に旅してみては?

■ここが改善できるともっとよかったかも?

どの作品も粒ぞろい。
だけど恒川さんならもっと高いレベルのものが書けるんじゃ? そう思ってしまう部分もあるよなぁ。

 

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