【作品情報】
作品名:仕掛島
著者:東川篤哉
ページ数:432
ジャンル:ミステリ―
出版社:東京創元社
おススメ度 : ★★★★★★★☆☆☆
仕掛けの驚愕度 : ★★★★★★★☆☆☆
こういう人におススメ! : 本格ユーモアミステリ―を楽しみたい
岡山の名士が亡くなり、遺言に従って瀬戸内の離島に集められた一族の面々。
球形展望室を有する風変わりな別荘・御影荘で遺言状が読みあげられた翌朝、相続人の一人が死体となって発見される。
折しも嵐によって島は外界から孤絶する事態に。
幽霊の目撃、鬼面の怪人物の跳梁、そして二十年前の人間消失――続発する怪事の果てに、読者の眼前に驚天動地の真相が現出する!
絶海の孤島にある館。
そこに集められた人たち。
嵐で出入りが不可能となった島で発生する殺人。
と、典型的なクローズドサークルなのですが、東川さんなので陰惨さというか、絶望感は全く感じられません(笑)
物語は、過去に発生した事件とも絡んで展開していく。
過去にいったい何が起きたのか。
そしてそれが現在のどう繋がっているのか。
特徴的な形の島、そして不可思議な構造をした館。
それらを駆使したトリックとは。
と、本格の要素をてんこ盛りにした物語を、ひょうひょうとした登場人物たちが進めていく。
しかしこのトリックはさすがに分かりづらいというか、説明されてもよう分からんというか。
どういう仕掛けになっているのか!?
と思ってしまいますよ。
この作品と地続きである前の作品「館島」も大掛かりなトリックだったけれど、それでも「もしかしたら出来るかもしれない」と思わせるものはあった。
しかし今回のはさすがにどうよ、と思ってしまうかなぁ。
ただ、過去の事件とのつながりとか、そういったところは序盤から色々と描かれていることが最後に回収された感じはある。
だから本格謎解きミステリ―というより、サスペンスというかドラマというか、そういう要素の方でみるのもありかも。
ユーモアミステリ―だけに、このユーモアが受け付けられないと、というのはあるけれど。
殺人とか起きても陰鬱にならないので、そういうのが苦手な人は癒されるか?
やはりあのトリックはちょっと個人的には納得できないというか。
そんなん想像できないというか。