こんにちは、神門です。
百合作品も幾つかご紹介してきましたが、今回また新たな百合です。
大人のバディ百合、『SHWD(シュード)』1巻が発売されましたので、その感想です!
作品情報
作品名 | SHWD |
著者 | sono.N |
出版社 | 実業之日本社 |
紹介対象の巻 | 1巻 |
ジャンル | 戦う大人のバディ百合 |
作品の感想
時代は20XX年と、今からいつか分からない未来の話。
先の大戦後、大戦中に開発された謎の生体兵器「デュナミス」が各地に出没して人類に被害を与えていた。
その「デュナミス」を処理する特殊組織がSHWD(シュード)です。
SHWD東京支部に新人の古賀が入社し、古賀の教育係として佐和田がつくところから物語が始まります。
これだけじゃなかなかわからないですね。
まずは主人公の二人。
新人の古賀藍里。
とにかく、全てがデカい、規格外の女性!
その体格通り、パワーも規格外です。
ですが、心の内はとても女性らしいですし、自分の体のことを分かっていても女性としての誇り、女性としての幸せを求めるのは仕事と別の話だと考えています。
気は優しくて力持ち。
それを全体で表現しているような女性です。
「SHWD」 1巻 sono.N/実業之日本社より 引用
古賀の教育係の佐和田。
普段は眼鏡で髪の毛を束ねているクール美人。
ヤバい、めっちゃ好みです!
古賀が来るまでは東京支部で唯一の女性として、周囲からは殆ど女性扱いされていなかった模様。
古賀という同性の後輩が来たことで、佐和田自身も女だということを少しは思い出した、なんて言ったりしています。
佐和田と古賀、見た目も性格もスタイルも異なるからこそ、バディものとして互いを補いあう得難い存在になっていけそう。
「SHWD」 1巻 sono.N/実業之日本社より 引用
さて、そんな二人が戦う相手が「デュナミス」という謎の生体兵器です。
この「デュナミス」は、動きは緩慢で物理攻撃も有効なため、”処理”すること自体は人力でもさほど難しいことはありません。
但し厄介なのが、全身から発せられる電磁波。
この電磁波が人間の精神を汚染するほどのもので、殆どの人間は「デュナミス」と相対すると正気を保つことが出来なくなります。
だからこそ厄介で、単に腕っぷしが強ければ良いわけではないということです。
有効なのは遠距離から攻撃することですが、距離が遠くなれば弱点を狙い辛いし、市街地では銃火器の使用が制限されるという欠点もあります。
佐和田は、「デュナミス」の電磁波の影響をあまり受けない強靭な精神力の持ち主であることから、近接戦闘で直接、「デュナミス」を処理する戦い方をします。
しかし、それは誰にでも出来る戦い方ではなく、むしろ佐和田にしか出来ない戦い方。
一方の古賀は、精神面は普通で「デュナミス」の電磁波の影響をもろに受けますが、他の人にはない強靭な肉体とパワーを誇り、その圧倒的な力でもって「デュナミス」を屠っていきます。
強靭なメンタルで最前線で戦う佐和田、メンタルでは及ばなくても強靭なフィジカルでなんとか佐和田の隣で戦いたいと思う古賀。
1巻なので戦闘はまだ多く描かれているわけではありませんが、ある意味対照的な二人がバディを組んで戦っていく姿はとても楽しみです。
互いの弱い部分(といっても、佐和田も十分に身体も強いのですが)を補うのが良いです。
「SHWD」 1巻 sono.N/実業之日本社より 引用
そしてなんといっても百合!
佐和田も古賀もバッキバキの肉体(それも傷だらけ!)を持ちます。
そんな強い女性達が見せる思い。
というか、今のところ古賀が一方的に佐和田のことをラブなのですが、その関係性がまた良いですね。
先輩として、人として佐和田に憧れる古賀。
同時に女性として、人間として、憧れ以上の気持ちを素直に抱く。
佐和田の一言に焦ったり、喜んだり、この辺は冒頭でもご紹介した通り非常に女性らしいですし、女性としての幸せを決して手放すつもりはない、ということが分かります。
しかもその気持ちは、軽いものではありません。
命にかかわるような仕事をしているのです。
さらに「デュナミス」の精神汚染というのは厄介で、味方が精神をやられることで、味方が味方を襲う危険性を常に持っているわけです。
だから古賀は、もしも自分が錯乱して佐和田を傷つけるようなことがあったら自分が死ぬと。
それくらいの思いを持って仕事に臨み、佐和田のことを思います。
熱いなぁ・・・!
今のところ佐和田は古賀の想いには気が付いていないようですけどね。
「SHWD」 1巻 sono.N/実業之日本社より 引用
1巻でまだ始まったばかり。
佐和田の過去とか、分からないことも沢山ありますし、そもそも「デュナミス」ってなんやねんとかもあります。
描かれている人も魅力的、物語も気になり、百合的展開も気になる。
重いだけでなく、コミカルなやり取りもあって、そういったところの緩急も良い。
百合といっていますが、本当にイチャイチャラブラブなものではあく、戦う女たちの絆、みたいなところが強いので、百合を気にせず戦うバディものとして面白いです。
これは、滅茶苦茶、お薦めしたい、期待の一作ですよ!