【作品情報】
作品名:十二人の死にたい子どもたち
著者:冲方 丁
ページ数:404ページ
ジャンル:ミステリー
出版社:文藝春秋
おススメ度 : ★★★★★☆☆☆☆☆
死にたい度 : ★★★★★★☆☆☆☆
こういう人におススメ! : 議論ジュブナイルが好み
廃業した病院に集まった十二人の子供たち。
性格も、育ちも、まるでバラバラな子供たちだけれども共通点は一つ。
誰もが安楽死を望んでいること。
いざ全員が集まって決行に向かおうと思ったら、誰も知らない十三人目の子がいた。しかもその子は既に事切れている?
誰なのか? 自殺なのか他殺なのか? このまま決行しても良いのか?
子供たちは話し合い、決をとり、謎を解き明かしつつ結論に向かう。
果たして彼らが辿り着いた結論は??
閉鎖された空間。
それぞれ異なる事情を抱えた者たちが議論を繰り広げる。
なぜ、自殺をしようとするのか?
十三人目の子は殺されたのか、自殺なのか。誰がその子を運び込んだのか?
ここで自殺をするべきなのか、そうじゃないのか?
そういった議論を楽しむ群像劇としての楽しさがある。
誰もが一筋縄ではいかない子ばかり。
他の人の目から見ると、考えの足りない子、単にヒステリックにしか見えない子、自分勝手な子。
それが実際にその子の視点になると、また違う考えだったり、外から見るのとは違う子だったり。
そういう意外性も感じられる。
各人の自殺の理由もバラエティに富んでおり、色々な立場、色々な想いを持った子供たちなので、それらの対比という点でも面白い。
ラストも嫌な終わり方ではなく、読後感は良い。
集合して議論が始まってからの方が当たり前だけど面白いです。
まずミステリーとしての期待は持たない方がよいかも? 色々とあるんだけど、そこは重要でないというか。
あと、子供たちの性格が結構、嫌な子もいるので。
まあ、十二人いたら、そういう子もいないとってのはありますけれど。
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価格:1,300円 |