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ファンタジー 書評

【ブックレビュー】誰が勇者を殺したか 預言の章(著:駄犬)

更新日:

【作品情報】
 作品名:誰が勇者を殺したか 預言の章
 著者:駄犬
 ページ数:264
 ジャンル:ファンタジー
 出版社:KADOKAWA

 おススメ度 : ★★★★★★★★☆☆
 続編として上手く作れている度 : ★★★★★★★★☆☆
 こういう人におススメ! : 前作を楽しめた人

■作品について

預言者は勇者を求めて、幾度も世界をやり直していた。

魔王を倒してくれる勇者を求め、何度も世界をやり直す預言者。
幾度も世界を繰り返す中、とある街で金の亡者と噂される冒険者・レナードとその一行の最期に興味を抱いた預言者は彼を勇者と認めるのだが……。

■良かった点

「誰が勇者を殺したか」のスピンオフというかサイドストーリーというか。
本作では預言者側からの物語が描かれていく。

魔王を倒すため勇者をさがして送り出すも失敗し続ける預言者。
幾度もやり直すうちに心も擦り減り、今回もまた勇者は死んだ。
しかし、やり直す気力がわかず、勇者ではない冒険者レナードに興味を抱いてなんとなく追いかけてみることに。
レナードは実力のある冒険者だが、金の亡者と言われ、ドライに冷徹に依頼をこなすという。
興味があるのは金だけ、魔王討伐などする気もない。
そんなレナードを勇者と認めて魔王を倒させようとする預言者だが・・・

魔王によって滅ぼされそうな世界だとしても、誰もが魔王を倒すために頑張っているわけではない。
むしろ、魔族に媚を売るような輩もいる。
レナードは果たしてどうなのか。
単なる金の亡者にも見えない。
だとしたら、パーティを組んで共に冒険している仲間たちも同じような人間なのか。
いや、そうは見えない。
彼らがレナードについていく理由が何かしらあるのではないか・・・

そう思わせる描き方が上手いですね。
当然、レナードにはレナードの人生があり過去があり、思いがあるわけで。

最後にはアレス達勇者一行も登場し、ちょっとした後日譚的なものも見れたりします。
綺麗に完結した物語なので、出すとするなら続編というよりはこういう物語を補完する作品の方が良いですね。

■ここが改善できるともっとよかったかも?

楽しませていただきました。
でも本当、この物語だと続編は難しいですね。

 

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