こんにちは、神門です。
このところ漫画の感想が書けていませんが、少しずつでも復活していきたいです。
ということで今回はお待ちかねだった『その着せ替え人形は恋をする』13巻です!
冬コミで『天命』のハニエルのコスプレをすることにした海夢と新菜。
とはいえ今までのコスプレと異なり、作者やファンが納得するような絶対的なハニエルを作り出そうと、非常に苦戦。
12巻では新菜の苦しむ姿というか、”職人”としての意地と矜持をまたも見せられました。
それはそう、初めてコスプレ衣装を作った雫たんのときを思い起こさせるようなものでした。
苦しみ悩んだ甲斐もあってついに完成した衣装で冬コミに挑みます。
その際、新菜は海夢に対し、ハニエルを再現するために力を貸して欲しいと頭を下げます。
海夢からしてみれば、自分がコスプレ衣装を作ってもらっているのに頭を下げられるのは意味が分からないことかもしれません。
だけど今回のハニエルの衣装に関しては、新菜の原作者・司波刻央に対する挑戦なのだと思います。
自分が作った衣装で、作者が考えるハニエルをこの世に折り立たせたいと願う、作り手として願ってやまない願望。
今までは海夢のために作っていたコスプレ衣装を、今回初めて新菜は自分のために作ったのだと思います。
新菜の、職人としての強い気持ちか
「その着せ替え人形は恋をする」 13巻 福田 晋一/スクウェア・エニックスより 引用
だからこそ、海夢に対して強力してほしいと頭を下げる。
そして、どのようにしてハニエルを表現して欲しいかを具体的に伝える。
そんな新菜の思いから13巻は開始します。
そしていざやってきた冬コミ会場!
しかしコミケはもちろん初参戦であり、そもそもコスプレ自体がその年に始めたばかりの初心者の二人。
コミケのルールというかやり方など知りません!
今までと同じような感覚で、どこか適当によさげな場所を探して写真撮影を開始しようとしますが・・・
そんな二人の後ろには、海夢を撮影しようとしている人たちがずらりと列をなす!
「天命」は人気作でありますが、作品や作者の強烈さから、ハニエルのコスプレをしようというレイヤーさんは殆どいないよう。
そんな中で海夢のハニエルを見た人たちがついてきたんですね。
戸惑う二人をコミケのスタッフさんが助けてくれて、海夢は初めて「囲い」での撮影を開始します。
撮影が開始されると、海夢は新菜に言われたことを思い出し、「無感情な微笑み」をカメラマンたちに向けます。
ハニエルを現実世界に降臨させる海夢
「その着せ替え人形は恋をする」 13巻 福田 晋一/スクウェア・エニックスより 引用
それはまさに、天使の降臨。
見た人を虜にし、支配する、そんなハニエルが生まれ、その姿はSNSを通して瞬く間に広がり、囲いの輪は巨大に!
海夢のハニエルは大きな影響を生み出します。
その中でも大きいのが、新菜。
大勢の人に囲まれて撮影される海夢を見る新菜の表情は、苦しみに満ちているよう。
海夢の姿をみて、若菜の心は
「その着せ替え人形は恋をする」 13巻 福田 晋一/スクウェア・エニックスより 引用
その表情の意味はこの巻では明かされていませんが、真っ当に考えるなら、
「海夢はやはり自分とは住む世界が違う人なんだ」
みたいなことなのでしょうか。
実際、海夢は「この先もずっとごじょーくんと一緒に」みたいな思いを持っていますが、新菜の夢は頭師になること。
今は一緒にコスプレ活動を行っていますが、普通に考えれば海夢の願いが叶えられることはないのです。
海はただ大好きなコスプレを、大好きな新菜と一緒に・・・
「その着せ替え人形は恋をする」 13巻 福田 晋一/スクウェア・エニックスより 引用
「ハニエルの心はもう二度と会えない悪魔だけのもの」
これはまさに、海夢の心とも合致するのかもしれません。
コスプレ撮影の後、海夢に対してあるプロダクションからプロのコスプレイヤーにならないかスカウトがかかります。
その道に進んだら、新菜の夢とは異なる。
だけど海夢の夢は、新菜と一緒に、若菜の衣装でコスプレをすること。
冬コミの中でも、不穏さを感じさせるシーンも多々ありました。
この先、二人がどういう思いを抱え、どういう決断をしていくのかが気になって仕方ないです。
コスプレを題材にした漫画といえば他に『2.5次元の誘惑』があります。
こちらは主人公の奥村がカメラマンとして、ヒロインのリリサが衣装作り&レイヤーとして互いに欠かせないバディとして活動します。
本作では新菜が衣装作り、海夢がレイヤーとして活動となりますが、大きく違うのは新菜は海夢を応援しつつコスプレと異なる自分の夢があること。
不幸な方向に進むような作品ではないと信じていますが、果たしてどうなるのか。
本作では何度か、新菜と海夢の関係性に変化をもたらしたり、新菜の考えや思いに変化をもたらすエピソードが描かれています。
このハニエルのコスプレエピソードは、プロダクションを動かし、さらに原作者も動かします。
海夢自身は興味ない感じですが、世間では大きなうねりが・・・
「その着せ替え人形は恋をする」 13巻 福田 晋一/スクウェア・エニックスより 引用
海夢のモデルとしての力が、新菜の衣装が、否応なしに二人の外の世界を動かしていき、二人はその波から逃れることは出来ないでしょう。
- 最初の雫たんのコスプレエピソード
- 学園祭の生ホスの麗さまのコスプレエピソード
に続く、そんな重要なエピソードだったと思います。
もちろんシリアスだけじゃなく、涼香たちとのコミカルなシーンや、海夢のお父さんとの絡み(ずっとブスッとしている海夢が可愛い)などもあります!
アニメ二期がいつなのかも気になりますが、原作の続きも気になりすぎます!
次巻、いつ出るのよ!?