ミステリー 書評

【ブックレビュー】そしてミランダを殺す(著:ピーター・スワンソン)

更新日:

【作品情報】
 作品名:そしてミランダを殺す
 著者:ピーター・スワンソン
 ページ数:432ページ
 ジャンル:ミステリー
 出版社:東京創元社

 おススメ度 : ★★★★★★★★★☆
 女は怖い(?)度 : ★★★★★★★★★☆
 こういう人におススメ! : 濃厚サスペンス好きな人

 

■作品について

妻のミランダが浮気をしていることを知ったテッドは、空港でたまたま出会った美女・リリーに妻を殺したいと言う。それを聞いたリリーはテッドに合意し、ミランダの殺人計画を練ることになる。
男女四人のモノローグで進む、愛憎の入り混じった策略と攻防の結末は?
傑作サスペンス小説。

■良かった点

まずはなんといってもリーダビリティが高い。
妻が浮気している、殺したい、そう思っても実際に行動に移ることなんかない。
ところが、その思いを後押しし、更には手伝ってくれるという美女が現れる。
この美女は何者で、なぜ殺人なんかの後押しをしてくれるのか? 本当に殺人をしてしまうのか?
どのような展開が待ち受けるのか気になり、先へ先へとページを捲っていく手が止まらない。

物語は三部構成で、男女四人のモノローグ形式で進むのだが、各部によって語る人物が変わっている。さらに語る人間が変わることによって、それぞれの思惑や行動、相手の行動がどう見えるのか。逆に他の人物のモノローグの時に目にした行動が、他の人物の語りの時にどう語られるのか。
違う視点になれば見え方が違うのは当たり前で、他の小説でも取り入れられるが、そこの見せ方が非常に上手いのだ。
特に、第一部で読んでいたことが第二部に入った途端にひっくり返されるところで一気に物語に引き込まれる。
そこから先は止まれない。

ミステリーと銘打たれているが、本作はあくまでサスペンスであり、犯罪小説である。それも一級品だ。
リリーはなぜ、殺人に加担するのか?
それは彼女という女性を作り上げてきた過去によるものでもあり、彼女が生まれながらにして持っている彼女自身の性質によるものでもあるが、淡々と語っていくリリーの口調が「悪」を感じさせないところが恐ろしい。

リリーに比べるとミランダの方は物凄く人間臭い「悪」である。
追うものと追われるもの、殺そうとするもの、殺されようとされているもの、それらが幾重に錯綜して織り成す物語は決して複雑ではないのだけれど、読みごたえは十分。
久しぶりに質の高いサスペンスを読んだ気がする。

筆者はハイスミスが好きだそうですが、それも頷ける。

更に言うなら、オチも良い。
ミステリやサスペンスものといえば、最後に「逃げ切れるのかどうか?」といったところも気になる所であるが、そこが捻られた終わり方で、後味が良いというわけではないのに妙な爽快さがある。
果たしてあの後、どうなったのか?
なんか、それでもどうにか逃げおおせそうな気もするし、そういった想像をさせるところも上手い。

クセも少なく、多くの人にお薦めできる作品だ。

■ここが改善できるともっとよかったかも?

改善ではありませんが、登場人物達は当然ながら、友人になりたいなぁと思うような人はいませんので(苦笑)

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