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SF 書評

【ブックレビュー】中継ステーション(クリフォード・D・シマック)

更新日:

【作品情報】
 作品名:中継ステーション
 著者:クリフォード・D・シマック
 ページ数:368ページ
 ジャンル:SF
 出版社:早川書房

 おススメ度 : ★★★★★★★☆☆☆
 孤独な男度 : ★★★★★★★★★★
 こういう人におススメ! : 雰囲気SF好き

 

■作品について

アメリカの片田舎にある一軒家に暮らしている一人の男。
その建物が実は銀河の星々をつなぐ中継ステーションであり、男はステーションの管理人として百年もの間暮らしている。
そんな男の暮らし、生活を描いた作品。

■良かった点

既に半世紀以上前の作品であるが、名作は色あせない。
もちろん、時間が経つことにより社会情勢や技術がどんどん変わって古臭くなっていく部分があるのは仕方ないが、作品の根幹にある部分は揺らぎなく残り続ける。

田舎で孤独に中継ステーションの管理を続けるイーノック。
様々な異星人と交流をするものの、ここはあくまで中継ステーションであり、異星人達はイーノックの前を通り過ぎていくだけ。
100年以上も生きているイーノックは、地球人たちとも深い交流は出来ない。

異星人達との温かな交流を見せる中で感じられるのはイーノックの孤独であり寂寥感である。

彼に仲間はいない。
CIAがイーノックを疑って見張っている。
地球と銀河連盟の争いに巻き込まれ、その中でイーノックが取る行動。
そういった事件というかで後半は気の抜けない展開になるわけだが、最終的に訴えかけてくるのはやはり底の見えないイーノックの孤独である。
いや、自分ならこの立場で耐えられるかあやしいものである。

SFではあるけれど難解な用語なども出ないし、異星人も親しみやすい(?)
SFらしさを感じさせず、一種のエンタメ作品として読みやすい。
古い作品ではあるが、新訳版は字も大きいし、SF初心者でも手に取りやすくなっている。

■ここが改善できるともっとよかったかも?

この作品は、これで良いんだろうなと思わせられる。
イーノックの孤独が癒されると良いんだろうけれど・・・・

 

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