【作品情報】
作品名:火焔の凶器: 天久鷹央の事件カルテ
著者:知念 実希人
ページ数:365
ジャンル:ミステリー
出版社:新潮社
おススメ度 : ★★★★★★★★☆☆
鷹央と小鳥遊の絆の強さを感じられる度 : ★★★★★★★★☆☆
こういう人におススメ! : シリーズ読者。ライトなメディカルミステリ―が好き
殺人か。呪いか。
人体発火現象の真相は?
安倍晴明と同時代に生きた平安時代の陰陽師・蘆屋炎蔵の墓を調査した大学准教授が、不審な死を遂げる。死因は焼死。
火の気がないところで、いきなり身体が発火しての死亡だった。
殺人? 事故? 呪い?
さまざまな憶測が飛び交う中、天医会総合病院の女医・天久鷹央は真実を求め、調査を開始する。
だが、それは事件の始まりに過ぎなかった……
ということでシリーズ作品です。
今回は、人体自然発火現象の謎に挑んでいきます。
火の気のないところでいきなり体が発火して死亡してしまう事件。
それも、安倍晴明と同時代に生きた平安時代の陰陽師・蘆屋炎蔵の墓を調査したメンバーが次々と。
もしかして、呪いなのか?
そんなことすら考えられる中、鷹央が真実を求めて動き出す。
もちろん、興味深いからというのもある。
だけど今回の事件では、絶対に、早期に解決しなければならない理由もあった。
鷹央と小鳥遊の関係性は依然として変わらないけれど、絆の深さというものが少しずつ強くなっているのが分かる。
それは本人たち以上に、周囲にいる人間の方こそが感じられるのかもしれない。
特に鷹央はああいう人だけに、その変化がより分かりやすいのかもしれない。
そしてそれは、毎日顔を合わせてつきあっている小鳥遊の方こそ逆に察しづらいのかも。
鷹央も人として少しずつ成長を見せて。
天才だけれども当然ながらできないこと、わかないこともあって苦悩する。
現状、それを助けられるのは小鳥遊だけ。
だけど、小鳥遊はあくまで期間限定で鷹央の下にいるわけで、これから先はどうなることやら。
しかしまあ、小鳥遊は今回、特に不幸でしたね。。。
シリーズものが続いていくと、安定する一方で、いつも通りということにもなりかねない。
この作品は果たしてどうしていくのか。
その辺が気になるころ合いでもある。