【作品情報】
作品名:西の魔女が死んだ
著者:梨木 香歩
ページ数:226
ジャンル:エンタメ
出版社:新潮社
おススメ度 : ★★★★★★★★☆☆
魔女修行の大切度 : ★★★★★★★★☆☆
こういう人におススメ! : 心あたたまる青春小説が読みたい
二度と再び、まいの世界が元に戻ることはなかった。
学校に足が向かなくなった少女が、大好きな祖母から受けた魔女の手ほどき。何事も自分で決めるのが、魔女修行の肝心かなめで……。
中学に進んでまもなく、どうしても学校へ足が向かなくなった少女まいは、季節が初夏へと移り変るひと月あまりを、西の魔女のもとで過した。
西の魔女ことママのママ、つまり大好きなおばあちゃんから、まいは魔女の手ほどきを受けるのだが、魔女修行の肝心かなめは、何でも自分で決める、ということだった。
喜びも希望も、もちろん幸せも……。
読もうと思っていて手に取っていなかった作品。
このたび、ようやく読みました。
前情報もなかったので、魔女とは何かも知らず、ファンタジー系なのかとも思っていたけれど全然違った。
西の魔女とは、主人公の少女まいの祖母のこと。
主人公のまいは学校でうまくいかず、登校することができなくなっていた。
そんな時、両親は無理に登校させずに、まいが大好きな祖母のもとに送ってしばらく一緒に生活をさせることに。
西の魔女こと、ママのママ、おばあちゃん。
その生活の中でまいは魔女の手ほどきをうける。
不登校になった少女が祖母の元で暮らす一か月ほどを描いた作品。
魔女の修行といっても物凄い事ではない。
ただ、自分で決めて、自分で決めたことをきちんとやる、ということ。
だけどそれこそが、人が生きていくうえで大切なことなのかもしれない。
祖母との生活の中で、まいは少しずつ生活や、考え方や、行動を変えていく。
その生活の中で得たものは、まいが今後生きていくうえで確実に糧になるであろうと思える。
感受性豊かな子供の頃に読んだら、どう感じただろうか。
でも、まいと似たような境遇というか思いを抱かないと、逆にピンとこないかも。
大人になって読むと、切なくもあたたかな気持ちを抱くかもしれない。
読みやすく、すぐに読み終えられます。
まいとおばあちゃんの別れは決して良い形ではなかった。
仕方ないけれど、ちょっと切ないですね。