書評と主にマリア様がみてるの二次創作(旧:よしのXブレード)

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【マリみてSS(女性陣×祐麒)】3F! 2.ごく普通のある休日

更新日:

~ 3F! ~
The fashion of Fukuzawa family!
<福沢家の流儀!>

 

『2.ごく普通のある休日』

 

 とある休日。
 福沢家の長男である祐麒は、大体、いつもと同じような感じで朝の目覚めを迎える。平日ほど早くなく、かといって昼過ぎまで寝ているほどでもない。
 まだ眠気の残る頭をかき、なかば強引に目を開けようとする。休日なのだから、無理して起きずに寝ていてもよいのだが、あまり寝すぎていても勿体ないと思ってしまうのだ。
 そんな祐麒がまず感じたのは、右手に感じる感触。
 見れば、同室の菜々が安らかな寝息をたてて眠っている姿。ショーツの上からTシャツを着ているだけという格好で、いわばパンツ丸出しなのだが、もちろん祐麒は特に何も感じない。
 福沢家に来て以来、菜々は赤ん坊のころから見ているので、中学生となったところで祐麒からしてみれば、小さな子供という感覚しかないのだ。だから、こうしてベッドに潜り込んできて一緒に寝ようが、丸出しだろうが、性的なものを感じることなどないのである。
「まったく、また菜々は。しようがないなあ」
 と言いつつも、表情はまったくそんなことを思っているようには見えない。
 末っ子の菜々に対しては、やっぱり祐麒も、だだ甘なのだ。丸くなって寝ている菜々の頭に手を置き、髪の毛をくしゃくしゃと撫でる。
 一方で、左腕に感じる鈍い痺れ。
 そちらに顔を向けようとしてみれば。
「うっ……酒臭っ、江利子姉さん、またか」
 祐麒の腕枕でやすらかに寝ているのは、江利子であった。
 暑かったのか苦しかったのか、白いブラウスはボタンが半分ほど外れており、開いたブラウスの下には、下着に包まれながらも十分な自己主張を誇る立派な二つの膨らみ。寝ていることで押され、迫力のある谷間が出来上がっている。
 タイトスカートは窮屈そうに僅かにめくれ、ストッキングに包まれた太ももが実に艶めかしい。
 しかしながら、祐麒は特にどうとも思わない。というのも、酔っぱらった江利子が祐麒のベッドに間違って潜り込んでくるのも、よくあることだったから。
「まったく、就職が決まっているからって、ここのところ気、抜きすぎじゃない?」
 四年生である江利子は、すでにデザイン事務所への就職が内定していた。そのせいかは分からないが、最近、飲んで帰ってくることが多い。
 すると江利子がもぞもぞと動き、眠そうに口を開いた。
「……私はぁ、祐ちゃんに、永久就職するんだもん……」
「はいはい、それよか服がしわになっちゃうよ」
 腕も痺れるのだが、だからといって強引に腕を抜いてしまうことができないのも、祐麒の甘さである。
 いつもならこの辺で、笙子か蓉子あたりがやってきて、江利子と菜々を引き剥がすのだが、珍しく今日は誰もやってくる気配がない。さてどうしようか、と考えていると、不意に江利子がむくっと起き上がった。
 乱れた髪の毛を垂らし、相変わらずブラウスは大胆にはだけ、下着と胸が見えている。そしてベッドから下りると、唐突にスカートのホックをはずして足首までするりと落とし、さらにストッキングを脱ごうとする。
「ちょっと、江利子姉さんっ! 何しているのっ」
 さすがに祐麒も少し慌てて、江利子の手をつかんで止める。
 振り返った江利子は、相変わらず寝ぼけ眼で、アルコール臭を吐き出し、口を開いた。
「えー? おトイレ」
「そうか、じゃあ仕方ないか……って、ここはトイレじゃないから! ほら、こっち」
 スカートを脱ぎ、下着の上に脱げ掛けのブラウスという扇情的な格好の江利子の手を引き、部屋の外に連れ出す。
「わたしは、別にさっきのお手洗いでも構わな……」
「構うっての、ほら、トイレはここ」
「祐ちゃんも、する?」
「いいから、ほら江利子姉さん」
 半分寝ている江利子を、トイレの中に押し込んで扉を閉め、そこでようやく一息つく。そのまま素早くトイレから離れ、祐麒は一階へと向かう。実際、トイレにも行きたかったのだが、江利子のあの様子ではしばらく出てこないことが経験上分かっていたので、一階のトイレを利用することにしたのだ。
 そして、トイレのドアを開けると。
 下着を膝のあたりまでおろしかけている瞳子の姿があった。
「あ」
「…………っ」
 目を見開いたあと、急速に真っ赤になっていく瞳子。
「ご、ごめん」
 と言った直後。
 軽快な平手の音が、福沢家内に響き渡った。

 

「本当にもう、信じられませんわ、お兄様ったら! ノックもなしに入ろうとするなんて」
 朝食の席、いまだに瞳子は顔を赤くして怒っていて、目をあわせようとしてくれなかった。ただその割には、なぜか祐麒の隣の席に座っている。テーブルでの席は特に決まっておらず、適当に座っていくのだが、他にも空いている席があったのに、わざわざ祐麒の隣にきたのだ。これは、怒っているということを隣でプレッシャーかけようというのか。
「別にいいじゃない、それくらい。瞳子のツルツルなの見たって、楽しくないでしょう」
 サラダをつつきながら眠そうに言う江利子。
「た、楽しいとか楽しくないとかの問題じゃありません! そ、それに、つるつるなんかではありません! 私だって少しくらいは」
 そこまで言いかけて、隣にいる祐麒に気がつき、慌てて口を閉じる瞳子。
「だからごめん、瞳子。許してくれよ」
「うーーーー」
「ほら、何かお菓子でも買ってあげるから」
「私、そんな子供じゃありません。でもそうですね、それじゃあ、許してあげますから、私の願いを聞いてくれますか?」
「ん? なに?」
「えと……考えておきます」
「OK、じゃあ思いついたら言ってくれよ」
 無言でうなずき、瞳子は朝食へと戻る。瞳子が何を言うか注視していた他の姉妹たちも、それぞれの朝食を進める。
「そういえば今日は令ちゃん、いないの?」
 一家の母親、というよりむしろ家事手伝い的仕事を一身に背負っている令。それは休日も例外ではなく、たいていは朝食の準備をしているのだが、今日は姿が見当たらない。
「令ちゃんなら、静お姉ちゃんと一緒に朝から出かけて行ったよ」
 ロールパンをかじりながら、笙子。
「ああ、イベントがあるからでしょう。特殊な方向性の」
 答えるのは江利子。
 ちなみに今、テーブルについているのは江利子、乃梨子、笙子、瞳子、菜々、そして祐麒という面々。
 さすがに全員がそろって、というのは難しいのだ。
 瞳子が少し怒っていた以外は特に変わりのない朝食が終わり、部屋に戻ろうとしたところで笙子につかまった。
「ね、お兄ちゃん、今日って暇?」

 

 笙子に誘われ、休日の午前中から街に出ることになった。ちなみに、たまたま部屋から出てきたところ、その場面に出くわした祐巳も加わって三人での外出である。
 今、祐麒の左腕には笙子がしがみついてきている。高校生になったとはいえ、まだまだ子供らしくてかわいいな、などと一つしか歳が違わないのに、そんなことを思う。
 そんな姿を見ていた祐巳は、指をあごにあてて少し考えていたかと思うと、笙子を真似するように、空いている右腕に自分の手を絡ませてきた。
「こ、こら祐巳までなんだよ。歩きづらいじゃん」
「えへへ、何よ祐麒、照れているの? 女の子二人に腕を組まれて」
「そんなわけないだろ、まったく」
 祐巳と祐麒は学年が同じということもあり、姉妹の中では一番、祐麒とくだけていて、お互いに遠慮なく接しているように見える。
 二人のやり取りを見て、笙子は少し頬を膨らませると、先ほど以上に祐麒の腕を強く抱きしめ、自分の体を押し付けた。
「おわっ、笙子、あんまりくっつくと歩きにくいぞ」
「いいじゃない、別に」
 言いながら、笙子はぐいぐいと胸を祐麒の腕に押しつける。
 実際、笙子は美少女といって偽りないし、祐巳だってなかなかに可愛らしい容姿をしている。道行く男たちの何人かは、三人のことを目で追い、祐麒に対して羨ましそうな目を向けてくるものもいる。
 だが祐麒にとってみれば、笙子も祐巳も妹と姉であり、変な意識を持つこともない。
 笙子にしてみれば、その辺が不満でもあり、安心でもあるところである。他の姉妹たちも、それは同条件ということだから。
 やがて三人は駅前のショッピングセンターにたどり着いた。そして、笙子に引っ張られるようにしてやってきた先はというと。
「水着って、まだ早すぎないか?」
「ノンノン、そんなことないよー、そんなこと言っている間にすぐ夏なんてやってくるんだから。それに、実は今度温泉プールに友達と行く約束してるんだ」
 水着売り場は、さすがにまだシーズンには早いためか、さほど人の姿はない。
「うーん、ついでに私も買おうかなぁ」
 くっついてきた祐巳も、そんなことを呟きながら、色とりどりの水着に目をひかれている。
「じゃあ俺は、ちょっと違う場所でも見て……」
 いくらなんでも、姉妹が水着を選ぶのについて回るのはどうかと思うし、やっぱり照れというか気恥ずかしさも入ってくる。
 だから、どこかで時間をつぶそうと思ったのだが、笙子に腕を掴まれて止められる。
「駄目だよお兄ちゃん、それじゃあ何のために一緒に来てもらったのかわからないじゃん」
「え? でも」
「お兄ちゃんに選んでもらうんだから、ちゃんと居てよね」
 少し目つきも鋭く見上げてくる笙子。
 そう言われても、水着の良しあしなんてよくわからないし、などと考えていると、祐巳が近寄ってきて耳打ちしてきた。
「選んであげなよ、祐麒。笙子ちゃんはほら、祐麒に選んでもらいたいんだよ、甘えん坊さんだし」
 言われると、妹に甘えられて悪い気もしない。
「うーん、分かったよ。でも、俺あんまりセンスないからな」
「ううん、それでもいいの、やったあ!」
 嬉しそうな笙子の顔を見ると、承諾して良かったと思う。
「じゃあ、さっそく一緒に見ようよ」
 笙子に手をひかれて、水着売り場の中を歩いてゆく。

 

 そして。
「じゃじゃーん、どうかな? へへ」
 試着室から姿を現した笙子が身につけているのは、上下ともにフリルのついた、花柄の可愛らしいビキニ。
「うん、可愛いじゃん、似合うよ」
「本当? 嬉しいなっ」
 しかし、こうしてみると笙子も随分と立派に育ったものだと思ってしまう。特に胸なんか、いつの間にこんなに大きくなったのか、目を見張るほど。妹の体とはいえ、なんだか直視していると申し訳ない気になってくる。
 一方の笙子は気にしてもいないのか、くるりと回転して背中やお尻を見せたり、前かがみになってみせたり、なかなかに際どいポーズをしていたりする。
「ねえお兄ちゃん、どう?」
「似合っているって」
「むー、だから、それだけじゃなくて、他に何かないの?」
「他って……」
 何だろうかと思い始めた時。
「きゃっ、いた、いたたっ!」
 隣の試着室から、祐巳のそんな声が聞こえてきた。
「おい祐巳、どうした、大丈夫か?」
「あ、ゆ、祐麒、ちょっと助けて」
 いったい何事かと、とりあえず試着室の中に入ってみると、祐巳が頭を下に向けた格好でもがいていた。
「何してんだ」
「か、髪の毛がからんじゃって」
 祐巳が身につけているのは、ピンクを基調としたホルターネックビキニだったが、ブラの連結部分がリングになっていて、なぜかそのあたりで髪の毛が絡みついたらしい。今日の祐巳はツインテールではなく、ストレートにおろしていたので、そうなったのか。
「仕方ないなぁ、じっとしてろよ」
 ため息をつきつつも、祐麒は手をのばして祐巳の髪の毛と、水着のブラをつかんでほどきはじめた。
「わ、ちょっと馬鹿、胸触んないでよ」
「触んないと、ほどけないだろ。だいたい、祐巳の胸なんて触るほどないだろ」
「失礼ね、これでも結構、大きくなったのよ。ほら、谷間だって少しできてるでしょ」
「よせてあげて、だろ……あー、まあ確かに、前よりはあるか」
 微妙に前傾姿勢となっている祐巳の、ほんのりと盛り上がった胸と、それによって生成された小さな谷間が目に入る。
「祐麒、手つきいやらしい、うわ、ほらわざと押してるでしょ」
「静かにしてろって……ほら、とれた」
「あ、サンキュ、って笙子ちゃん、どうしたの?」
 後ろで唖然としながら様子を見ていた笙子だったが、やがて。
「わ、私も髪の毛を……って、これじゃからまりようがないようっ。うわーん、ずるいよ天然さんはっ!」
 なぜか、泣きそうな顔をして、悔しそうに地団太を踏んでいるのであった。

 

 友達と約束があるからと、笙子、祐巳と別れて向かった先は、学校にほど近い場所にあるファミリーレストラン。その店の近くで、すでに蓉子が先に来て祐麒のことを待っていた。
「ごめん、蓉子姉さん、待った?」
 祐麒が現れたのを見て、ぱっと表情をほころばせる蓉子。
「ううん、私もさっき来たばかり……って、なんだかこれって、恋人同士の会話みたいじゃないかしら? うふっ」
 一人、そんな浮ついたことを口走る蓉子であったが。
「蓉子姉さん、早く中入ろうよ、混んでいるよ結構」
「あ、ま、待って祐麒ちゃん」
 いつも蓉子の変な言動を目の当たりにしているためか、あっさりとスルーして店の中に入っていく祐麒。慌てて追いかける蓉子。
 昼飯時ということもあり店内は混雑していたが、それでも待つことなく席につくことができた。
 二人とも注文をすませたところで、蓉子が息を吐き出す。
「うぅ、せっかくのお休みの日なのに、お仕事なんて」
 蓉子は今日、休日出勤で学校に出ていたのだ。昼休みは時間がとれるということで、こうして祐麒を呼び出してランチにしているわけである。蓉子になぜか口止めされたので、友達と会うなどと嘘をついたのだが、理由を聞いてみると。
「ほら、今日は私が御馳走してあげるから。他の子たちに知られたら、ね?」
「でもそれじゃあ、みんなに悪い気が」
「いいのいいの、祐麒ちゃんは男の子だし、いつも力仕事してもらっているし、特別だから、ね」
 おごってもらうにしても、ファミリーレストランであるからたかがしれている。だから祐麒はそれ以上は突っ込むのをやめて、話題を変える。せっかくのご飯なのだから、美味しくいただきたい。
「今日は何で学校なんだっけ」
「部活と、合唱コンクールの打ち合わせと、中間考査の準備と……いろいろあるの。ああ、このまま抜け出して、祐麒ちゃんとどこかに行きたい」
 がっくりと肩を落とす蓉子。口ではそんなことを言いながら、根は生真面目なので、さぼるなんてことはできないのだ。
「そんなこと言ってないで、ほら蓉子姉さん元気出して。俺、蓉子姉さんが頑張っている姿って、好きだから」
 その一言に、勢いよく顔を上げる蓉子。
 先ほどまでの暗い影は消え去り、かわりに瞳を輝かせ、ほんのりと頬を紅潮させている。
「すすす、好き?」
「うん、働いている蓉子姉さんは格好いいって、いつも思うよ」
「わわわ、分かったわ。私、頑張る!」
 あっさりと気持ちが変わる蓉子。
 幼いころからの付き合いで、無意識のうちに蓉子のことを操れるようになっているのだ。もっとも、祐麒のこととなると途端に単純となる蓉子、そんなたいしたことではないが。
「さ、食べようよ。食べて体力をつけとかないと」
「うん、いただきます」
 運ばれてきた食事を、嬉しそうに食べ始める蓉子なのであった。

 

 昼食を終え、名残惜しそうにしながら学校に戻っていく蓉子を見送り、次に向かったのは、祐麒もほとんど立ち寄ることがないような駅だった。ここでいいんだよなと、内心で確認しながら駅を出ると、横から不機嫌そうに声をかけられた。
「遅い」
「ご、ごめん。でも、5分じゃないか」
「5分でも、遅刻は遅刻でしょ」
 立っていたのは乃梨子だった。
「まったく、せっかくの休日に私がつきあってあげているというのに遅刻するなんて、兄さんは何を考えているの」
「ごめん……てゆうか、つきあってるのは俺の方じゃ」
 すると、鋭い目つきで睨まれた。
「違うわよ、休日だけど彼女もいなくてどうせ暇だろうから、私がつきあってあげているんでしょう。兄さんは特に趣味もなさそうだから、私の仏閣巡りにつきあわせてあげているんじゃない」
「そ、そうだっけ?」
「そうなの、ほら、早く行きましょう」
 なぜかぷりぷりと怒りながら、乃梨子は歩き出す。
 首を傾げながらも、後に続いて歩き出す。
 乃梨子の言い分には納得できないが、それでも細かいことは言わないようにした。乃梨子は、姉妹たちの中でも一番、祐麒に対して冷たい態度をとるように感じていた。もちろん、嫌われているわけではないのだろうが、どことなく素っ気ないのだ。
 そんな乃梨子だが、こうして趣味である神社や仏閣巡りに、ときどき声をかけてくれる。祐麒が暇そうだからとか、展覧会のチケットが余っているからとか言って。祐麒としてみれば、普段、冷たい乃梨子が誘ってくれるのだから、なるべく応じたいと思って、こうしてやってきているのだが。
「今日は何を見に行くの?」
「えーとね、今日は……」
 途端に目を輝かせ、得意げに、嬉しそうに話しだす乃梨子。クールな様子は消え去り、年相応の女の子らしさがのぞいてみえる。
 なんだかんだ言いながらも付き合うのは、乃梨子のこんな表情が見られるから、というのもある。
「で、場所はどこ?」
「ちょっと待って、地図では確かこっち」
「待て、よく見ろって、今ここだからそっちじゃなくてこっちだろ」
 地図を見ているくせに間違った方向に行きかけた乃梨子を捕まえる。
「な、何するの」
「何って、こっちだろ、正しい方向は」
「そ、そうじゃなくて、手」
 乃梨子を止めるため、祐麒は乃梨子の手を握っていた。
「別にいいだろ、手くらい握ったって。兄妹なんだし」
「……そ、そうよね……まあ、そこまでいうなら、別にいいけれど。兄さんが迷子になっても困るし、兄妹だし、これくらい」
 ぶつぶつ言っている乃梨子の手を引き、歩き出す。なぜか乃梨子は無口だったけれど、目的地に到着すると、すぐにそれも変わった。人気のない寺であったけれど、乃梨子は弾むように中に入っていき、目当ての仏像に目を輝かせている。
「うわ、すごい、すごい。この彫り方といい、バランスといい、芸術的!」
 残念ながら仏像に触れることはできないが、乃梨子は身を乗り出すようにして、夢中になって見つめている。
 祐麒自身は特に仏像に興味があるわけではないが、優等生の乃梨子がはしゃいでいる姿を後ろから眺めているのは、心が安らぐ。
「おーい、乃梨子」
「何よ、ねえ兄さんも見たら? すごいよこれ」
 仏像を見つめたまま、振り返ろうともしない乃梨子。
「いや乃梨子、はしゃぐのはいいけれど、あまり身を乗り出しているとパンツ見えるぞ」
「え――」
 手すりに体を乗っけるようにして、体を前に出している乃梨子だったが、肩から提げているバッグにより、スカートがめくりかけていて、祐麒のポジションからだと今にも下着が見えそうというか、見えていた。
「まあ、他に人もいないからいいけれど、女の子として――ほぶぁっ!?」
 最後まで言い切る前に、乃梨子の平手打ちによって祐麒の言葉は打ち切られた。

 

 強烈な張り手に痛む頬をさすりながら、祐麒は帰宅した。乃梨子は他にもう少し見てい行くと言って、どこかへ行ってしまった。あの後、怒る乃梨子をなだめるためにアイスクリームを買ってあげたのだが、そんなもので誤魔化されないと、また怒られてしまった。しっかりと、アイスは全て食べられて。
 家に戻った祐麒は、一日いろいろと出歩いて汗ばんだ体を流そうと、風呂に入った。湯船につかって疲れをとり、洗い場で髪の毛を洗う。家族の多いこの家では、風呂も戦場である。祐麒はたいてい、姉妹たちが入り終わった後に浸かるのだが、たまにこうして夕方頃に先に入ってしまうこともあった。
 そんな中、不意に風呂場の扉が開いた。
 目を向けると、長女の景が立っていた。当然、全裸である。
「け、景姉さん!?」
「うー……あー……」
 唸るような声をひねり出しながら、ふらふらと夢遊病者のように中に入ってくる。目の下には濃い隈ができており、髪の毛はぼさぼさ、肌も少し荒れているか。
 これは、何日かほとんど寝ていない状態の景であった。
 確か、新作の締切りが昨日だったはずだが、まだ終わらないと叫んでいた。こうして風呂にきたということは、ようやく終わったのだろう。景は仕事を終えると、とりあえず風呂に入る。眠るよりも先に風呂に入るのは、ある意味たいしたものだと姉妹のうち誰かが言っていた。
 そして祐麒はまれに、その時の景に遭遇する。
「け、景姉さん、ちょっと待って、俺すぐに出るから」
 いくら祐麒といえども、さすがに裸の姉と一緒に風呂に入るのは、恥ずかしい。見るのも、見られるのも。祐麒はシャワーのコックをひねり、髪を洗い流そうとする。
「ん……あれ、祐くん、いたの……だめよ、ちゃんとあたたまらないと」
 抑揚のない声で、呟くように言う景。なぜか祐麒の後ろにしゃがみこむ。
「んーと、じゃあ、お姉ちゃんがいつもみたいに洗ってあげるね、うふふ」
 妖艶な笑みを浮かべると、景はボディソープのキャップをはずしておもむろに自分の体にかけ流し、背後から抱きついてきた。
「泡踊りとかー、祐くんすきでしょー」
 押し付けられる二つの膨らみ、そして祐麒の胸に触れてくる景の指。普段は真面目で一番常識人の景なのだが、ハイな状態のときはいきなり変貌する。しかもそういう時に限って、他の姉妹の邪魔が入らないのだ。
「うわっ、景姉さんっ、ちょっとっ!」
 大胆な行動をとってくる景から逃げるように、泡を洗い流すのもそこそこにして、祐麒は逃げるようにして湯船に飛び込む。
 しかし、それ以上の逃げ場はない。
 景はゆっくりと湯船に入り、正面から祐麒に迫ってくる。
「どうしてにげるのー」
 祐麒の太ももの上に座る景。
「私の裸なんて、見慣れているでしょう? 一緒にお風呂に入って、洗ってあげていたじゃない……体のすみずみまで」
 風呂を効率よくつかうため、小さい頃は姉妹と一緒に入ることがあったが、その相手というのがいつも景だった。長女ということもあるし、蓉子は一緒だと鼻血を噴出して倒れるので無理だったから。
 祐麒の頭の中には、高校生の頃の景、大学生の頃の景の裸身が記憶されている。しかし、今の景はそのころよりも年齢を重ね、より女らしく、より大人っぽく、完成された体になっている。
「……ねえ、このまま祐くんと私、キセイジジツ作っちゃおうか? うふ、祐くんにだったら私、捧げても……」
「景姉さん、いい加減に目ぇさまして!」
「はむぅ~~っ」
 迫ってくる景の両の頬をつまんで、横に引っ張る。
「い、いひゃいいひゃい、ゆうひゅん、はにゃしへ……」
 指を離すと、泣きそうな顔をしていた景の表情が、徐々に変わっていく。濁っていた瞳に光が戻ってきて、目がきちんと開きだす。目が動き、下方を見て、祐麒の顔を見て、みるみるうちに赤くなっていく。
 そして。
「ーーーーーーーーーーっっっ!!!」
 声にならない悲鳴をあげると、すさまじい速さで風呂場から飛び出していった。
 ぽつんと、一人残された祐麒は。
「……あー、湯船のお湯、もう変えないとだめだよなー」
 泡の浮かんだお湯を見て、ため息をつくのであった。

 

 風呂からあがった祐麒が自室に戻ろうとすると、途中で部屋から顔を出した静に止められた。そのまま、静の部屋に招きいれられる。
「静姉さん、帰っていたんだ。あれ、令ちゃんは?」
「令はさっそく、夕飯の支度にとりかかったわ。それより祐麒さん、お願いがあるの」
「お願い?」
 静は、なぜか祐麒のことを『さん』づけでよぶ。いつか、理由を尋ねてみたこともあるが、笑うだけで答えてはくれなかった。
 静と令の部屋は、本で一杯である。祐麒は、単純に読書好きなんだなと思うだけだが、実は怪しげな本が沢山あることは知らない。
「ええ……今日のイベントでも、つくづく思いました、私」
「えと、何が?」
「胸が、もっとほしいです」
「……えーっと」
「この胸では、さびしいんです」
 静の表情は、いたって真剣であった。
「いや、そんなことはないと思うけど? そりゃ、江利子姉さんや笙子までとはいかないけれど」
「本当に、そう思いますか?」
「あ、うん、今までの感じからすれば、静姉さんは一番小さいというわけじゃないよ」
「そりゃあ、菜々よりはあると思うけれど……でも、それだけでは。だから祐麒さん、マッサージをしてくれないでしょうか」
「え、マッサージ? って、え」
「ほら、よく言うじゃないですか、好きな殿方に揉んでいただくと大きくなるって。私、好きな殿方など、祐麒さんしか考えられませんし」
「いや、そんなこと言われてもなぁ」
 困惑する祐麒であったが、静の行動は素早かった。
 祐麒の腕をつかむと、ごく自然な流れで自らの胸に誘導をした。
 手のひらに伝わってくる、ささやかだけれど、確かな感触は、洋服の布を通してなのに、やけにリアルに感じられた。
「ね、姉さん、ちょっと、これって」
「より効きやすいように、下着はつけていません」
 ぽ、と、頬を赤らめる静。
「どう、でしょうか」
「ど、どうと言われても」
「姉妹の中では、私はどれくらいでしょうか……はぁ」
 艶めかしい吐息を聞きながら、祐麒は考えをめぐらす。これまでの経験で定めてみると、

 江利子 > 笙子 > 令 > 蓉子 > 景 > 祐巳 ≧ 乃梨子 ≧ 瞳子 ≧静 > 菜々

 といったところか。
「……ほらやっぱり、下には菜々しかないじゃないですか!」
「でも、静姉さん美人だし、そんな気にしなくても」
「駄目なんです、それでは。だからもっと……」
 祐麒のもう片方の手も取ろうとする静だったが、バランスを崩すようにしてそのまま後ろに倒れていく。引っ張られるようにして、祐麒は静の上にまたがる格好となる。
「ああ、祐麒さん、そんな大胆な……でも私、祐麒さんが相手であれば、大丈夫な気がします……あの、私初めてなので、やさしくしてください……ね」
 瞳を潤ませ、頬を朱に染めながら、静は顔を横にそむける。
「いや、ちょっと、静姉さん何を言って」
「ふふ、ここまで来て女性に恥をかかせる気ですか?」
「ちょちょちょちょちょっと静姉さん、何をやってるのーーーーーっ!??」
 叫びながら飛び込んできたのは、部屋のもう一人の主である令であった。令はすごいスピードと腕力で、二人を引き離す。
「……残念、もう少しだったのに」
 身を起こしながら、呟く静。
「ざ、残念じゃないよぅっ! 祐麒くん、大丈夫だった?」
「大丈夫も何も、俺は別に特に何も」
「良かった、静姉さんの毒牙にはかからなかったみたいね」
「失礼な言い草ね、令。それよりあなた、急いでいたようだけれど、何しに来たの?」
「えっ? あ、あー、それは、その」
 なぜか目が泳ぎ、しどろもどろになる令。
 静が、ふと笑みを浮かべる。
「ひょっとして、祐麒さんの隣に散らかっている、ソレかしら?」
「ん?」
 言われて見てみると、令が飛び込んできた勢いのせいであろうか、近くに置いてあったやけに大きな紙袋が倒れ、中のものが外に飛び出して散乱していた。
 何気なくひとつ、手に取って見る。
「本……?」
 薄い本だった。
 そしてその表紙では、どう見ても男にしか見えない二人がキスをしていた。さらに落ちている本を見る。
 胸をはだけた少年の首筋に唇をよせている青年、乱れた服装で抱き合っている二人の男、そんな絵ばかりが目に入ってくる。
「うわあああああっ、だめ、見ちゃだめーっ!」
 涙目になりながら、散乱した数々のBL同人誌に令が手を伸ばす。しかし、そのうちの一冊を踏んで足をすべらし、前方に思い切りダイブする格好になった。
「危ないっ」
 咄嗟に祐麒は、倒れかける令の体を受け止める。令の体は家族の中でも一番大きいが、祐麒も男、どうにか踏ん張る。
「うわわ、ごめん、祐麒くんっ、大丈夫っ!?」
「く、くるし、れいひゃん」
 祐麒の顔は、令の胸に埋まっていた。
「ひゃあっ」
 引き剥がす。
「ふうっ……と、大丈夫だった、令ちゃん?」
 何事もなかったかのように微笑まれ、令はきゅんとなった。
「あ、ありがと……うん、祐麒くんが受け止めてくれたから、大丈夫だった。ありがとう」
「令ちゃんの体に何かあったら、大変だからね、よかった」
 やさしい言葉をかけられて、またもや令の鼓動は高鳴る。
 今、令は祐麒の上に座っているような格好になっている。祐麒の手に掴まれている腰が、熱い。
「ゆ、祐麒くん……」
 祐麒の肩に置いた手にわずかに力をいれ、令はそっと祐麒に顔を近づけていく。近づけながら、ゆっくりと目を閉じていく。
「令ちゃん、どうしたの? 具合でも悪い……?」
 きょとん、としている祐麒に向けて、吐息が感じられるほどの距離まで近づく。あと少し、というところで。
「はいはい、そこまで。令、あなた、私がいること忘れてたでしょう?」
 静に頭をわしづかみにされ、祐麒から離される。
「うわーん、痛い、痛い、静姉さんごめんなさいごめんなさい」
「駄目、許さないんだから……ねえ祐麒さん、令の秘蔵コレクション、見たくない? これなんか凄いのよ、受けの少年が祐麒さんによく似ていて、令のお気に入りなの」
「うわーーーーっ!!! やめてやめて静姉さんごめんなさいごめんなさい、お願いだからそれだけはやめてーーーっ!!」
 泣きながら、本棚の奥から何かを取り出そうとしている静の腰にすがりつく令。
「えっと~、よくわからないけど静姉さん、令ちゃんも謝っているし、それくらいで勘弁してあげてよ、ね」
「……祐麒さんがそういうなら、仕方ないわね。令、助かったわね。あ、そうでもないか、床のは見られちゃったものね」
「うわ、うわ、祐麒くん、ごめん出て行ってっ」
 背中を押され、強引に部屋を出される祐麒。中では、何やらどたばたとせわしなく動く気配がある。
 結局、静と令が何をしたかったのかよくわからないまま、自室へと戻る祐麒であった。

 

 菜々とゲームで対戦をした後、夕食となった。買い物に行っていた祐巳と笙子、仏像巡りに行っていた乃梨子、仕事に行っていた蓉子が帰ってきて、ここ数日間は自室で引きこもり状態の景も出てきたので、家族そろっての食事である。
 今夜の献立は、令の特製コロッケ、エリンギと水菜のサラダ、大根の味噌汁、といったものである。山盛りのコロッケも、食欲旺盛な姉妹たちの胃袋に次々とおさまっていく。
 本日の祐麒の両隣は、右に景、左に瞳子という座席配置である。
 食事中、ちらりと景の方を見ると、景はみるみるうちに真っ赤になって、顔を伏せてしまった。そして、祐麒の様子をうかがうようにしながら、小声で話してくる。
「ゆ、祐くん。あの、お、お風呂のことは、わ、忘れて、ね」
「あー、うん、まあ。景姉さんも疲れていたんでしょう、ずっと仕事で」
「ううううう、どうせならあんな中途半端なところじゃなければなぁ……いやいや、それはいくらなんでも、ああでも……」
 赤くなったり青くなったり、めまぐるしく顔色の変わる景。
 一方で瞳子はといえば。
「お兄様、あの、お願いですけれど、決まりました」
「ああ、そうだった。何?」
「食事の後、お勉強を教えていただけますか」
「俺? いいけど、乃梨子とか令ちゃんの方がいいんじゃないのか」
「私は、お兄様にお願いしているのです……それとも、嫌なのですか」
「そんなわけないだろ、よし分かった、任せろって」
 そう言うと、小さく瞳子はうなずいた。
「あーずるい瞳子ちゃんっ! 私もお兄ちゃんに教わる!」
「こら笙子、お箸で指さないの。祐麒さんと瞳子の約束なのだから、仕方ないでしょう」
「えー、お兄ぃ、さっきの対戦の続きはー?」
「あ、そっか、それじゃあ勉強の後で、な」
「ゆ、祐麒ちゃん、私と夜のおべんきょ」
「蓉子姉さん、それなら私が十分に教えるから、蓉子姉さんは安心して明日の仕事に備えてちょうだい」
「えええ江利子、あなたっ……」
「令お姉ちゃんのコロッケはいつも絶品だよねー、私、大好きっ」
「ありがと、祐巳ちゃん。祐麒くんも沢山食べてね、あ、良かったら私の分も」
「そういえば乃梨子ちゃん、今日はずいぶんと可愛らしい洋服だったけれど、どこかお出かけ? デートとか?」
「え、な、何のこと景お姉ちゃん? で、で、デートなわけないじゃない」
「あ、何それ、あやしい乃梨ちゃんっ! まさか……」
「まさか、志摩子と? 言っておくけれど、志摩子は私のものよ」
「し、静姉さん!」
 食卓は、今日もいつも通り、にぎやかだった。

 

 食後、約束通りに瞳子に勉強を教える。教えるというと偉そうだが、もともと瞳子は出来の良い子で、さほど教えることなどない。たまに訊かれて答えるが、それも祐麒の方が年上で、前に同じような問題をやっているから分かるだけだ。
 途中、令の差し入れの紅茶とクッキーを食べて、もうひと頑張り。瞳子は今年は受験生だから、頑張るのだろうが、まだ一学期始まってそれほど経ってもいないのに勉強をきちんとするなんて、大したものだと思う。偉いと思って頭を撫でてやると、怒って顔を赤くしてしまった。
 それでも、熱心に質問をしてきて、祐麒が教えていると密着せんばかりに体を寄せてきて、集中して聞いていた。
 勉強を終えたら、菜々とゲームの続き。
 やがて菜々が眠そうに、うつらうつらしてきたところで終了。ほとんど寝かけている菜々を抱っこして、ベッドに寝かせる。
 時計を見れば、もう結構な時間。祐麒も明日の支度をして寝ようかと思ったが、菜々が手を掴んで離してくれない。
「……おにぃ~」
「やれやれ、菜々は甘えん坊だなぁ」
 そう言いながら、末っ子にだだ甘の祐麒としては悪い気はせず、結局のところ菜々の手を振り切ることができず、そのまま菜々のベッドで一緒に寝ることにしてしまった。
「おやすみ、菜々」
 胸の内にある小さな体は温かくて気持ちよくて、すぐに祐麒も眠気を誘われる。菜々の頭を撫でながら、祐麒は眠りの世界へと落ちていった。

 

 翌日、学校へと向かう通学路にて。
「ようユキチ、週末は何してた? なんか楽しいことでもあったかー?」
 友人である小林が、あいさつ代わりに尋ねてくる。
「おう、いや別に、特に何もない、いつも通りの休日だよ」
「そっか。あー、なんかこう、可愛い女の子といちゃつくとか、綺麗なお姉さんに誘われるとか、そういうことないかな」
「ははっ、漫画じゃあるまいし、そうそうそんなこと、あるわけないだろ」
「そうだよなー、はあ」
 ため息をつく小林。
 そこへ、前方右手の道から女子生徒が数人、現れた。
 きらきらと輝くような、いまどきの女子高校生だ。
 その中に、クラスメイトもいた。一人はお下げの髪がよく似合う、細くて目の大きな美少女。もう一人は、眼鏡の似合うクールな感じの美少女。
 制服のスカートを折りたたみ、標準よりも随分と短くしているスカートの丈に、自然と目が向いてしまう。
「ちょ……島津さんも武嶋さんも、スカート、短すぎないか?」
 前を歩くのは、同じクラスの島津由乃と武嶋蔦子で、クラスの美少女コンビだ。もちろん祐麒も、二人は可愛いと思う。
 そんな二人の、揺れるスカートの裾から伸びる、由乃のほっそりとした白い太ももと、蔦子の適度に肉付きのよい太ももに、思わず赤面する祐麒。
「そうか? あれくらい、いまどき普通だろ。ほら、パンツ見えそうじゃね?」
「馬鹿、な、な、何を言って」
 さらに顔を赤くして、二人の後ろ姿から目をそらしてしまう祐麒。そんな祐麒を見て、小林は笑いだす。
「ユキチは初心だなー、かわいいな」
「ば、馬鹿やろう、気持ち悪いこと言うなっ」

 こうして、祐麒の日常は流れてゆく。

 そう、気がつかぬは本人ばかりなり――――

 

蛇足

 蓉子は学校に到着してから、重大なことに気がついた。

「何で私だけ、エッチなイベントがなかったのーっ!!??」

 

つづく……?

 

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