【作品情報】
作品名:ぜんぶ本の話
著者:池澤 夏樹, 池澤 春菜
ページ数:223
ジャンル:エンタメ
出版社:毎日新聞出版
おススメ度 : ★★★★★★★★☆☆
自分の知らない本の世界を知ることが出来る度 : ★★★★★★★★☆☆
こういう人におススメ! : とにかく本が好き!
文学者の父・池澤夏樹と声優、エッセイストの娘・池澤春菜のふたりがひたすらに本のことを語り合う。
幼少時に読んだ児童文学から、造詣の深いSF、ミステリーまで。
二人がどのように読んだのか、どう感じたのか。
どのように本を読めばよいと思っているのか。
夏樹氏の父である作家・福永武彦や母である詩人・原條あき子について。
とにかく丸々一冊、タイトルどおりにぜんぶ本の話!
- 芥川賞作家の池澤夏樹
- 声優の池澤春菜
二人がこよなく愛するのが本。
その本を間に挟んで父娘の対談をまるまる一冊本にしたものである。
幼少のみぎりに読んだ本、即ち児童文学から始まります。
というかこの児童文学が占める割合は結構多いです。
大人になると今さら児童文学、と思ってしまいそうになりますが、児童文学とかって子供の頃に読むのと大人の時に読むので、全然受け取り方が違いますよね。
お二人ともどちらかというと外国作品の方に造詣が深いというか、読んでいると思われます。
特に夏樹氏は海外作品を翻訳もされていますし、春菜さんも海外生活が長いですからね。
外国の児童文学と日本の児童文学がどのように違うかとか。
我々が意識していないようなことを教えてくれる。
児童文学を語ったかと思えば、後半はSFからミステリーに。
春菜さんといえば大のSF好き、SFマニアとして有名です。SF界でも。
知識が幅広いから、一つの話題から色々な作品がぽんぽんと出てくるのが凄いですね。
もちろん有名な作品から、聞いたこと無い作品まで、本当に多岐にわたる。
ただ読んでいるだけでなく、どれだけ自分の中に落とし込んでいるのだろう。
対談の内容を全部落とし込んだのか分かりませんが、読んでいて難解で意味わからん、みたいな話にまでは落ちていきません。
知らないことは知らないで読める、むしろ知らない作品が気になって手に取りたくなってくる。
本人たちは意識していなくても、好きな作品を楽しく語り合えば、それだけで魅力的なプレゼンになるというもの。
また二人とも執筆をしていることから、読んだ本のことだけでなく、書くことについても話している。
どのようなきっかけで執筆するようになったのか。
どのように執筆しているのか。
これまた面白い視点で話し合ってくれている。
二人とも実にディープな知識を大量に蓄えているから、これだけの話が出来るのだろう。
私も本は好きだが、お二人ほどの量はないし、とてもここまでの話は出来ないだろう。
(好きな作品や作者についてならある程度はできるかも)
本に対する姿勢、考え方で気付かせてくれることも色々ある。
これだけの話、談義はできなくても、本の話がしたい。
そう思わせてくれる本でもある。
別に改善ということではないけれど。
あくまでお二人の観点というか、受け取り方なので、二人の考え方とあわない方がいるのも当然のこと。
二人が、これは面白い、といったものでも私達にとっては面白くないかもしれない。またその逆もある。
私も当然、そういうのもあった。
でも、そこは感性であったり考え方、受け取り方の差なので、そういうのも面白いと感じ取れると良い。