こんにちは、神門です。
今までも何作かご紹介してきたTS作品。
好きです。
今回もまたTSの一作、『ぜんぶきみの性』の感想です!
作品情報
作品名 | ぜんぶきみの性 |
著者 | 浅月のりと |
出版社 | KADOKAWA |
紹介対象の巻 | 1-2巻 |
ジャンル | TSFラブコメ |
作品の感想
主人公は鷺宮了は生まれてからずっと男として生きてきましたが、ある日突然、性転換症候群の影響で女の子になってしまう体に。
その了は、高校の学校見学で出会った水上凪沙に憧れを抱き、凪沙のいる天清学園へ入学することになるのですが、実は!
凪沙もまた了と同様に性転換症候群なのです。
この性転換症候群というのがちょっとした曲者で、単に性転換するだけでは終わりません。
性転換したら終わりというわけではなく、さまざまな状況の“ときめき”が本人に起こることによって性別が入れ替わってしまう体質で、即ち生活している間に男女の入れ替わりがしょっちゅう起きてしまうという。
あれですね、『らんま1/2』の早乙女らんまのようなイメージでしょうか(ちょっと違う)
そして性転換症候群には先天性の人もいれば後天性の人もいます。
了は後天性で、高校に入学する前、中学の途中までは普通に男子だったのが急に女子になるようになってしまった。
一方で凪沙は先天性で生まれついての性転換症候群。
それでどうなるかというと、凪沙は自分が男なのか女なのかが分からないのです。
生まれてからずっと男になったり女になったり。
だから自分の性が分からない。
そしてそれ故にか、人を好きになるというのがどういうことか、恋をするのがどういうことか分からない。
男を好きになるのか、女を好きになるのか。
了は凪沙に憧れ、凪沙のことが好きで同じ高校に入学しました。
だから了は凪沙に対して宣言します。
自分が、人を好きになる気持ちというのを分からせてあげる、と。
こうして、了と凪沙を中心とした、男女の性が入り乱れる、ちょっと不思議な恋愛物語が始まるのです。
「ぜんぶきみの性」 1巻 浅月のりと/KADOKAWAより 引用
ということで。
素晴らしいですね(笑)
了も凪沙もお互いに性転換症候群ということで、二人とも男になったり女になったり。
即ちこの二人だけで、男×女、男×男、女×女、がいけるわけです。
男×女も、逆転の女×男、もあるわけですから2人だけで4パターンのカップリングが!
そして二人とも当然ながら女の子の時は可愛いわけで。
男のときは格好いいわけで。
なんて美味しい設定なんでしょうね。
了はもともと男だっただけに女の姿の凪沙のことが基本的に好きなわけですが、恋しているだけに男の姿の凪沙に対しても、「格好いい」とか「可愛い」とか思ってしまいます。
凪沙は凪沙で、性に対して意識が薄いので、男の了、女の了、どちらに対しても隔てなく接します。
二人の距離は近いんだけど、凪沙の生まれながらの境遇が一気に距離をなくすところまではいかない。
その辺のむずがゆさが良いわけですね。
てゆうか凪沙、いくら性に対する意識が薄いとはいえ無防備過ぎるでしょう。
ちょっと前まで健全な男子だった了には刺激が強すぎる!
「ぜんぶきみの性」 1巻 浅月のりと/KADOKAWAより 引用
またこの作品の魅力はそんな二人の不思議な関係性だけではありません。
凪沙はコスプレ喫茶でバイトをしており、了もまたなし崩し的に同じ店でバイトをすることになるのですが。
そのお店で働いている人たちは誰もかれもが性に対してちょっと複雑な立場にいます。
ラブコメなのでこの先、さらにそれぞれの関係性が深まり、カップルも出来てくるのでしょうか。
絵も綺麗で可愛らしく、物語内容もTS好きには間違いなく刺さるはず。
さらにTSだけではなく、男女の性が入り混じる倒錯した世界。
この辺が好きな人にはたまらない、続きが早く読みたい一作です!
「ぜんぶきみの性」 1巻 浅月のりと/KADOKAWAより 引用
男女の性とはなんぞや。
男とは、女とは、男と男、女と女。
入り混じり複雑になる人間関係とそれぞれの思い。
それが皆、綺麗で可愛らしい絵柄で描かれるのですから、見ているだけで眼福です。
綺麗な、可愛い子達の倒錯した人間関係って、見ていて良いですね(爆)