【作品情報】
作品名:裏世界ピクニック8 共犯者の終り
著者:宮澤伊織
ページ数:309
ジャンル:SF
出版社:早川書房
おススメ度 : ★★★★★★★★☆☆
百合度 : ★★★★★★★★★☆
こういう人におススメ! : 百合とホラーとネットロアが好きな人
裏世界を通じて出逢った紙越空魚と仁科鳥子のふたり。
因縁の冴月の危機が去ったいま、 空魚は向き合わなければいけない感情がある
前巻で閏間冴月との因縁に決着がついた本作。
さて、そうなると、次はどう展開していくのだろう?
そう疑問に思った方も多いのではないでしょうか。
そうして発売されたこの8巻では、空魚と鳥子の関係についてを描いておりました。
ああそうか、閏間冴月の呪縛が消えたんだから、空魚と鳥子の関係についてもきっちりしておかないとね。
というのは自然なところでしたね。
鳥子の気持ちは、しばらく前から明確になって分かっている。
では、空魚の方は?
空魚が恋愛感情とか性欲を持つというのがイメージがわかん・・・
それは空魚自身も同じだったようで、鳥子との関係、鳥子からの思いに対する答えを出さないとと思いつつも、それが出せない空魚。
悩んでいるというより、自分自身の気持ちが分からない、といった感じ。
そして、大学の同級生や、夏妃に相談したりする。
恋愛相談とか、空魚も年頃の女の子っぽい!
と、思わせるものの、その内容はといえば、やっぱりちょっと外れているのが面白い。
そして空魚と話しているうちに、今まで思っていたこと、自分の本心をぶちまけてしまうなっつんが可愛い。
悩んだ末に出した結論・・・というか、空魚が見せた性癖(!)は、これまた衝撃的と言いましょうか(笑)
空魚、そういうところでビビッとくるんだ!
いや、ある意味で空魚らしいのか??
そんな感じでラストの方は結構、怒涛というか。
いやでも、簡単に結論を出すのではなく、ちゃんと自分自身で悩み、納得し、鳥子と正面から向かい合おうとすることが大事なんですよ、きっと。
裏世界のことよりも、今巻では二人のことばかりしか頭に残りませんでしたね。
とりあえず最終巻ではないのかな?
でも、どうやって次の展開にしていくかは、やっぱりまだ疑問が残りますよね。
それは次の巻を楽しみにすればよいのかな。