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実用書 書評

「SCRUM BOOT CAMP THE BOOK」(著:西村 直人 他)スクラム開発に向けて

更新日:

【作品情報】
 作品名:SCRUM BOOT CAMP THE BOOK
 著者:西村 直人,永瀬 美穂,吉羽 龍太郎
 ページ数:280ページ
 ジャンル:実用書
 出版社:翔泳社

 おススメ度 : ★★★★★★★★★☆
 スクラムに関して分かりやすい度 : ★★★★★★★★☆☆
 こういう人におススメ! : スクラムをこれからやってみようという人

 

■作品について

「SCRUM BOOT CAMP THE BOOK」とは、元々同名で実施されているセミナーである。
その名の通り、スクラム開発に関する研修・セミナーだが、「ブートキャンプ」と冠されているだけに、その内容は体育会系的(?)というか実戦的なもので、日本的なセミナーに慣れていると少し驚くかもしれない。

本書は、その「SCRUM BOOT CAMP THE BOOK」を書籍化したものであり、SCRUMを非常に分かりやすく解説している。
SCRUMを導入するにあたって非常に適した一冊。

■本書の構成

構成は大きく2部に分かれている。

1.基礎編
2.実践編

第一部の「基礎編」ではSCRUMの全体像、決められたルールについて説明される。
第二部の「実践編」では実際にアジャイル開発をSCRUMで開始し、その過程をストーリー的に追いかけていくことで読者に理解させる流れとなっている。

書の大部分は「実践編」が占めており、当たり前だがこちらが胆となっている。

■基礎編

基礎編では本当にScrumの基礎を教えてくれる。
Scrumってそもそも何なの?
どういう開発手法で、どんな特徴があるの?
プロダクト、バックログ、プロダクトオーナー、スプリント、スクラムマスター、
そういったScrumで使用される言葉の意味が解説される。

当たり前だけど、この辺の言葉は知っておかないといけないので最初に教えてくれる。知らないことは恥ずかしいことではない、本書を読むような人はこれからScrumを導入しようという人が多いと思うので、素直に読んで理解しよう。
私も同じでしたから。

■実践編

実践編では、スクラムマスターとなった<ボク>が実際に開発チームを組み、Scrumでもって開発を進めていく過程が描かれていく。文章による説明だけでなく、漫画による説明があるので読み進めやすい。この漫画が3~4割あって、「多くない?」と思うかもしれないが、読み進める上では丁度良いペースで配置されている。

こんな感じ↓


ロールの決め方から、「インセプションデッキ」の作り方や意味といった、プロジェクトをスタートする前に必要なこと、プロダクトバックログといったスタート時に必要なこと。まずそこからスタートしてくれる。主人公の<ボク>達も初めてのSCRUM開発のため、同じ目線で悩み、考えてくれる。
また<ボク>だけじゃなく、上司の<ブチョー>などはお金(予算)や期間(納期)のことなどをまず気にして訊いてくるなんていうのは、まさに現場開発であることで、冷や汗かきつつ対応する<ボク>はまさに自分だ。いや、<ブチョー>の立場の気持ちも同じように分かりますが(笑)

開発に入れば、スプリントの進め方、問題点の出し方や、開発中によくある問題(あるある的な)についての捉え方や対し方が書かれており、読んでいると「ああ、これあるよ」って頷く。

「だいたい終わってます」
「大丈夫です」
「途中何でレビューを一日ずらしたい」

・・・・だいたい終わってますって、終わってないんじゃないの? 何がだいたいなの?
大丈夫って、何が大丈夫なの?
延長したらスプリントの意味がないんじゃない?

こういうのってSCRUMに限らずウォーターフォールでも普通にある。この手の問題への対し方や、なぜそれが駄目なのかSCRUMの考えをもとに解説してくれる。

また、
「もっと早くできないのか?」
「プロダクトオーナーがレビューに出れないと言っている」

といった、内部でなく外部的要因の課題なども挙げており、開発していく上でぶつかる大抵のことは本書の中で描かれているので、実際に開発する際の対応時に有用
どんなプロジェクトであろうと、発生する課題や問題はほぼ同じところに行きつくのは開発経験上で分かる。解決策というのも、奇をてらったものではない。
それが文書と漫画の組み合わせてスッと腹落ちさせてくれるのが本書だ。



私も最近の開発でお客様よりスクラム、アジャイルでやりたいと言われて着手し始めているところ。メンバーも全員がスクラム経験者と言うわけでも無い中、実開発に沿った本書は非常に助かる。
もちろん、本を読むだけで上手くいくわけではないが、あると無いでは大違いだし、綺麗ごとだけでなく未経験ゆえの問題課題を多く書いてくれているのが有難い。
この本のように全てうまく解決するかはまた別の話ですが、少なくとも、実践すれば解決の糸口は見つけられるし、SCRUMの考え方を伝えることでメンバーの協力を得やすくなる。

本を読み慣れていないという方でもすんなり読み終えることが出来ます。
SCRUMにこれから取り組む人、取り組み始めた人、やっているけれどうまくいかない人。そんな方たちが一読すると価値がある一冊。

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