【作品情報】
作品名:偶然にして最悪の邂逅
著者:西澤保彦
ページ数:288
ジャンル:ミステリー
出版社:東京創元社
おススメ度 : ★★★★★★☆☆☆☆
人間関係ドロドロ度度 : ★★★★★★★☆☆☆
こういう人におススメ! : 手の込んだミステリを読みたい
気がつくと昭和から令和へと元号も変わり(なんと平成という時代もあった!?)、三十八年も経っていたうえに、自分は幽霊になっていた。
どうやら何者かに殺害されて、ここに埋められたらしいが、いったいなぜ?(『ひとを殺さば穴ふたつ』)
といったトリッキーな設定のものなど、5編のミステリが詰められた短編集。
“日常の中の非日常”を、登場人物達が保有している情報を元に推理していく。
西澤さんらしいっちゃあ、らしい。
探偵が推理するというものではなく、過去に発生していた事件などを、今ある情報をもとに、
”実はこういうことだったのではないか”
と推理していくことがメイン。
与えられた情報は、その時の人間関係や思惑、明確になっている行動。
そこから、するすると真実へと向かい進めていく。
もちろん、到達する場所が必ず真実とは限らないけれど。
5編ある中では、表題作でもある『偶然にして最悪の邂逅』が、一番だと感じたかな。
この作品もそうだけど、とにかく人間関係が複雑怪奇に絡まり合っていく。
そんな中で達するラストは、拍子抜けするようでもあり、意表を突かれるようでもあり。
設定というか、会話をしている人は少人数で限られているが、話の中で出てくる事件の登場人物は多い。
そしてその人間関係が複雑に入り組んでいるので、そこを理解しながら読むと少し時間かかるかも。
そういったところを理解したうえで、では誰がどういう考えでどういう行動をしたのか?
考えながら読むと楽しめるかもしれない。
面倒臭い人は、駄目かもしれない(苦笑)
うーん、なんだろうなぁ。
西澤先生の作品は昔の、初期の頃の作品の方が好きだなぁ。
「神麻嗣子」シリーズとか書いてくれんのか。。。