【作品情報】
作品名:猫SF傑作選 猫は宇宙で丸くなる
著者:シオドア・スタージョン,フリッツ・ライバー他
ページ数:440ページ
ジャンル:SF
出版社:竹書房
おススメ度 : ★★★★★★★☆☆☆
猫度 : ★★★★★★★★★★
こういう人におススメ! : 猫とSFが好き!
説明も何もタイトル通りである。
「猫」が登場するSF短編を集めた作品集。
「猫」とSFはなぜこうも相性が良いのだろう・・・・などというが、調べてみれば他の動物も相性は良いのかもしれないが、イメージだろうか。
尚、<地上編>と<宇宙編>の二つにわかれ、それぞれ5編の短編が収録されている。
いやぁ、様々な猫がいますね!
「マシュマロを焼く天才猫」
「生き返って年を取らなくなった猫」
「銀河文明を変えた猫」
等々。
どんだけ猫、凄いんだよ! と。
執筆陣も多種彩々、有名どころはスタージョンとヤングといったところでしょうか?
いくつか印象に残ったところを紹介すると。
■【パフ】 ジェフリー・D・コイストラ
マシュマロを焼く猫。収録された作品の中でもかなり短いが、強烈な印象を残す一作。
マシュマロを焼くというくだりはともかく、この作品はSFというよりSFホラーだ。
ラスト、尾を引くようなおそろしさを予感させる幕引きと余韻がホラーとして非常に秀逸。最初の展開に騙されると後でとんでもない目に遭う逸品。
■【ベンジャミンの治癒】 デニス・ダンヴァーズ
亡くなったはずの飼い猫、ベンジャミンが蘇った。以後、数十年に渡ってベンジャミンは生き続けている。
そんなベンと主人公の生活。
その終わり、ラストが切なくて悲しくて、でも美しい。
主人公に対するベンの気の利いた幕引きがたまらない。
10編の中ではナンバーワン。
他の作品も様々な魅力にあふれているが、「宇宙に猫パンチ」はタイトルもそうだが、内容も素敵だ。猫パンチは人間を救う。宇宙船で猫が立派なクルーとして認められる、微笑ましさ溢れる作品。
古い作品も含まれるが、今まで訳されていなかった作品が読めるわけだし、物語自体は今読んでも十分に面白い。またSFといいつつファンタジーな作品など幅広く集められていて、読めばどれか気に入る作品がみつかるはず。
SFで猫といえば、ク・メルじゃないのか!?
といいたくなるが、本編はあまり世に出ていない作品を集めているんだし、ク・メルは猫娘の元祖として有名だから、ここで出すまでもないのであった。
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猫は宇宙で丸くなる 猫SF傑作選 (竹書房文庫) [ シオドア・スタージョン ] 価格:1,296円 |