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ミステリー 書評

【ブックレビュー】告解(著:薬丸岳)

更新日:

【作品情報】
 作品名:告解
 著者:薬丸岳
 ページ数:298
 ジャンル:ミステリー
 出版社:講談社

 おススメ度 : ★★★★★★★☆☆☆
 思わず考えさせられる度 : ★★★★★★★☆☆☆
 こういう人におススメ! : 犯罪を犯してしまった人のその後のドラマ

■作品について

大学生の籬翔太は飲酒運転中、何かに乗り上げた衝撃を受けるも、恐怖のあまり走り去ってしまう。
後日、その場所で老女が轢き逃げにあい死亡したというニュースを見る翔太。
自分の未来、家族の幸せ、恋人の笑顔―。失うものの大きさに、罪から目をそらし続ける翔太に下されたのは、懲役四年を超える実刑
一方、被害者の夫である法輪二三久は、“ある思い”を胸に翔太の出所を待ち続けていた。

二三久は何を伝えたいのか。
また翔太はどのような思いを抱えて日々を過ごすのか--

■良かった点

少年犯罪について描いてきた薬丸さん。
今回は20歳の大学生とはいえ、それは変わらないだろう。
主人公の翔太は恵まれた家庭環境で育つも、恋人と喧嘩しているある日の深夜に、「今すぐ来てくれないと別れる」と言われ、酒を飲んでいたにも関わらず車で彼女の家に向かう。
しかしその途中で人をはねてしまう。
恐怖のあまり、そのまま逃げてしまう翔太だが、それで警察の目から逃れられるわけもなく捕まり、実刑判決を受ける。

四年余りの歳月を経て出所した翔太。
両親は離婚し、恋人も失い、犯罪を犯した身でなかなか職につけるというわけもない。
さらに、抱える罪悪感。
人だと思わなかった、という証言をしてきたが、実際には分かっていた。
悪夢にも襲われ、これからどうなるのだろうと不安の日々。

一方で妻を失った二三久は、探偵を雇って翔太の住所を突き止めると、同じアパートに暮らすようになる。
復讐をするわけでもない。
認知症を患い、記憶すらもあやしくなるなかで翔太の側で生活し続ける。

なんというか、主人公の翔太に共感はできない。
自分の犯した罪に正面から向かい合えず、嘘の証言をして、出所してからもそれに苛まされている。
翔太から感じるのは、

何で俺がこんな目に

という思いばかり。
もちろん、自分が老女を殺してしまったことに対して贖罪の気持ちはあるし、悔いてもいる。
でも、どこか言い訳ばかりするわけで。
もし同じ立場になったら、同じように自分のことで精いっぱいになるかもしれないけれど、やはり共感できるわけではなく。

そんな翔太に対し、二三久の行動も最後まで分からないけれど、それが明らかになるラスト。
うーん、そういうことか。

ちょっと前向きになれるラストでした。

■ここが改善できるともっとよかったかも?

終わり方については賛否あるだろう。
あんな風に穏やかになれるのか? という疑問はやはりあるわけで。
でも、希望を持たせたかったのかな。

 

 

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