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ノーマルCP マリア様がみてる 江利子

【マリみてSS(江利子×祐麒)】運命の選択!? <おまけ>

更新日:

< おまけ >

「……本当に、今日は酷い目にあった」
 ひっぱたかれ、引っ掻かれ、祐巳たちには変態扱いされ、騒ぎすぎて隣の人から文句が出て、GWも終わりだというのにろくなことがなかった。
「ごめんなさい、怒らないで」
 正座をして、両手をあわせて、ぺこぺこと頭を下げてくる江利子。
 昼間の騒ぎも終わり、どうにか祐巳達も帰した。蔦子も最後まで渋っていたが、バイトの時間ということで帰っていった。
 しかし、こうして正座して縮こまっている江利子を見下ろしていると、なんだかむず痒くなってくる。
 理由はただ一つ、女子高校生の格好だからだ。
 大学三年にもなって、高校生の格好なんて、とも思うのだが。
「……似合わない、かな?」
 祐麒の内心を見透かしたかのように、ちらと見上げながら、江利子が尋ねてくる。
「いや、その」
 口を濁す。
 似合わないどころではない、むしろよく合っている。大人っぽさと幼さを併せ持つ江利子だが、目が大きく、ヘアバンドで額を出して、化粧もほとんどしてなくて、今は年齢よりも子供っぽく、即ち高校生くらいで充分に通じるだろう。
「……すんごい、可愛い、です」
 敗北した。
「本当? やったあ、恥しかったけど、良かった」
「恥しかったんですか?」
「当たり前じゃない、高校時代だって、こんな格好したことないんだから」
 とても恥しそうには見えなかった。むしろ、嬉々として、生き生きとしていたようにしか思えなかった。
「ふふ、そう見えたのだとしたら、きっと何か理由があると思うけれど?」
 意味ありげなことを言いながら、立ちあがる江利子。
 揺れるスカートの裾と、ニーハイソックスの間の絶対領域が眩いばかりだ。
「……でも祐麒くんて、ちょっと将来スケベ親父の可能性があるわね。こんな、女子高校生のコスプレを希望するなんて」
 進んで希望をしたわけではないのだが、選んだことは確かであり、今さら言い訳にしかならないので文句をつけるのはやめにした。
 大きくため息をついた祐麒を見て、江利子が一歩、寄って来た。
「でも、今日は少し調子にのっちゃったわね、ごめんなさい。お詫びと言ってはなんだけれども」
 声のトーンを落としながら、江利子は祐麒の手を握ると、手の平の中に何かを握らせた。手を開くと、紙切れが折りたたまれている。江利子を見ると、無言で頷かれた。  何かと思いながら、紙を開いていくと。

『次は、"婦警さん"と"チアガール"、どっちがいい?』

「ちょっ……江利ちゃん!?」
「あ、それともバニーさんとか、もしかして看護師じゃなくてセクシー女医とかの方が良かった?」
 小首を傾げて尋ねてくる。
 からかわれているのは分かっているが、可愛いだけに、文句が言えない。
「祐麒くんのお願いだったら、聞いてあげちゃうんだけど」
 そういう江利子に対し、ちょっとした悪戯心というか、やり返してやれという思いが浮かんできた。
「……わかった、じゃあ、こういうのはどう?」
「え?」
 言いながら祐麒は床に置いてあった雑誌を拾い上げ、グラビアのページを開いて江利子に差し出した。
 アイドルが猫耳と尻尾をつけた格好をしていたグラビア写真だ。しかも胸も足もかなり露出度の高い衣装である。
 雑誌を受けてページに目を落とした江利子は。
「え……こ、これ、を?」
 白い頬をさーっとピンク色に染め、上目遣いで祐麒を見てくる。
「やっぱり、無理? 口でいくらいっても、恥ずかしくて無理でしょう?」
「…………」
 黙ってしまう江利子。
 雑誌に視線を落とし、雑誌で顔を隠しながらちらりと目だけをまた祐麒に向け、祐麒と目が合うと慌ててまた俯く。
 さすがの江利子も猫耳コスは恥ずかしいのであろう。
「は、恥ずかしいけれど……ゆ、祐麒くん、こういうの、好き、なんだ?」
 おずおずと、手にしていた雑誌の見ていたページを祐麒に向ける江利子。
 そこには。

 チアガールの格好をした女の子が、胸をはだけさせ、豊満な胸の谷間にナニやら挟み、顔や髪の毛にナニやら付着させている絵があった。

 エロ雑誌だった。

「だあああああっ! なんじゃこれ!? あ、あ、アイツら、こんなもん勝手に置いていきやがって!?」
 大学の友人達の顔を思い浮かべながら、慌ててエロ本を隠す。
「あ、ああ……いうこと、するんだ……? わ、わた、わた、わたし、祐麒くんが、して欲しいっていうなら……」
 真っ赤になり、やや瞳を潤ませ、わたわたしながら言う江利子。
「わ、わたしの胸なら、出来ると思うし……あ、でも、少し時間くれると嬉しいかも。ちょっと、友達に教わってくるからっ」
「違う違う江利ちゃん、それ間違いだから! 友達に教わるとかしちゃダメ!」
 いや、誰に教わるつもりだよ、というツッコミは置いておいて。
 確かに江利子の胸なら余裕だろうとか想像してしまったのも置いておいて。
「え、でも、やり方とかよくわからないから」
 江利子は目がぐるぐるしてパニック状態に見える。
 こんな状態の江利子を見るのは珍しく、可愛いとも思えたが、暴走させてはいけない。
「や、やり方なら今度、俺が教えてあげるから、落ち着いて」
「え、う、うん、えと、でも祐麒くんの要望を」
「俺は、今の女子高校生姿の江利ちゃんが凄く可愛くて好みだから、そのままでいいから!」
 江利子の肩をつかみ、正面から見つめて言う。
 真剣な表情をしながら、何をバカな事口にしているのだと思わなくもないが。
「……うん、じゃあ、女子高校生のコスプレにする」
「そ、そう」
 微妙な空気に包まれる。
 なんか、勢いでとんでもないことを言ってしまった気がするが、何を言っただろうか。
「……それで、セーラー服でしたいのは、こういうこと?」
 江利子が指さす先には。
 先ほどとは違うエロ漫画の中で、セーラー戦士っぽい女の子がとんでもない痴態をさらしていた。

「ちちち、違うからっ! 江利ちゃんはこういうの見ちゃダメ!」
 祐麒をからかい大人っぽく見えるが、実はエッチなことに免疫のない江利子。

 

 小悪魔は、色々な意味で祐麒を翻弄してくれるのであった。

 

おしまい

 

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