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エンタメ 書評

【ブックレビュー】火竜の山: 南アルプス山岳救助隊K-9(著:樋口明雄)

更新日:

【作品情報】
 作品名:火竜の山: 南アルプス山岳救助隊K-9
 著者:樋口 明雄
 ページ数:346
 ジャンル:エンタメ
 出版社:新潮社

 おススメ度 : ★★★★★★★★☆☆
 犬との絆を感じる度 : ★★★★★★★★☆☆
 こういう人におススメ! : 山岳小説、エンタメ小説好き

■作品について

高速道路が開通して人気の新羅山。
新設された山岳救助隊のため講演に訪れた南アルプス警察署の夏実と静奈
ネットの登山サイトの同行者募集に応じた沙耶
誘拐犯人から逃げ出して一人さまよう傷だらけの少年
山に噴火の兆しが現れた時、人間たちの絆が試される。
パニック・アクション×クライム・サスペンス=一気読み必至の山岳ミステリ

■良かった点

シリーズものなのですが、なんと今までのシリーズを読んだこと無くていきなり読みました。
が、本作だけでも特に問題なく楽しんで読むことが出来ます。
きっと、シリーズを読んでいた方がより楽しめるのだと思いますけれど。

新羅山を舞台に、様々な人たちが巻き込まれていく。
南アルプス警察署から講演のためにやってきた夏実と静奈の二人。
ネットで知り合った仲間達とパーティを組んで登山にやってきた沙耶。
誘拐犯から必死で逃げ出して山に入ってきた少年、翔太。
その誘拐犯達と、誘拐犯を狙うヒットマン。

そんな色々な思惑をもった人たちが入り込んだ新羅山が噴火する。
噴火といえば思い出すのは御嶽山での噴火。
当作品でも、そのことが比較として出されている。
自然の、噴火の前では人の力などゼロに等しいもの。
噴火の予兆があると注意され、下山を促されても残って登頂していた人たちは、その自然の驚異の前で無力さと自分たちの判断の甘さを呪うことになる。

そんな場所に向かうのが山岳救助隊や自衛隊の人達。
夏実と静奈はバディでもあるバロンとメイという二頭の犬とともに救助に向かうが、そこで誘拐犯達と遭遇し。

多くの要素を混ぜ込みながら、一冊の中でうまいこと消化している。
感覚的には二時間ドラマや映画という感じか。

一気にラストまで楽しめる。

山岳小説っていうのは、読んでいて燃えるものがありますね。

■ここが改善できるともっとよかったかも?

噴火するタイミングでここまで色んな人が都合よく集まるのか!? っていうのはエンタメ作品だから言わない約束。
誘拐犯とさらにそれを狙うヒットマンまでくると、おいおいと思わなくもないけれど、気にしない。

 

 

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