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エンタメ 書評

【ブックレビュー】四人制姉妹百合物帳(著:石川 博品)

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【作品情報】
 作品名:四人制姉妹百合物帳
 著者:石川 博品
 ページ数:320ページ
 ジャンル:エンタメ
 出版社:講談社

 おススメ度 : ★★★★★★★★☆☆
 百合百合度 : ★★★★★★★★☆☆
 こういう人におススメ! : 学園青春百合モノ好き

 

■作品について

有名なお嬢様学校、閖村学園高校にある友愛組織、“サロン”。
そこに集う生徒たちは姉妹のように睦み合うとのことで、一年生の田北多恵は“サロン”に入会するための秘密の試験を受ける。
そんな多恵が語る、ハチャメチャ女子高校生ライフ。

■良かった点

なんてゆうかもう、とにかくもう、「読んでみろ」としか。
お嬢様学校で繰り広げられる、淑やかで、秘めやかな、女の子同士の日常・・・なんて甘酸っぱいものではありません!
私は共学校でしたが、女子校で、女子だけの間で繰り広げられる、遠慮ない下ネタの嵐。
女の子しか周囲にいないから、ここまでできるのか!?
ある意味アホらしささえ感じさせる、清々しいまでの下らない下ネタである。
だけど、その下ネタを通して先輩と後輩が通じ合って関係を深めていく・・・・のか?

特に、「つるつる」ネタをここまでかと盛り込んでくる。
だけどエロさは感じない。
これだけだと、女子高生達が下ネタで馬鹿な事やっている作品、と言う風にしか受け取れないかもしれないが、そういうネタを通して実は微妙に変化してゆく少女達の心の機微を描いており、だからこそアホな作品というだけで終わらず、何か心に残るのだ。
また、百合といいつつ実は男性も出てくるというか、聞き手が男性なので、百合ファンタジーというより現実的なものを感じさせてくれるのが見せ方として上手い。

百合というと、美しく、上品で、綺麗、そんなイメージを思い描きそうだが、この作品はそれをぶった切ってくれる。だというのに百合に対するイメージは悪くならない。
下品なやり取りの中にも、百合幻想を見させてくれる何かがあるからだ・・・・いや、そうか?

まあともかく、「毛」だけでここまで楽しませてくれる作品はそうそうないだろう。
奇書といってもいいかもしれないが、一読してみて感想を聞かせてほしい作品だ。

■ここが改善できるともっとよかったかも?

もっと彼女たちの生活を見てみたい!
「毛」以外でもきっとあるよね!

 

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