【作品情報】
作品名:廃園日和
著者:行成薫
ページ数:320
ジャンル:エンタメ
出版社:講談社
おススメ度 : ★★★★★★☆☆☆☆
じんとくる度 : ★★★★★★☆☆☆☆
こういう人におススメ! : ちょっと切ない良いお話が好きな人
廃園が決まった遊園地『星ヶ丘ハイランド』の最後の一日を描く連作短編集。
中学生の団体、年の離れたカップル、親子連れや老人夫婦らが、さまざまな思いを胸にハイランドを訪れる。
二度と会えない相手との別れ際に、かけるべきる言葉とは?
廃園となる遊園地の最後の一日を描いた連作短編集。
遊園地で働く人、かつて楽しんだ人、思い出を持つ人、色々な人が最後のこの日に様々な思いを持って集まってくる。
最後だからといって何か特別なことが起きるわけではない。
いつかは訪れる最後の時、現在と、そしてかつて訪れた過去のことを思い出し、また新たな気持ちをもって歩き出す。
何かのきっかけとして、遊園地の最後の一日がある、そんな感じ。
何かしらの最後の一日をテーマにするというのはテーマとしては珍しくないと思う。
その中で何を描くか。
短篇の最後で今まで描かれてきたことが一つになっていく様は、分かっていてもよいかんじ。
幸せなことばかりではないけれど、辛い事ばかりでもない。
なんとなく前向きになれるような読後感を得られる。
盛り上がるって感じではない。
しみじみと楽しむ感じ。