当サイトはアフィリエイト広告を利用しています

エンタメ 書評

【ブックレビュー】女王陛下のユリシーズ号(著:アリステア・マクリーン)

更新日:

【作品情報】
 作品名:女王陛下のユリシーズ号
 著者:アリステア・マクリーン
 ページ数:501ページ
 ジャンル:エンタメ
 出版社:早川書房

 おススメ度 : ★★★★★★★★☆☆
 壮絶度 : ★★★★★★★★★☆
 こういう人におススメ! : 男達の生き様と死に様を焼きつけたい人

 

■作品について

英国軍艦ユリシーズ号。
祖国の命を受け、ドイツ軍に立ち向かう。
待ち受けるのは極寒の海、空前の大暴風雨、Uボート群、そして爆撃機。
極限の状況の中で戦う男たちを描いた海洋冒険小説の不朽の名作!

■良かった点

なんというか、凄い。
読む前は、もっと派手な海洋冒険小説を連想していたが、まったくそんなものではなかった。
とにかく、全編を通して重苦しい。
それもそのはず、任務が厳しい。
先の二度の航海で疲れ切っているのに、輸送船団の護衛任務を割り与えられる。
しかも極寒の海、暴風雨、そして敵の襲撃が待ち構える中、艦長は病を抱えているという満身創痍の状態。

それでも男たちは任務に就く。
奇跡が起きるわけでもなく、派手な戦果が得られるわけでもなく、ただ男たちは命令された任務を遂行する。
その様がただひたすらに描かれるわけだが、だからこそ、命を賭して職を全うする男たちが格好良い。
美化するわけではない。
死にたくないという姿を晒すものもいれば、ちょっとおかしくなってしまうやつもいる。
そんな状況下でも不屈の闘志を消すことなく戦う者たちもいる。
だからこそ、真実味が感じられる。
エンタメ系の海洋冒険小説ももちろん好きで、スカッとするのも良いが、実際は本作のような形の方が現実なのだろう。

後半になればさらに悲劇は加速していく。
それでも折れること無く、勇敢に、でも内心では葛藤しつつ戦う男たちの姿に胸を打たれる。
船には色々な役割をおったクルーがいるわけだが、それぞれにドラマがあり、思いがあり、やるべきことがある。
それらがきちっと描かれているのも素晴らしい。

古典なれども海洋冒険小説の名作、それに間違いない一作である。

■ここが改善できるともっとよかったかも?

とにかく重苦しいです。
爽快感もありません。
そういうのが苦手だと読み続けるのが大変かもしれませんね。

 

[amazonjs asin="4150400075" locale="JP" title="女王陛下のユリシーズ号 (ハヤカワ文庫 NV (7))"]

 

応援クリックいただけると幸いです。
にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ

アドセンス1

スポンサーリンク

アドセンス1

スポンサーリンク

fam8インフィード広告2×4+5連

-エンタメ, 書評
-, , ,

Copyright© マリア様の愛読書 , 2024 All Rights Reserved Powered by AFFINGER4.