【作品情報】
作品名:われはロボット
著者:アイザック・アシモフ
ページ数:349
ジャンル:SF、ミステリー
出版社: 早川書房
おススメ度 : ★★★★★★★★☆☆
実はミステリー度 : ★★★★★★★☆☆☆
こういう人におススメ! : SFとミステリどっちも好き
今では有名なロボット三原則。
その三原則が定着したのはこの作品があったからこそ。
複数の物語で紡がれる、ロボット三原則によるロボット開發史。
ロボット三原則とは。
1.ロボットは人間に危害を加えてはならない
2、人間の命令に服従しなければならない
3、ロボットは1,2に反する恐れのないかぎり、自己をまもらなければならない
簡単にいえばこういうことで、このロボット三原則を編み出したのがアシモフであり、この「われはロボット」である。
今もなお、多くの作品で使われている三原則だけあって、こうして改めてよく見てみても、非情に良く出来ていることが分かる。
本作は、そのロボット三原則にまつわるいくつかの短編を積み重ねて出来上がっている。
短編ではあるが、登場人物が短編同士を、時代を跨って登場しているので、長編のようにも読めてくる。
そして、三原則を考えるにあたって与えられるのが、『ミステリ』である。
ロボットが不可解な行動、言動をしている。
その裏には、ロボット三原則がある。
絶対であるはずの三原則だが、だからこそ発生する矛盾であったり、問題であったり。
そういった謎を追いかけていく物語は、SFというよりはむしろSF設定のミステリー色ともいえる。
■「我思う、ゆえに...」
自我に目覚め信仰に目覚めたロボットのQT1号。
人間の技術者の制御を受け付けないようになり、やがて暴走してしまう
作品の中ではもっともロボットの怖さを感じさせられる一作。こういうロボットが出て来たらどうしよう・・・・と思ってしまう。
■「証拠」
なかなか皮肉めいた一作。
政治家のバイアリイにかけられた、ロボット疑惑。
食事をしているのを見たことがない、睡眠をとっているところも見たことがない、だからロボットじゃないか?
ということを端緒にした疑惑は、さらにエスカレートして。
何をもってロボットと判断するか? 人間と考えるか?
考えさせられつつ、最後のオチにも納得。
古典というなかれ。
作品として間違いなく一級品だ。
ハードSFを期待すると、逆に肩透かしにあう。
あくまでSFを設定にしたミステリーであり、ドラマである。
われはロボット〔決定版〕【電子書籍】[ アイザック アシモフ ] 価格:702円 |