【作品情報】
作品名:宮辻薬東宮
著者:宮部 みゆき, 辻村 深月, 薬丸 岳, 東山 彰良, 宮内 悠介
ページ数:242
ジャンル:ミステリー、エンタメ
出版社:講談社
おススメ度 : ★★★★★★★☆☆☆
ホラー度 : ★★★★★★★☆☆☆
こういう人におススメ! : 作者さんのファン
宮部みゆきさんお書き下ろし短編を辻村深月さんが読み、短編を書き下ろす。
その辻村さんの短編を薬丸岳さんが読み、書き下ろし……
超人気作家たちが2年の歳月をかけて“つないだ”ミステリーアンソロジー。
作者の名前を見るだけで豪華なアンソロジー。
5人の作家さんが5つの短編を描くわけだが、共通のテーマをもとにそれぞれ書き下ろす、というのとはちょっと違う。
最初に宮部さんが書く。
その作品を次の辻村さんが読んで、その内容を踏まえたうえで作品を書く。
という風に、リレーのバトンを受け取ってそれぞれが書いていくというわけである。
そういう意味でいうと、先頭を走ることになる宮部さんの作品でどのようなテーマになるか決まっちゃうわけで。
そんな宮部さんが書いたのは、ホラー。
おどろおどろしいというよりは、ちょっとドキッとするようなホラーとでもいうべきか。
んで、最初に好みのテーマで書いたからかもしれないけれど、なんだかんだで宮部さんの作品が一番印象に残った。
最初がホラーテイストということで、以降もちょっとホラーな感じをもって進んでいく。
尚且つ、前の作品のことも少し含んだりして、そして最後の宮内さんの作品からまた最初に戻る。
そういう風にうまいこと円環を成す作品に仕上げられている。
最後の宮内さんの作品、弱小会社のプロジェクトに関して描かれているのだが。
似たような環境で働いている人はきっといるはずで、そういう観点で読むと少し笑えるというか。
別の意味で楽しめたり。
まー、なんだかんだ宮部さんの作品だな。
やっぱあれね。
最初に書いたのが宮部さんで、好みのテーマで書いたから、どうしても後の人はそれに引きずられちゃいますよね。
むしろ宮部さんとか最後にもっていって、前の人のを引き継いでどう書くの?
という風にもっていったほうが良かったのでは。