こんにちは、神門です。
ギャルはオタクに優しい!?
とまあ、そういう系のラブコメが昨今多いとこのブログの中でも何度か言い、何作か紹介しております。
今回ご紹介する作品も、それの系統ではありますが、これまたちょっと違う継投でもあります。
『僕の心のヤバいやつ』の3巻が発売されましたので、あわせて作品の魅力・感想をご紹介します!
作品情報
作品名 | 僕の心のヤバいやつ |
著者 | 桜井 のりお |
出版社 | 秋田書店 |
紹介対象の巻 | 1-3巻 |
ジャンル | 陰キャx陽キャの格差ラブコメ |
作品の感想
主人公は市川京太郎、中学二年生男子。
オタクで陰キャで、まさに厨二病を地でいっているような男の子です。
そんな市川が気になっているクラスメイトの女の子が山田杏奈。
長身でスタイルの良い美少女でモデルもやっているという、まさにスクールカーストの頂点に立つような女の子です。
市川はそんな山田を殺したい、そして死体になっても美しい山田を独占してやるんだ、などという厨二病全開の妄想をしてしまったりしています。
しかしなんといっても陰キャラでコミュニケーションに問題のある市川、山田の属する陽キャラのグループと相いれることなんて難しいどころ、女子とまともに話すことなど出来ません。
実際に山田を前にするとしどろもどろになっちゃいます。
「僕の心のヤバいやつ」 1巻 桜井のりお/秋田書店より 引用
陰キャである市川の学園内での憩いの場は人の少ない図書室。
その図書室に、ある日山田がやってくることから二人の関係は変わっていきます。
山田が図書室にやってきた理由は本を読むためなどではなく、お菓子を食べるため。
お菓子を食べるシーンを目撃してしまった市川の目の前で、山田は更に奇行を繰り広げていきます。
そう、山田は見た目はスーパー美少女のモデルではありますが、基本的に天然なおバカ系でした。
山田の行動を見ていると、突っ込まずにはいられなくなる市川。
ツッコミどころか、山田の行動があまりに酷すぎて、フォローしてやらずにはいられなくなります。
- 授業の研究発表用の資料を作成しようとして、カッターがないからと手で雑に破ろうとしたり
- 学校で「ねるねるねるね」を作ろうとして水を汲むもびしょびしょに零したり
- さらにプルーチェを作ろうと紙パックの牛乳に直接入れようとしたり
「僕の心のヤバいやつ」 2巻 桜井のりお/秋田書店より 引用
とにかく、雑!
なんだかんだと世話を焼かずにはいられない市川ですが、それも、なるべく山田に気が付かれないよう、山田を傷つけないようにと、さりげなさを装おうとします。
大抵は空回りに終わり、逆に山田に笑われてしまったりするのですが、そういう市川の行動に山田も少しずつ気が付いていきます。
最初は図書室で秘密を共有してしまったことから、放課後に二人の時間を過ごすようになっただけだった。
接し方も、ただ天然に、自然に、自分のやりたいことをやっていただけだった山田。
それがちょっとずつ変化して、市川のことが気になるようになってきて、市川を意識した行動をするようになってくる。
その、少しずつ二人が仲良くなっていくところには、ニヤニヤせずにはいられません。
「僕の心のヤバいやつ」 3巻 桜井のりお/秋田書店より 引用
最初に言った、ギャルと仲良くなる系のラブコメの多くは、ギャルの方が意識的にからかってちょっかいをかけてきています。
そこにはどうにも最初から好意があるように見えますが、本作品は違います。
最初は本当に、山田は市川のことなど意識していません。
それが市川の優しさに触れて少しずつ変わっていくのがまあ可愛いこと。
更に天然おバカ系ですから、市川のことが気になってからのアプローチも、なんとも微笑ましいというか、見ていて口の端が緩んでしまうようなことばかり。
思春期の甘酸っぱさがこれでもかと溢れ出ている、ピュアな二人のやり取りを見ているだけで心が温かくなるような作品です。
・・・つうか、秋田書店の漫画、色々と面白い!