【作品情報】
作品名:二礼茜の特命 仕掛ける
著者:城山 真一
ページ数:377
ジャンル:エンタメ
出版社:宝島社
おススメ度 : ★★★★★★★☆☆☆
株式知識向上度 : ★★★★★★☆☆☆☆
こういう人におススメ! : 窮地からの逆転ストーリーが好き
内閣金融局の秘密部門SIIに所属する二礼茜
凄腕のトレーダーである彼女の仕事は、依頼人の大事な何かと引き換えに、資金作りの協力をすること。
今回の依頼先はバイオベンチャーのエヌメディック。
提携していた大手製医薬会社からの共同研究を打ち切られ、銀行からも融資を止められる事態に。
AIによる自動売買システムが取引を牛耳る株式市場で、茜がとった策とは?
本作が二作目、二礼茜のシリーズである。
ちなみに一作目はこちらで。
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【ブックレビュー】ブラック・ヴィーナス 投資の女神(著:城山 真一)
【作品情報】 作品名:ブラック・ヴィーナス 投資の女神 著者:城山 真一 ページ数:389 ジャンル:エンタメ、ミステリー 出版社:宝島社 おススメ度 : ★★★★★★☆☆☆☆ 茜さんの ...
彼女が行うのは、株取引で資金難に陥っている会社の資金作り。
本当にこんな仕事あるのか?
そうそう成功するのか?
という疑問を持ったとしても、そこはエンタメ作品なので。
彼女が仕事先に求めるのは、「大事なもの」
それと引き換えにしてでも会社を救いたいのか、という相手の本気度を知るためでもある。
会社を救いたい、でも自分も痛い目にはあいたくない、などという甘い考えは許さない。
そのかわり、相手が実行したからには茜も本気に応えるのである。
株式の世界には詳しくないが、比較的わかりやすく説明をしてくれているし、分からなくても物語の理解に大きな影響はしない。
この作品の肝は、窮地に陥った会社がいかにして一発逆転をするか?
というところにこそあるのだから。
会社が窮地に陥るにはそれなりの理由があるわけで。
単に経営に失敗したというわけではなく、共同研究をしていた製薬会社側の思惑だったり、そういったものもあって苦しい状況になっている。
人為的なものに対して対抗し、苦しみ、汗を流して走り回る会社の人達。
それが最後に報われるからこそ読んでいて楽しくなる。
また、茜とその年下の上司である百瀬の関係も良い感じで、先があれば楽しみである。
よし、これさえ読めば自分も株で大儲けできるぜ!
なんてことにはなりません。