【作品情報】
作品名:俺ではない炎上
著者:浅倉 秋成
ページ数:368
ジャンル:ミステリー
出版社:KADOKAWA
おススメ度 : ★★★★★★★☆☆☆
炎上怖い度 : ★★★★★★★★☆☆
こういう人におススメ! : 意外な展開に驚いてみたい
炎上怖い度 : ★★★★★★★★☆☆
こういう人におススメ! : 意外な展開に驚いてみたい
ある日突然、「女子大生殺害犯」とされた男。
既に実名・写真付きでネットに素性が曝され、大炎上しているらしい。
まったくの事実無根だが、誰一人として信じてくれない。
会社も、友人も、家族でさえも。
ほんの数時間にして日本中の人間が敵になってしまった。
必死の逃亡を続けながら、男は事件の真相を探る。
ネットでの炎上。
いつ頃からかそういうのが発生し、今ではいろんなところで炎上が発生。
炎上商法として、あえて炎上させる人もいたりします。
個人的には炎上したくありません。
本作では、ネットなんか詳しくもなんともない、むしろ殆ど使用しない中年のおじさんが身に覚えのない炎上に巻き込まれます。
主人公は会社で着実に成果を出している中年のおじさん。
それがある日、なぜかネットで女子大生殺人犯と噂され、炎上してしまう。
SNSなどやったこともないのに、自分の名前のアカウントで投稿されている写真には、自分の持ち物や自分のことを示すようなことが発信されている。
自分が無実だということは知っているが、それを見た人は誰もがSNSの情報を信じてしまう。
誰からも信じられず逃亡を図りながら、真実を追いかける。
いやー、怖いですね。
殺人事件かどうかはともかく、自分の意図しないところで勝手に炎上とかありえない話ではありません。
何気ない投稿が、実は何か変なモノが映っていたり。
何気ないコメントが、誰かの気に障ったり。
揚げ足取りにも近いものが、実際に発生していたり。
そういう世の中ですから。
物語の構成としては、主人公が逃げながら犯人を追いかける。
その犯人とは?
登場人物がそこまで多くないので、ミステリーを読み慣れている人ならなんとなく構成含めて想像ができるかもしれない。
私自身も、「こういうことじゃないか?」と予測したことが当たっていた。
それでも読みやすく、追い詰められていく主人公がどうなるのかを追いかけて一気に読み切ることができる。
単に炎上を終わらせるだけでなく、この事件を契機に主人公にちょっと変化が起きて終わるのは、少しいい感じ。
作者に求めるものが高いので、ちょっと物足りなくも感じた。