【作品情報】
作品名:小説
著者:野崎まど
ページ数:224
ジャンル:エンタメ
出版社:講談社
おススメ度 : ★★★★★★★☆☆☆
小説が読みたくなる度 : ★★★★★★★★☆☆
こういう人におススメ! : 小説について考えたい人
五歳で読んだ『走れメロス』をきっかけに、内海集司の人生は小説にささげられることになった。
一二歳になると、内海集司は小説の魅力を共有できる生涯の友・外崎真と出会い、二人は小説家が住んでいるというモジャ屋敷に潜り込む。
そこでは好きなだけ本を読んでいても怒られることはなく、小説家・髭先生は二人の小説世界をさらに豊かにしていく。
しかし、その屋敷にはある秘密があった。
小説をテーマとした作品である。
が、ジャンルとしてどうとらえれば良いのか難しいところ。
小説を読まずにいられないという主人公、内海。
友人の外崎、そして髭先生。
小説にとらわれた人たちの織りなす物語で、まさにタイトル通り。
作品の序盤から中盤にかけては、小説に憑かれたかのような二人の少年時代が描かれる。
小説が好きだった人なら、結構分かるというか感情移入したくなる部分もあるのではないだろうか。
とにかく本を読みたい。
本を読むために自分の環境を整えていく。
人は生活をしていかなくてはならないから、本を読んでいるだけではいられない。
本当は読んでいたいだけなのに、なぜ読んでいるだけではだめなのか。
そして後半は一気に様相が変わっていく。
内海と外崎の分かれた道。
その道の先で待っているもの。
SFというか幻想的というか、おいおい、どうなっちゃっているの、という感じ。
野崎まどワールドに浸れる一冊、なのかもしれない。
これは高く評価する人がいるのも分かる。
だけどハマらない人はハマらないだろう。
自分はどちらかというと、後半のSFチックな展開よりも序盤~中盤までの雰囲気の方が好きだった。
ので、この評価。