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SF ミステリー 書評

【ブックレビュー】鋼鉄都市(著:アイザック・アシモフ)

更新日:

【作品情報】
 作品名:鋼鉄都市
 著者:アイザック・アシモフ
 ページ数:358
 ジャンル:SF、ミステリー
 出版社:早川書房

 おススメ度 : ★★★★★★★★☆☆
 社会背景を考えさせられる度 : ★★★★★★★★☆☆
 こういう人におススメ! : SFもミステリーも好きな人

 

■作品について

地球人と宇宙人とロボットが生活するようになった世界。
そこでニューヨーク・市警の刑事・ベイリは、宇宙人惨殺事件を担当することになる。
相棒は宇宙市より送られてきたロボット。
巨大な鋼鉄の洞窟・シティに住まう人々の間で事件解決に向かうベイリと相棒のダニール。
SFにしてミステリーの傑作。

■良かった点

SF史において巨大な功績を残したアシモフ。
本作もSFなわけだが、単純なSFというわけではなく、SF世界を舞台にした高度なミステリー作品となっている。

根底を成すのはやはりSF。
宇宙人がいて、ロボットが普通にいる世界はもちろんだが、その世界はある意味ディストピア風でもある。
最大の効率を生むために画一化された住居、料理、娯楽。
人間たちは階級に応じてそれらを決まったルールで使って暮らしていく。
人間らしさはまだ失われていないが、そういう面を否が応でも感じさせられる内容にもなっている。

そして張り巡らされたSF設定の中で、物語の中心となるのはあくまで殺人事件の謎を追うミステリー。
そのミステリーも非常に正統派かつ、設定を活かしたものとなっており、きちんと各所に伏線がはられていて最後に回収されるようになっている完成度の高いもの。

謎を考えさせながら、人とロボットの共生や、食糧問題、宇宙への移民、階級社会、様々なことを考えさせるようになっているのもまたたいしたものだと思える。
今の世の中でも、ロボットというかAIにどんどんと職を奪われ、人はもっと新たな仕事を求めなければいけない時代になっている。
古典ではあるけれど、今読むと、まさに身に染みる内容となっているわけで、それもまた凄い。
今読んでも全く古臭くない一作だ。

なお、本作で説明された、「なぜロボットは人型なのか」が、なんか良かったというか、納得だった。

■ここが改善できるともっとよかったかも?

うーん、いや、これといった欠点の無い作品ですよ、本当に。
SFとして傑作であり、ミステリーとしても秀逸。

 

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