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SF 書評

【ブックレビュー】クォンタムデビルサーガ アバタールチューナーⅣ(著:五代ゆう)

更新日:

【作品情報】
 作品名:クォンタムデビルサーガ アバタールチューナーⅣ
 著者:五代ゆう
 ページ数:364ページ
 ジャンル:SF
 出版社:早川書房

 おススメ度 : ★★★★★★★★☆☆
 ここは楽園度 : ★★★★★★☆☆☆☆
 こういう人におススメ! : とにかく面白い物語が好き

 

■作品について

Ⅲにて過去編が描かれ、すべての発端が判明した。
そしてまた物語はサーフへと戻る。
ジャンクヤードの消滅に巻き込まれたサーフが再生したのは、黄色い空に黒い太陽が昇る世界だった。
「楽園」とはどこか。「楽園」とは何か。
舞台を「楽園」に移して繰り広げられる、仮装と現実の交錯する物語。

■関連レビュー
クォンタムデビルサーガ アバタールチューナーⅠ
クォンタムデビルサーガ アバタールチューナーⅡ
クォンタムデビルサーガ アバタールチューナーⅢ

■良かった点

いよいよ物語は「楽園編」へと突入する。
Ⅱのラストでジャンクヤードの消滅に巻き込まれたサーフ。
再生して目覚めた<楽園>は、セラが語っていたのとは全く異なる荒廃した大地だった。

Ⅰ、Ⅱで描かれたジャンクヤードでの戦いやカルマ教会といった存在、そして共に戦った仲間達。
Ⅲで描かれたキュヴィエ症候群、EGG、テクノシャーマン。
それらがいよいよこの第三部にて融合し、真の世界の姿を見せていく。

一部、二部、三部と、部が変わっているから当たり前といえば当たり前だが、各部でガラリと内容、展開が変化していくというのがとても良い。
それも無理に変えているのではなく、きちんとバックグラウンドがあり、それぞれが結びつき交錯している。

敵として立ちふさがるヒート。
悪魔としか思えないシン・ミナセ。
盛り上がるしかない展開だ。
また、前のⅢでは出番のなかったゲイルがここぞとばかりに大活躍。
情報戦では頭脳派であるゲイルの出番である。もちろん、バトルもいける肉体派でもあるけれど、両方を持っているというのは強い。
アルジラとシエロが物語になごみを与えてくれるのも強弱があって良いですね。

戦いに明け暮れていたサーフ達にとって、確かにこの地は「楽園」に映るのかもしれない。
だけど、それはあくまでまやかしの楽園。
サーフ達の決断、そしてそれによる結末はいかなるものとなるのか?

早く最終であるⅤを手に取らずにはいられない。

■ここが改善できるともっとよかったかも?

とりあえず「楽園編」の前編であるから、後編を読んで何か言おう!

 

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