【作品情報】
作品名:ラメルノエリキサ
著者:渡辺 優
ページ数:184
ジャンル:エンタメ、ミステリ―
出版社:集英社
おススメ度 : ★★★★★★★☆☆☆
主人公の個性度 : ★★★★★★★★★☆
こういう人におススメ! : 強烈な主人公を楽しみたい人
女子高生・小峰りなのモットーは、どんな些細な不愉快事でも必ず「復讐」でケリをつけること。
そんな彼女がある日、夜道で何者かにナイフで切り付けられる。
手がかりは、犯人が残した「ラメルノエリキサ」という謎の言葉のみ。
復讐に燃えるりなは事件の真相を追うが―。
昔、本屋で見て不思議なタイトルは覚えていた。
それをこの度、ようやく手に取って読んでみることに。
主人公の女子高校生、小峰りなは、どんなことでも自分が受けた不愉快なことには「復讐」するということ。
相手が誰であろうが、どんなことであろうが、容赦なく躊躇なく実行する。
ちょっとしたサイコパスとも思えるが、やられたらやり返したくなるのは人としての性。
それがまあ、行き過ぎている部分はあるかもですが。。。
そんなりながある日、通り魔からナイフで切り付けられたものだから大変。
りなは復讐するために犯人を見つけようとする。
犯人捜しのミステリーとしては弱いというか、そこがメインではない。
明らかに犯人だろうと思われる怪しい人物も出てくるし。
というか、登場人物が少ないので消去法でも分かってくる。
だけど本作は、りなの考えや行動、あとはりなの姉、りなの学友など、そういった人たちの気持ちや考え、行動を表現した作品なのかなと。
凄烈な想いを持ち動くりな。
りなの姉も、そんなりなの本質を知っているからか、かなりアレな思想を持っているし。
クラスメイトの立川もなんか不思議なキャラクター。
そういう人物像が立っているというのは一つの強みである。
なんか、キャラクターが浮かび上がるというか想像しちゃうというか。
スピーディな物語展開は切れ味鋭く、一気にあっという間に読み終える。
とにかく主人公が強いので、りなを気に入るかそうでないか、かな。
りなのキャラクターはあれだけど、復讐は自分のためにするものだというのは、理解できると思う。
誰かのために復讐するとか、それはなんか責任転嫁にも思えますよね。
ミステリ―的な要素を期待してはいけない。
主人公のキャラクターを楽しむ作品。