【作品情報】
作品名:ルームメイトと謎解きを
著者:楠谷 佑
ページ数:365
ジャンル:ミステリー
出版社:ポプラ社
おススメ度 : ★★★★★★★☆☆☆
意外と謎も本格度 : ★★★★★★★☆☆☆
こういう人におススメ! : 青春ミステリーが好き
意外と謎も本格度 : ★★★★★★★☆☆☆
こういう人におススメ! : 青春ミステリーが好き
全寮制男子校である霧森学院の旧寮「あすなろ館」。
昨年起きた“ある事件”のせいでほとんどの生徒が新寮に移ってしまい、今はたった6人の生徒しか入居していない。
あすなろ館の住人の一人・兎川雛太(とがわ・ひなた)が2年に進級した始業式前日、新たな入居者がやってきた。今年度から学院に編入してきた鷹宮絵愛(たかみや・エチカ)。
彼は動物にしか心を開いていない変人だが、優れた頭脳の持ち主だった。
奇しくも同室になった二人は、最初は反発するも次第にお互いを知っていく――。
しかし、ある日、あすなろ館に向かう遊歩道の途中にある東屋で、学内で絶対的な権力を持つ生徒会長の湖城龍一郎が何者かに殺害された。
現場の状況から、犯行が可能なのはあすなろ館の住人だけである。
転入生のエチカは湖城から目を付けられていたため、犯人の最有力とされてしまう。雛太はエチカの嫌疑を晴らすため、捜査を始めるが――!?
全寮制の男子校を舞台にした殺人事件。
主人公は、探偵役のエチカとワトソン役の雛太。
ということで、学園青春ミステリーという感じか。
文章はライトなノリでありますが、謎解きは思った以上にちゃんと本格だった(失礼な物言いかもですが)
殺人事件の発生した現場、状況から考えると、犯人は学園の外には出ておらず、霧森学院の旧寮「あすなろ館」にいる人間としか考えられない。
自分の仲間たちの誰かが殺人犯?
そういう疑心の中で進める謎解きは、犯人ではありえない人を一人ずつ論理的に除外していく方法。
その道筋は論理的であり、それまでの物語の中で全て説明されていたことで納得もできる内容(一部、ちょっとだけ「ん?」 と思わなくもなかったが)
導き出される結論は、ちょっとばかし驚かされることにも。
そうか、そういうことね、と。
もちろん、犯人を指摘するというよりは、その人以外はみんなできなかったという推理方法なので、そのロジックだけで簡単に自白しちゃうの?
と思わなくもなかったりするけれど、その辺は良心の呵責とか、詳しく調べられたら逃れられないと判断したとも思える。
寮生活はしたことないし、男子校も経験ないけれど、青春らしさは感じられるかも。
ライトなタッチで読みやすい、それなりに本格なミステリーを楽しみたいならハマると思う。
悪くはないんだけど、全体的に漂うBL臭。
全寮制の男子校を舞台としている時点で、まあ、そうなるところもあるよなという感じだけど。
実際、本当に男子校ってこんなんなるの?