【作品情報】
作品名:星くずの殺人
著者:桃野 雑派
ページ数:320
ジャンル:ミステリ―
出版社:講談社
おススメ度 : ★★★★★★★☆☆☆
宇宙空間の活用度 : ★★★★★★★☆☆☆
こういう人におススメ! : 部隊設定の面白いミステリーに興味あり
完全民間宇宙旅行のモニターツアーで、念願の宇宙ホテル『星くず』についた途端見つかった死体。
それも無重力空間で首吊り状態だった。
添乗員の土師(はせ)穂稀(ほまれ)は、会社の指示に従いツアーの続行を決めるが――。
一癖も二癖もある乗客、失われる通信設備、逃げ出すホテルスタッフ。
さらには第二の殺人まで起きてしまう。
帰還を試みようとすると、地上からあるメッセージが届き、それすら困難に。
『星くず』は宇宙に漂う巨大密室と化したのだった。
宇宙ホテル『星くず』の中、無重力空間で見つかったのは首吊り状態の死体。
無重力なのになぜ首吊り?
宇宙のホテルという特殊な空間の中、通信設備は破壊され、ホテルのスタッフも逃げ出し、特異なクローズドサークルが形成される。
なぜ犯人はこのような状況で殺人をおかしたのか。
その意図と犯行のやりかたは?
という特殊な設定のミステリ―。
トリックについては、宇宙空間というか宇宙ホテルという設定をいかしたものになっている。
と思う。
舞台設定や物語設定という点ではうまくできているし興味をひくものを作り上げられている。
面白そう、読んでみたいな、そう思わせるものがある時点で成功。
文章自体も癖がなくすらすらと読み進められる。
ホテルの構造や、無重力空間でどう動いているか想像しづらい、という点は少し仕方ないか?
登場人物たちも癖のあるキャラが結構いて、覚えやすいのは一つの利点か。
こんな人いるか?
と思わなくもないけれど。
なかなか楽しませてくれる作品でした。
クローズドサークルにして人数も制限したかったのだろうけれど。
ホテルスタッフが一人残らず逃げていなくなるってのはどうかと思ったりもした。