【作品情報】
作品名:鋼鉄の犬
著者:富永浩史
ページ数:351
ジャンル:SF
出版社:マイクロマガジン社
おススメ度 : ★★★★★★★★☆☆
ルーク可愛い度度 : ★★★★★★★★☆☆
こういう人におススメ! : ミリタリー好きか犬好き
軍用犬として爆弾処理を行っていたルークとその調教師のアルだったが、仕掛け爆弾の負傷で退役をすることになった。
ぐだぐだと暮らしていたアルだったが、やがて軍で世話になった獣医師の勧めで民間軍事会社に再就職をする。
そこで待ち受けていたのはなんと、ロボットの犬、BDY-9だった。
アルはBDY-9を戦場で使えるように調教することになるのだが・・・
近未来SF、ということです。
軍事物は色々と出ていますが、軍用犬とその調教師を主眼においた作品というのはあまりないのではないかと思う。
そしてSFらしく調教するのはロボットの犬。
さぞかし賢いのかと思いきや、最初は「お手」も出来ない。
果たして、こんなんで使い物になるのだろうか?
AIをのせているからといって、物凄く賢いロボット犬ができあがるわけではない。
その辺はある意味、ちょっとリアルな未来の話という感じがあるし、また戦場の雰囲気も同様に未来過ぎず、むしろ現代を思わせるような世界観。
AIを、実にアナログに、辛抱強く調教していくのはなんとなく読んでいて面白かった。
果たして、AIは心を持つのか。
それは色々なSF作品で描かれてきたテーマであると思うが、本作でも同様のことはやはり描かれる。
窮地に陥った中でBDY-9がとった行動は、何をもとになされたのか。
今までの調教の蓄積によるものなのか、はたまた何かAIに変化があったのか。
それは分かることはないのかもしれないけれど、なんかロマンを感じますよね。
ラストのBDY-9の行動には、なんか胸が熱くなる。
いいぞ、BDY-9! と応援したくなります。
登場人物も多くなく、物語に入っていきやすい。
色々と描かれていないことも多いけれど、それは想像してくださいということなのか。
はたまた続編が出ますよ、ということなのか。
続きが出るならば是非、読んでみたい。
やっぱりね、完全にすっきりと終わっているわけではないと思うので。
でも、戦争というか紛争というのは、こういうものなのかもしれないですけどね。
価格:750円 |