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ミステリー 書評

【ブックレビュー】生き残り(古処 誠二)

更新日:

【作品情報】
 作品名:生き残り
 著者:古処 誠二
 ページ数:208
 ジャンル:ミステリー
 出版社:KADOKAWA

 おススメ度 : ★★★★★★★★☆☆
 サスペンスフル度 : ★★★★★★★☆☆☆
 こういう人におススメ! : 戦場+ミステリーに琴線が揺れる

 

■作品について

北ビルマでの米支軍との戦い。
その中で独歩患者は中隊から切り離され、経験のとぼしい見習士官を付けられて分進隊として転進することとなった。
イラワジ河を筏で下る中で敵機に襲われ、命からがら河の中州に泳ぎ着くが、隊の一人が胸を刺されて死んでいた。
誰かが殺したのか。なぜ、そのような状況になったのか。

戦時下で行われたこと、兵隊の言動、その意図は。

戦争ミステリー小説。

■良かった点

古処さんといえば戦争を題材にした小説をずっと書き続けています。
そして単に戦争モノとして終わらせるのではなく、その中にミステリー要素も含んでいる。
本作でもそれは同じである。

物語は二つの視点で交互に繰り返されていく。

一つは、中隊から切り離され独歩患者をつれて転進する隊の様子を描いたもの。
もう一つは、その中隊で唯一生き残って安全圏に辿り着いた兵士を見つけた側からの描写。

なぜ、一人だけ生き残ったのか。
足手まといになった連れを殺して転進して来たのではないかと疑う下士官。
そうではないと、当時の状況を伝える兵士。
何が真実で何が嘘なのか。
なぜ、一人だけ生き残ったのか。
他の兵はなぜ、命を失ったのか。
そういったことが語られ、あかされていく事実には息をのむしかない。

戦時下、それも敵に襲われて圧倒的に不利な状況の中。
絶望に包まれた中での兵士たちの理性。
人間としての弱さや強さ。
生死を潜り抜けてきた仲間への思い。
正しいことが正しいとはならない、それが戦争なのだと知らされる。

戦争を生のものとして知らない身でも、読んでいて想像することはできる。
そして明らかになる真実の、その哀しさ。

読んでいて緊迫感の伝わってくる、良質な戦場ミステリーだった。

■ここが改善できるともっとよかったかも?

うーん。
個人的には特にない。
なんというか、会社で働いていたって辛い状況に陥ると人はどうなるか分からない。
戦争なんて状況ならなおさら、まともな神経でいるのは大変だろう。
こんな簡単な言葉で終われることもないだろうが。

 

 

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