【作品情報】
作品名:ノワール・レヴナント
著者:浅倉秋成
ページ数:612
ジャンル:ミステリー、エンタメ
出版社:講談社
おススメ度 : ★★★★★★★★☆☆
主人公たちの魅力度 : ★★★★★★★★☆☆
こういう人におススメ! : 少年少女の群像劇が好み
他人の背中にその人の「幸福度」が見えてしまう。
そんな不思議な力を授け受けた四人の高校生男女が何かに導かれるようにして一堂に会する。
なぜ、彼らは不思議な力を持つことになったのか?
なぜ、この日この時に四人は集められたのか?
全ては、求められてのことであった。
四人の奇跡の力の行きつく先は?
高校生男女4人の群像劇。
4人が手に入れた奇跡の力は以下のようなもの。
- 他人の背中にその人の「幸福度」が見える
- 本の背表紙を指でなぞると、その本の中身を全て記憶する
- 毎朝5つだけ、その日に聞くことになる言葉を予言する
- 念じることで触れたものを破壊する
どれもこれも便利そうであり、なかなか使えなさそうでもある。
一番使いでがありそうなのは、本の中身を記憶する能力でしょうかね、個人的には。
まるでバラバラの力をもった4人、それまで会ったことも聞いたことも無かったのが、ある日同じ場所に集められる。
それは偶然ではなく必然であり、身に付けた能力も、あるべきものとして力を手に入れたものだった。
4人が力をあわせ、それぞれの能力を活かして強大な敵と立ち向かう・・・
といえばそうなのかもしれないが、ちょっと違うか。
どちらかというと、謎を解き明かしていく、という感じ。
一人一人、それぞれ抱えているものであったり、過去であったり、悩みであったり、そういうものは違う。
謎を解き明かす、ある意味、非日常な冒険をしていく中で気持ちや考えに変化を起こしていく。
そんな若者の成長物語でもあるかもしれない。
主人公の高校生4人はそれぞれ個性的であり魅力もある。
小説だから多少の誇張はあるけれど、そもそも不可思議な能力を持った時点で普通じゃないですからね。
その4人の視点それぞれで順に話は進んでいくので、それぞれの考え方とかが分かるのも読んでいて良い部分。
ページ数が多くさらに二段組の構成だが、文章そのものは読みやすいので辛いということはないでしょう。
最後の終わり方も後味は悪くない。
全てが万事OKというわけではなが、4人ともそれぞれちょっとずつ変わり、進んでいこうとする姿が見られるので、気持ち良く読み終えられる。
やはり、主人公達と近い年齢の方がより読みやすいかもしれません。
まー、ツッコミどころもありますよ。
ん、それで解決なの?
いやいやだってさあ・・・・的なところとか。
気にしすぎない方がよいです。