【作品情報】
作品名:トータル・リコール ディック短篇傑作選
著者:フィリップ・K・ディック
ページ数:448
ジャンル:SF
出版社:早川書房
おススメ度 : ★★★★★★★☆☆☆
現実崩壊感度 : ★★★★★★★☆☆☆
こういう人におススメ! : とりあえずディック作品を読んでみたい人
色々な作品が映像化されているSF作家、フィリップ・K・ディック。
「トータル・リコール」や「マイノリティ・リポート」など既に刊行されていた作品に加え、今まで収録されていなかった初訳作品も含んだ短編集。
ディックの世界に入り込める、10の作品が収録されている。
ディックの作品は短編の方がキレがある。
そういう風な評もありますよね。
「トータル・リコール」
「マイノリティ・リポート」
などは数十ページの短い作品ですが、一本の長編映画になるのは、それだけ想像させるものがあるということ。
■「トータル・リコール」
火星に行くことを夢見ている男、クウェール。
実際に火星に行くことなど敵わない彼は、せめてそれに近い体験をしようとリコール社を訪れて火星旅行の記憶を得ようとするのだが、そこで明らかになる意外な事実。
何が現実で何が非現実なのか。
まさにディックらしさの詰まった一作であり、ラストのオチもそういうもの。
映画版て、こういう話だったのか、もう一度観たくなる。
■「マイノリティ・リポート」
犯罪予知が可能となり、殺人などもはや発生しなくなった未来の世界。
そんな犯罪予防局の局長であるアンダートンは、自分が殺人者となる予知を受けて追われる身となる。
なぜ、どうしてそんな余地が出てしまったのか。
逃げながら真実を追いかける、短いながらも濃度の高いサスペンス。
やはり映画化されただけあって、この2本は読んでいても楽しみやすい。
「地球防衛軍」とか「ミスター・スペースシップ」とかも個人的には好き。
長編の方が、より現実崩壊感を味わえるが、短編は短編で味があるし読み切りやすい。
ディックの作品として手に取りやすい一冊。
初訳の作品は・・・・まあ、悪くはないけれど特別によくもないっていう感じかなぁ。
人の好みにはよると思いますけれど。
トータル・リコール【電子書籍】[ フィリップ K ディック ] 価格:734円 |