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SF 書評

【ブックレビュー】ツインスター・サイクロン・ランナウェイ(著:小川一水)

更新日:

【作品情報】
 作品名:ツインスター・サイクロン・ランナウェイ
 著者:小川一水
 ページ数:336
 ジャンル:SF
 出版社:早川書房

 おススメ度 : ★★★★★★★☆☆☆
 ヒロインの可愛さ度 : ★★★★★★★★☆☆
 こういう人におススメ! : ライトな百合とSFが好き

 

■作品について

人類が宇宙へ広がってから6000年。
辺境の巨大ガス惑星では、都市型宇宙船に住む周囲者たちが、大気を泳ぐ昏魚を捕えて暮らしていた。
船を操縦するツイスタ、そして船を漁にあわせて自在に作りかえるデコンパ。
ツイスタは男性、デコンパは女性の夫婦で行うのが決まりなのだが、女性同士にの型破りなコンビが登場。
SF×百合!

■良かった点

本作は、SF百合アンソロジー「アステリズムに花束を」に収録されていた短編を再構成し、長編に仕立て上げたものである。

【ブックレビュー】アステリズムに花束を(S‐Fマガジン編集部)

【作品情報】  作品名:アステリズムに花束を  著者:S‐Fマガジン編集部  ページ数:409  ジャンル:SF  出版社:早川書房  おススメ度 : ★★★★★★★★☆☆  百合度 : ★★★★★★ ...

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話の大きな骨格は変わらない。
大気を泳ぐ昏魚を捕えて生活をしている宇宙の片隅の人間たち。
昏魚をとらえるために不思議な船を使用しているのだが、なんとその船の素材は、粘土。
ただの粘土ではない。
デコンパと呼ばれる人により、粘土は形を自在に変え、漁に適した船になるというのだから。

そんな粘土の船を活用して大気を泳ぐ昏魚を捕える人たちを描いており、SFではあるが話の中身は人間社会だ。
というのも、その星では数十万の限られた人間だけが暮らしており、生きるため、未来につなげるために日々暮らしている。
決まったルールがあり、それに背くものは認められない。
ツイスタは男、デコンパは女がなるもの。夫婦がなるもの。
これ即ち、未来の社会であっても昔ながらの社会を映し出している。

ヒロインの一人、ダイオードは女性だけどツイスタの素質があり、ツイスタになりたいと思っている。
実際、もう一人のヒロイン、テラと組んだ漁では他に類を見ない漁獲をあげるのだが。

「女だから」、「女のツイスタなんて認められない」

という、ただ昔から決まっていることだけで、周囲から認められない。
操縦するツイスタは男、デコンパである女はツイスタの望む船を作って従っていれば良い。
そういう社会なのだ。

そこに燦然と立ち向かうダイオード。
小さい体で、強気で、だけど弱い、そんな少女。
ダイオードとペアを組むのは、ダイオードとは対極的に長身で胸もお尻もサイズの大きい天然なテラ。
彼女たちが古いしがらみに縛りつけられている他の人達に真っ向からぶつかっていく姿は、頑張ってほしいと思わせられる。

長編になったことで、二人が出会ってから少しずつ距離を縮め、互いのことを思い、やがて思いが通じ合うのが描かれていくのもとても良い。

  • 凸凹コンビ
  • 強気と天然
  • 小さいのと大きいの

テンプレだけど、そんな二人が良い。

続きをあえて書かなくても良い気はするけれど、二人のその後のラブな生活を見てみたい気もする。

■ここが改善できるともっとよかったかも?

先に短編があるから仕方ないけれど、同じようなのを長くした作品をもう一回読んだ。

そう感じる部分もある。

 

 

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