こんにちは、神門です。
本を読むのが大好きです!
色々と好きな本を購入して読みますが、全部が全部購入できるわけではありません。
資金の問題もありますし、保管場所の問題もありますし。
だからこそ図書館って素晴らしいですね!
ということで、図書館を舞台にしたハイ・ファンタジー『図書館の大魔術師』5巻が発売されたのでその感想です!
作品情報
作品名 | 図書館の大魔術師 |
著者 | 泉光 |
出版社 | 講談社 |
紹介対象の巻 | 5巻 |
ジャンル | ハイ・ファンタジー |
作品の感想
本作、『図書館の大魔術師』は、ハイ・ファンタジーでありながら図書館を題材にしているという時点でなかなか珍しいです。
絵も綺麗ですし、世界観もしっかり作り込まれています。
テキトーなファンタジーではなく、
- どのような世界で
- 世界にはどんな種族の人達がいて
- それぞれどんな習慣があって
- どんな文化があって
社会的風習、種族間の差別意識、そういったものもきっちり作り込まれたうえで物語が展開していきます。
ハイ・ファンタジーの難しいのはそういうところ。
世界設定がきっちり作られていないと、その中で動くキャラクター達が薄っぺらいモノになってしまいます。
色んな種族で、過去から今に渡って長い間に積み重ねられてきたものがあるからこそ、色々な思いや行動につながるわけですからね。
そんな『図書館の大魔術師』についての魅力は、マンガフルさんに記事として寄稿していますので、よろしければ是非そちらを一読ください!
『図書館の大魔術師』の秀麗な世界!本好き必読の精緻に創造されたハイファンタジーの魅力をご紹介
さてさて、今回は5巻の感想です!
4巻まででは念願の司書試験に合格して、いよいよ中央図書館にやってきた主人公のシオ。
試験に合格した同期の仲間達と顔合わせをしていたわけですが、5巻ではいよいよ司書見習いとして本格的に活動を開始します。
その中で、司書の様々な部署の仕事を知りながら、同期の仲間のことも知っていくことになります。
今巻で関わるのは・・・試験で最も優秀な結果を残している首席のアヤ=グンジョー。
ラコタ族の少女です。
「図書館の大魔術師」 5巻 泉光/講談社より 引用
目録室での実技、蔵書点検でアヤとペアを組むことになったシオは、アヤの優秀さを目の当たりにします。
ペアを組んだこともあり、アヤと仲良くなろうとするシオですが、なかなかうまくいきません。
シオはアヤに、本が好きだから司書になったのでしょうと聞くが、それがアヤを怒らせることに。
ここにもまた、この世界における女性と男性の立ち位置というか、そういったものがあるわけです。
誰もが同じ思いをもって司書になったわけではない、それは当たり前の事。
でも、その志望動機の裏には、人それぞれ思いも、その思いの深さも違うものがあるわけで。
純粋ともいえるシオは、まだそこまでのことが考えられていなかったのです。
そんなシオに対し、アヤの思いを教えてくれたのは、アヤの幼馴染であるカナ=ミドリィ。
同じラコタ族の少女で、本の虫。
「図書館の大魔術師」 5巻 泉光/講談社より 引用
いいですねカナさん、長身で三白眼とか、好みにバッチリです!
やや斜に構えながらも、実はおせっかい焼きでシオをアヤちゃんをフォローしてくれる姿とか素敵です。
そんなカナの助けもあり、シオとアヤは互いのことを理解し、一歩近づくのです。
というか元々好奇心旺盛なアヤ、一度、興味を示されたら行動はなかなか大胆に!
シオだけでなく、オウガとも仲良くなってクリーク族(オウガ)の文化も積極的に試してみちゃったり。
と、アヤと仲良くなりますが、そんな子ばかりではありません。
様々な人、特に貴族というか、上層階級出身の人達の意識はそう簡単には変わりません。
そういうのは現代も同じですね。
私は貴族よ、下賤の民が同じ目線で語らないように!
みたいな感じですね。
そういう意識を持った人も中に入るわけで、特にその意識が強いのがメディナ=ハハルク。
前巻よりトラブルメイカー的なふるまいを見せていた彼女ですが、今巻ではシオに対しても圧倒的な敵意を見せてきます。
貴族とはいえ、そこまで強い、憎悪ともいえるものを見せつけてくるのは、裏に何かあるのでしょうか。
「図書館の大魔術師」 5巻 泉光/講談社より 引用
彼女以外にも、まだまだ気になる同期の仲間達がいますが、さすがに全員を描いていくのは難しいですかね。
それでも、全員にきっちり性格付けはされているので、読んでいて楽しいです。
そして巻のラストでは、いよいよ最後の見習い司書が登場します。
彼女こそがこの物語の鍵を握る人物。
シオとともに、どのような行動を見せていくのか楽しみです。
とにかく、見所がありすぎる『図書館の大魔術師』
設定がしっかりしているので、コマに描かれている何気ないところにも色々なものが垣間見えます。
誰と誰が一緒に行動しているとか、誰が誰に話しかけているとか。
そういうのもあとで繋がってきたりして、設定を知ったうえで読み返すとまた新たな発見があったりします。
うーん、単行本がなかなか出ないのがもどかしい!