【作品情報】
作品名:女が死んでいる
著者:貫井徳郎
ページ数:384
ジャンル:ミステリー
出版社:KADOKAWA
おススメ度 : ★★★★★★★☆☆☆
どんでん返し度 : ★★★★★★☆☆☆☆
こういう人におススメ! : 良いレベルのミステリ短編集が読みたい
二日酔いで目覚めた朝、寝室の床に見覚えのない女の死体があった。
しかも、玄関には鍵がかかっている。
まさか、自分が殺してしまったのか?
手帳に残されていた住所を頼りに、真犯人を探しに向かうが・・・
など、7編を収録した短編集。
貫井さんの短編集。
ミステリーであり貫井さんであり、それぞれラストには、読んでいて思っていたことをひっくり返されるような仕掛けが?
滅茶苦茶凄いというわけではないかもしれませんが、ちゃんとレベルを揃えてくるのはさすがというところ。
表題作はタイトルの通り。
朝起きたら知らない女が部屋で死んでいて、部屋には鍵がかかっている。
女の胸にはナイフが刺さり、どう考えても誰かに殺されたとしか思えない。
一体、昨夜に何が?
ということで主人公が事件の真実を追っていく。
他にも色々と短編が入っているわけだが、浮気とか児童虐待とか、内容的には重いものが多い。
だけどそこまで重く感じさせない気がするのは、短編で短いからかな?
なので、読んで結末がわかっても明るい気分になれる作品は少ない。
のは、貫井さんの作品だから、そりゃそうだ!
そんな中で最後の「レッツゴー」だけ毛色が違う。
タイトル通り、最後には「レッツゴー」という気になるというか、主人公がそういう気持ちを出してきて、前向きに終われる感じになっている。
これを最後に持ってきたのは、やはりそういう意図があってかな?
他の作品を読んでから「レッツゴー」を読んで終えるのと、「レッツゴー」が途中にあって他の作品で読み終えるのでは、この一冊の本として読み終えた時の読後感が全然違う。
全体的に重いテーマでも、なんか前向きに読み終えられる方が精神的には良いですよね。
貫井さんらしく、「レッツゴー」以外は後味の良さとか爽やかさとかはありませんよ。
それは分かって読みましょう。
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