「お疲れさま、はい水分補給」
「あ、ありがとうございます」
稽古の合間の休憩時間、理玖が差し出してきた水筒を素直に受け取って口を付ける。直接口をつけるタイプの水筒で、もしかして間接キス? などと考えるような余裕もなく水分を吸収する。
「頑張るわね、どう、随分と慣れてきたんじゃない?」
「いえ、さすがにまだ……」
季節は十月とはいえまだまだ暑い日も多い時期で、稽古場には熱気がこもって凄まじく暑く靄がかかっているように感じられる。
冴香との稽古を開始してから早くも三か月以上経っているが、祐麒にしても冴香達にしてもそれぞれに予定があるわけで、実際にあわせて稽古が出来るのは月に一回か二回というところだった。間に夏休みを挟んでいるが、長期休みである生徒とは異なり冴香は普通に仕事をこなしているわけで、遊びにも精を出している祐麒とはやっぱり予定が合わない。さすがにそれだけで冴香の稽古についていけるまでには至らないが、多少は慣れも出てくるので最初の時ほどグロッキーにもならずには済んでいた。
「全然、相手にならないですし」
「でも頑張っているよ、祐麒くんの動きも凄く良くなっているし、上達している」
理玖に言われる通り、動きがよくなっているかなという気はしていた。速くて鋭い冴香の剣と体捌きに相対していたせいであろうか、必然的に祐麒の力も引き伸ばされている、そんな変化を感じていた。
そして変化といえばもう一つ。
「あたしも楽になるし、祐麒くんは強くなれるし、姉さんも新たな稽古相手が出来てまさにWIN-WINの関係だよね」
しゃがみ込んで祐麒と視線をあわせ、にへらーっと笑いかけてくる理玖。いつの間にか呼び方が『祐麒くん』と名前呼びになり、話し方も接し方も非常に親しい感じになっていた。
「だって教育実習はとっくに終わっているし、友人としてその方がいいじゃん」
というのが理玖の言い分であり、間違っているわけではないので冴香も文句を言うことはできない。
「理玖先生も強いですよね、何気に」
「姉さんの相手をさせられていると自然とね、って、また『先生』ってつけた。あたしのことは理玖でいいって言っているのに」
「いえ、もう理玖先生で定着しちゃっているので」
一方で祐麒は今でも『先生』呼びを続けている。さすがに『理玖』と呼び捨てにはできないし、さん付け呼びも違和感を覚えてしまい、結局は慣れた呼び方にしている。
「……そろそろ休憩も終わりでいいかしら?」
少し離れた場所で汗を拭いていた冴香が立ち上がり、静かに声をかけてくる。
「えええっ、もう?」
「十分に休めたでしょう。ほら、あと少し」
「ふーっ、頑張りますかー」
腰に手を当てて伸びをする理玖、祐麒も再び竹刀を手に取る。
この日の稽古も厳しいものだった。
「ふぅ~っ、稽古はきっついけれど、その後に飲むビールは最高ね!」
乾杯した後、コップのビールを半分ほど喉に流して笑顔を浮かべる理玖。
「おじさんみたいなこと言わないでよ」
そう言う冴香の方がよほど豪快で、一気にコップを空にしている。
稽古を終えた後、いつもの通りに帰宅しようとしたところで理玖に呼び止められ、ご馳走するから一緒に夕食を食べて行こうと誘われて足を運んだのが居酒屋だった。
「そもそも、福沢くんは未成年の高校生なのよ。それを、私達教師がこんなお店に誘うなんて問題が」
「まあまあ、堅い事ばかり言わないで、別に祐麒くんが飲むわけじゃないし。それにどうせ飲むなら女二人だけより、若くて可愛い男の子からお酌された方が嬉しいじゃない」
「それこそおじさんみたいなこと」
とか言いつつ、祐麒が差し向けたビールに対し、素直にコップを傾けてくる冴香。
「姉さんだって助かっているでしょう、祐麒くんが相手をしてくれて」
「それはまあ、いないよりは相手がいた方がっていうのはあるけれど」
「もう、姉さん。言いかたってものがあるでしょう。ごめんね祐麒くん、この人、そうゆうの鈍くて」
「ちょっと理玖、姉に向かって『この人』って言いかたはどうなの?」
冴香の言葉だけを耳にすれば、祐麒の存在は『誰もいないよりはマシ』程度にしか思われていないのは分かる。確かに酷い言いように聞こえるが、そもそも冴香が頼んでいるわけでもなく、祐麒が自分で勝手に稽古に来ているだけと思われているのだから仕方がない。それに冴香に悪気がないことも、そしてその言葉が事実であることも分かっているから、そこまで落ち込むことはない。
「――祐麒くんも言ってやってよ、姉さんは女子力が低すぎるって。こういうのはやっぱ男の人から言ってもらった方がきくし」
「そんなことないわよね、福沢くん」
そしていつの間にどうなったのか、そんな話題を振られて困る祐麒。そもそも冴香の女子力が高いか低いか分かるほど、冴香のことを知らないのだから。学園での教師としての冴香、休日の稽古相手としての冴香、これだけでは何も分からない。
「いやいや、ちょっとした仕種とか言動とかでさ、分かるでしょう」
まあ確かに、授業中の厳しい態度、部活動中の厳しい言動、そして今日のような稽古では相手を射殺さんとばかりの眼光と、女子力が高いと思える要素が見当たらないことは確かなのだが、そんなことを口にしたら本当に殺されてしまいそうな視線を感じるので控える。
もう少し考えて思い出せば、冴香にだって女子力が高いところはあるのかもしれない、そう、例えばあの美しいお腹のライン――
「――――」
と、不意に『あの時』の冴香の姿を思い出してしまい、顔が熱くなる。
「――あ、祐麒くん今なんかエッチなコト考えたでしょ? 赤くなっているもん」
「ち、違いますよ、そんなことじゃありません」
「じゃあ、何を考えたの? やましいことがないなら言ってみなさいよ、ほれほれ」
眼鏡の下の目を細め楽しそうな顔をした理玖が、祐麒をせっついてくる。
「いえ、あ、でも確かお弁当を作ってきていますよね、前に見たことあります。そうゆうのって、女子力高そうだと思いました」
ぱっと思い出したのは、中庭で明らかに手作りのお弁当を食べていた冴香の姿。これはいけると口に出したは良いが。
「……あれは、理玖が作ってくれているの」
「あはは、どうもありがとー。あたし、女子力高い?」
逆効果となってしまった。
しかし冴香は別に怒った様子もなくビールを飲み、運ばれてきた串焼きを食べ、またビールを飲んでとマイペース。
「別にいいのよ、今は稽古に集中しているし、そっちに重きを置いているから」
「重きを置いているっていうか、姉さん料理は壊滅的じゃん」
「ちょっと理玖」
「それに家じゃあ学生時代のジャージ姿でビールか1カップ酒を片手に晩酌して、とてもじゃないけれど」
「理玖っ!」
「そ、そういえば聞いていませんでしたけれど、山村先生がこんなに頑張って稽古をしている理由って何かあるんですか」
これ以上はまずいと冴香の雰囲気から感じ取り、慌てて話題の方向修正を図るが、知りたいという気持ちは嘘ではない。休日を使用してまで、それも体を動かしているとかいうレベルではない熱の入れようであるのだから。もちろん、単純に剣道が好きで上達したいという思いで続けているだけなのかもしれないが、それにしては随分と熱が入っているようにも感じられる。
「別に、たいした理由じゃないわよ」
祐麒の質問は軽く流されてしまった。
理玖の方を見ると、理玖自身は理由を知っているようだが自ら教えてくれる気はなさそうだった。
稽古に付き合っているとはいえ、部外者である祐麒に簡単に教えるようなことではないのか。あるいは本当にたいした理由じゃないのかもしれないが。
いずれにしても、今の祐麒に対して教えてくれる気はなさそうだった。
なんだか、少し悔しい気がした。
「お二人はずっと剣道をしているんですか?」
「そうね、小学生の頃からだから」
「あたしは姉さんがやっていたから引き込まれた感じ。汗臭いしきついしで、よく大学までも続けられていると我ながら感心するわ」
「理玖はもうちょっと真面目に取り組んでいればね、せっかく素質があるのに」
「いや、姉さんみたいに『勝ちたい』意欲が少ない時点で、素質はないってことでしょ」
ゆるゆると首を振って否定する理玖。
そう言われてみると、理玖も剣道の腕前はなかなかのものだと思われるが、冴香のような熱を感じることが出来ない。単に稽古だからであって、実際の試合になればそれも変わるのだろうと思っていたが、そうでもないのかもしれない。
「まあ、剣道は嫌いじゃないし、てか嫌いだったらとっくにやめているし。ただ、あたしは趣味でいいかな。体力維持とスタイル維持でね、ヤリ過ぎて姉さんみたいに筋肉ムキムキになりたくないし」
「失礼ね、そんなんじゃないわよ。そもそも筋肉で剣道が強くなるわけじゃないし」
「いやでも姉さんの打ち込みの強さは反則だって、ねえ祐麒くんもそう思うでしょ?」
「は、はい」
「ほらやっぱり」
「福沢くん、覚えていなさいよ」
「あっ!? す、すみません、つい!」
全く否定する要素が無かったため素直に頷いてしまったが、冴香に鋭く睨まれて慌てて頭を下げる。
「本当のことなんだから、頭を下げなくていいんだよ祐麒くん。ほら姉さん、男の子にも怪力だって思われているよ、そんなんじゃ女子力高いとはいえないでしょ」
「怪力とは一言も言っていないじゃない、ねえ福沢くん?」
少しばかりムキになっているように見える冴香。意外と気にしているのだろうか。
この課外稽古で少しずつ、冴香の知らなかった一面を目にしていた。
「――ぃやったぁ!!」
翌週の稽古をしている最中に、理玖が拳を突き上げながら駆け込んできた。
何事かと首を傾げる祐麒の横で、冴香が相好を崩した。
「理玖、それじゃあ」
「ぶいっ!」
誇らしげにVサインを見せつける理玖。
「おめでとう、って言うにはまだ早いわね」
「いいじゃない、今日くらいは素直に祝ってくれても」
理解できていない祐麒の前で、姉妹は二人で盛り上がっている。そのことに気が付いた理玖が、笑顔で説明をしてくれた。
教員採用試験の二次試験についての結果発表があり、見事に合格していたことで理玖のテンションが上がっていたのだ。実際にはまだこれから実際の学校の採用試験があり、少子化もあって倍率の高くなっている門をくぐれるかどうかは分からないが、それでも第二関門を突破出来たわけである。
「おめでとうございます。それじゃあ来年は本当に『理玖先生』が誕生するかもしれないんですね」
「ありがとう、嬉しい事言ってくれるじゃない」
テンションの上がっている理玖は祐麒の頭に手を置き、髪の毛をわしゃわしゃとかき混ぜてきた。
「ちょ、やめてくださいよ」
「遠慮しなくていいってば、ほらほらー」
「いい加減にしなさい、嫌がっているじゃない福沢くん。それよりせっかく来たんだったら早いところ着替えてきて、まだ時間あるし」
「えええ、ちょっ、なんで合格したのに姉さんにしごかれなきゃならないワケ!?」
「理玖だって体を動かしてすっきりしたいでしょう、ほら、さっさとなさい」
押し問答をしていた姉妹だったが、やがて理玖の方が折れて稽古をすることになった。口ではなんだかんだ言っている理玖だが、本当に嫌ならば断わればよい事だし、動きを見てもさすがだと思わされる。
教員採用に向けた活動とゼミでの卒論と多忙な中で稽古の時間もまともに取れていないはずなのに、見事なものである。
そうして三人で稽古をしてしばらくして、先に音を上げたのは理玖であった。
「もーっ、せっかく今日は目出度い日なのに、なんでこんな目にあわなくちゃいけないのよーっ。もうやめやめ、合格祝いに飲みに行こうよっ」
床に大の字になって倒れ込み、もう動かないぞと意思表示をする理玖を見て、なんだか子供っぽいと可笑しくなる。
「もう、倒れないの。仕方ないわね、今日はこの辺にしておきましょうか、私もこの後予定があるし」
「え、何それ、合格祝いのご馳走!?」
がばっと起き上がって冴香を見上げる理玖。
「また今度、改めてでお願い」
「ちぇっ、じゃあいいわよ」
髪の毛をまとめていた手拭いを解いて汗を拭いつつ、立ち上がった理玖が祐麒の方へと歩いてくる。
「姉さんがデートなら、あたしだって祐麒くんとデートして祝ってもらっちゃうもんね」
ぐいと腕を組んでくる。
柔らかな理玖の体の感触、そして汗の匂いが伝わってくる。
「別にデートじゃないし、大学時代の友人と会うだけよ。それより理玖、あなたこそ付き合っている相手がいるでしょう」
「それは先週に別れたから今はフリー、だから祐麒くんとデートしても無問題。てゆうか、せっかく合格した日に独り身とか寂し過ぎるし、別にいいでしょ?」
「……福沢くんは高校生なのよ」
「食事するだけだって。何、心配? 確かに年頃の男子高校生だもんね、狼さんになって襲われる危険性は高いかも」
「私が心配しているのは、私の生徒のことです」
呆れたようにため息を吐き出す冴香。
「あたしだって来年は教師よ、生徒を変な店に誘ったりしないってー」
そんなことを言った理玖に結局のところ半ば強引に連れていかれたのは、安い居酒屋であった。
「学生だからそんなにお金ないのに、だから姉さんにたかろうと思ったのに、くそー」
安い居酒屋とはいえ、散々に飲んで食べたわけでそれなりにお値段もいくのではないかと思われるが、高校生でバイトすらしていない祐麒に支払える金はない。
「祐麒くんはいいのよ。それより姉さんったら、本当に色気もないしくそ真面目で堅くてつまらない女でしょう? だからもうずっと男っ気もないしさー、せっかくあたしが祐麒くんっていう若くて可愛い男の子を派遣してあげたのに、手を出そうともしないし」
「いや、手を出したら問題でしょう」
「だったら祐麒くんから手を出しなさいよ、自分が女だってことを知らされればね、意外と堕ちると思うのよ、姉さんみたいなタイプは。もうほんと、男が出来れば少しは家でもちゃんとしてくれると思うんだけど」
「えーと、山村先生、家ではどんな感じなんですか?」
流れ的に話を振ってみると、理玖の口から話される冴香の姿は意外なものだった。
冴香と理玖はマンションに二人で暮らしているらしい。もとは一人暮らしだった冴香だが、理玖が大学生になった時に家賃や家事のことなど考慮して一緒に暮らすことにしたらしい。
しかし家での冴香はかなりイケてないらしく、学校から帰ったら学生時代のジャージ姿に着替えてビールで一杯、料理が出来ないから理玖が来るまではコンビニ弁当かスーパーの惣菜のゴミが部屋にどっさり。仕事が忙しいのを言い訳に洗濯も一週間か二週間に一度まとめて実施で溜め放題、理玖がいないと部屋は酷いありさまだという。
祐麒が知っているのは学園での冴香であり、いつもスーツでビシッと決めてキビキビと動き、授業も部活の指導も厳しくて、私生活でもガッチガチなのだというイメージしかない。休日の稽古で合っている時も、その印象が変わることはない。
「人の前では、そりゃ見せないよー」
家賃の多くを冴香が払う代わりに、家事のほとんどを理玖が請け負っているらしい。酒も入っているし、多少の誇張はあるのかもしれないが、意外な事実であった。
「ふーっ、ほらもっとお酒ないの」
「理玖先生、飲み過ぎじゃないですか?」
手酌で日本酒を注ごうとする理玖の手を抑える。
「何よ、あたしのお祝いなんだからいいじゃない。祐麒くんもあたしのお祝いなんかしたくないっていうの」
「そうじゃないですけど、俺もお金、ないですけど?」
「じゃあ、お祝いしてくれる気はあるの?」
「そりゃもちろん、お祝いしたいですけど、貧乏高校生には」
「オッケー、それじゃあ行きましょうか」
いきなり立ち上がる理玖。
わけがわからなかったが、酔って歩き方もややふらついて見える理玖を一人で行かせるわけにもいかず、とりあえず後を追って店を出る。
賑わう夜の街の人波を縫うようにして歩く理玖を追いかけるのが意外と大変で、人にぶつかりそうになるのを避けつつどうにか追いつく。
「ちょっと、どこまで行くんですか」
「えー、お祝いしてくれるんじゃなかったの?」
「気持ちはありますけれど、貧乏高校生には」
「そーゆーのはいいからさ、ね」
祐麒の言葉が聞こえていないのか、理玖は身を寄せてきて腕を絡ませる。
「り、理玖さん……?」
「お祝いに、祐麒くんが欲しいなー」
そんな理玖の眼鏡の下の瞳が何やら妖しく輝いているように感じられる。
「ちょ……理玖さん、酔っているんですよね?」
「あれくらいで酔わないって……祐麒くんには何一つ損すること無いし、いいでしょう、ねえ。それとも、あたし相手じゃあ嫌?」
「あの、理玖さん何のこと……うわっと」
携帯の呼び出し音が鳴ってびくっとする。
「――あれ、山村先生からだ」
「げっ」
「はい、もしもし、福沢ですけど」
とりあえず電話を取り出して受ける。
『もしもし、福沢くん? 理玖、一緒にいるかしら』
「はい、いますけれど、どうかしましたか?」
『どうもこうも、理玖に電話しても全然出ないから。福沢くん、まさかと思うけれど、理玖と変なところに行ったりしていないわよね?』
「え? 特にどこにも行ってないですよ、食事はしましたけれど」
『そう……さすがに理玖も、そこまで見境なくなかったか』
「え、なんですか?」
『なんでもないわ。理玖がいるなら、代わってくれるかしら』
「はい――理玖さん、山村先生からですけど」
「うへぇ……もしもし姉さん?」
理玖にスマホを渡すと、まさに「うへぇ」という表情を浮かべつつ耳にあてた。
「何よ……別に、何もしてないわよ…………これから帰るところだったんだから、祐麒くんだって言っていたでしょう…………え、ああ、バイブにしていたから気付かなかったのよ、うんそう……それじゃ、これから帰るから、じゃあね…………ふぅ」
通話を終えた理玖は、ため息を吐き出しつつスマホを返してくれた。
「ちぇーっ、こういうときだけ鋭いんだからもう。祐麒くんからのプレゼント、貰い損ねたかぁ……」
「あ、あの理玖さん、お酒、やっぱり飲み過ぎているんですよね?」
「ん? ん~、ああそうね、うん、ちょっと飲み過ぎたかもね……ごめんね、困らせちゃったかな。まあ仕方ない、今日は素直に帰りますか」
両手を上にあげて伸びをしながら。
「――ま、タイミングよく邪魔が入ったのも意味があるかもしれないしね。今度また機会があれば」
意味ありげなことを呟く理玖に、祐麒は意味が分からずもなぜか身震いするのであった。
おしまい