書評と主にマリア様がみてるの二次創作(旧:よしのXブレード)

マリア様の愛読書

ノーマルCP マリア様がみてる 祐巳

【マリみてSS(祐巳×祐麒)】そーゆーことって

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~ そーゆーことって ~

 

 

 夜に何が起こったのかは横に置いておくとして、四日目を迎えていた。すでにデートはしてしまってお金もさほどあるわけではなく、必然的に家でまったりと過ごすことになる。家には二人しかいないわけで、それはそれで構わないのだが、朝食をとり、特に何をするわけでもなく午前中を過ごしてお昼ご飯を食べ、そして午後になる。
「なんか……違うな……」
「ん、何が?」
 昼食の片付けも終え、あまり見ることのないお昼のテレビ番組を見ていたがたいして頭に入ってこず、ぽつりと呟く。その発言に、ソファでファッション誌を眺めていた祐巳が、顔をあげもせずに聞き返してくる。
「いや、なんつーか、この一日の過ごし方というか……何もないというか」
「そうはいっても、普通はそんなもんじゃないの。春休みだから宿題もないし、アルバイトとか、友達と遊ぶとか、そういうのがなければねえ」
「そうかもしれんが、その、それとは別に」
 もごもごと言い淀むと、祐巳はちらりと視線を一瞬だけ祐麒に向け、すぐに雑誌に戻して口を開く。
「別って、何が?」
 全く興味なさそうに、とりあえず聞いている感が半端ない。祐麒は自分勝手だと思いながらも、そういった祐巳の態度に少し苛々する。
「だからさ、ほら、今は俺と祐巳は恋人同士なわけで。それなのに、普段と変わらないというか、これじゃあ」
 そこでようやく祐巳が雑誌から顔をあげ、祐麒を見る。
「でも、恋人同士だってこうしてまったりするくらい、あるでしょ」
「そりゃそうだけど、俺が求めているのはそういうのじゃないっていうか」
「つまり?」
 首をかしげると、祐巳の髪がふわりと揺れる。
「そ、それは……その……」
「何よー、はっきりしないなー。言いたいことがあるならハッキリ言ったら?」
「…………だから、恋人同士らしくいちゃいちゃしてみたいというか、だな」
 羞恥をこらえてそう言うと。
「――――ぷっ」
 きょとん、とした後に堪え切れなくなったかのように吹き出す祐巳。
「な、なに、祐麒。そんなこと考えていたの?」
「う、うるせーなっ、わ、笑うなよっ」
「あー、ごめんごめん、笑わないから。そーかそーか、祐麒は私といちゃいちゃしたかったのね」
「べ、別に、祐巳とというか、恋人相手だから、そう思うってことだぞ」
「はいはい、わかっているって」
 立ち上がった祐巳が背後にやってきて、あやすように頭を撫でてきた。内心、ちょっと嬉しかったけれど、わざと怒ったように手で払う。
 祐巳はひるんだ様子もなく祐麒の隣に腰を下ろしてきたかと思うと、前かがみになって下から顔を覗き込んでくる。
「で、どんな風にいちゃいちゃしたいの?」
「そ、それは、まだ考えてないけど」
「何よそれ、具体的にしたいことがあったんじゃないの。ほら、聞かせてみなさいよ、祐麒が考える恋人同士のいちゃいちゃってのを」
 にやにやと、明らかに面白がって尋ねてくる祐巳。
「ほらほら、何をヤリたいの? 祐麒がヤリたいこと、シてあげようか?」
「そ、そういう言い方をするなよ」
 こういう無意識の挑発が、まことにたちが悪い。祐麒は顔を背けて口を開く。
「大体、そういう風に言って始まるのも変な話だろ。もっとこう、自然な流れでなっていくものというか」
「自分から言い出したくせに、変なこだわり持ってんのね。んー、まあいいや、それじゃあここは私が一つ名案あるので、それしたげる」
 にっこりと微笑む祐巳。

 

「…………で、これがその名案だって?」
「そうよー、どうよ、この恋人同士っぽいイチャイチャっぷり」
 祐巳の声が上から聞こえてくるのは体勢のため、
 今の二人は、ソファに座っている祐巳の太ももの上に、祐麒が頭を乗せて寝っ転がっている状態。単なる膝枕ではない、祐麒は祐巳に耳掃除をされているのだ。
 こんな風に誰かに耳掃除をされるなんて、小学生の時に母親にしてもらって以来だろうか。耳掃除はもちろん心地よいのだが、ショートパンツにニーハイソックスという今日の祐巳のコーディネート上、パンツとソックスの間の生肌部分である太ももの感触が顔にあたり、それが気持ち良い。
「祐麒だって嬉しいでしょう?」
「べ、別に、これくらいじゃあなぁ」
「ふふ、でも祐麒の耳、掃除のし甲斐があって楽しいなぁ……はい、反対むいて」
「おう」
 ぐるりと体を回転させて、反対側の耳を向ける。なんだかんだいって、祐麒は耳掃除を堪能していた。
 耳かきが中に入ってきてカリカリと?くと、こそばゆいというか、ぞくぞくするというか、他の箇所では得られない快感があるのはなぜだろうか。
 じっと耳掃除をされているのでも良いが、それだと物足りなくも感じてくる。そこで祐麒は思った。今、祐麒は祐巳の腹に顔を向ける格好となっているわけで、この体勢なら手を伸ばせば祐巳の体に触れられる。
 耳掃除中にちょっかいを出すとか、恋人同士っぽくないだろうか。
 そうに違いないと勝手に自分の中で結論付け、行動にうつす。
「~~~♪ ……っ!? ちょっ、何よ祐麒?」
 鼻歌交じりに耳掃除をしていた祐巳が、不意に体をピクリと震わせた後に動きを止める。
「え、何が?」
「何がって、今、わき腹つついたでしょ」
「え、なんのこと?」
「…………もう」
 息を吐き出し、耳掃除を再開する祐巳。
 祐麒もまた手を伸ばし、今度は背中を撫でる。
「全く、子供なんだから。手元が狂っても知らないよ?」
 あきれた様子の祐巳。どうやら無視することに決めたようだが、もちろん祐麒はやめるつもりはない。手元が狂うのは怖いのでくすぐるのはやめたが、軽く横っ腹の肉をつまんでみたりする。
「――――祐麒、鼓膜破れてもいいの?」
「す、すみません」
 声に冷気が込められていたように感じ、慌ててつまんでいた肉を離す。これはどうも、乙女的な逆鱗に触れる箇所だったようだと心に記憶する。代わりにまた背中に手をあて、そこから徐々に下降してゆき、お尻に到着。

「もー、えっちなことはやめてよ」
「これくらい、恋人同士ならスキンシップの内だろ」
「そんなこといって、触りたいでけでしょ……ちょ、ちょっと、揉まないで、っていうか、変なところに指」
「ほら、手が止まっているぞ」
「きゃっ!?」

 "ズブッ!!"

「うぎゃああああああああっ!!!!!」
 「きゃっ!?」から「うぎゃあ!」まではあらかじめ決められた一連の流れのようにスムーズだった。
 お尻を触られていた祐巳が手元を狂わせ、耳かきの棒を奥に突っ込んでしまったのだ。祐麒は祐巳の膝枕から逃れようとして、必然的にソファから落っこち、そのまま転がってテーブルの足に頭をぶつけてまたも悲鳴。
 耳と頭をおさえて床でぷるぷると痙攣する姿は、いと哀れだった。
「ほらー、だから言わんこっちゃない」
「うががががっ、うごごごごっ……み、耳が、耳がっ」
「大げさねぇ」
「お、大げさじゃない、マジで、これやばい」
「自業自得でしょうに……もう、しょうがないなぁ」
 ふぅ、とため息をつくと、床に座り込んで耳をおさえて呻いている祐麒の隣に膝を落とす祐巳。
「ほら、見せてみて」
「見たって、耳の奥なんかわからないだろ」
「いいから、ほら」
 手を離すと、祐巳が顔を近づけてくる。見たところで何も分からんだろうと、痛みに目をつむって顔をしかめていると。
「……んっ」
「うひょっ!?」
 にゅるん、と、生暖かいものが耳の中に侵入してきて思わず奇声を発してしまった。
「お、おい、祐巳、何を」
「ほら、動かないで……んっ、はぁっ」
「う、う、うぉぉ…………っ」
 ぞくぞくと震える。
「ん、ぴちゃっ、れろっ、ちゅっ……」
 祐巳の舌が耳の中に潜り込み、いやらしい音と声と吐息を出してきている。
 一旦、口を離した祐巳が言う。
「昔から言うでしょ、怪我したら、舐めれば治るって」
「だ、だからって……う、うぉぉぉぉっ……」
「ちゅぱっ……れるっ、ちゅるっ」
 どう考えたって、耳かきで傷ついた箇所まで舌が届くはずがないと思うのだが、そんなことどうでも良いと思い始めてきた。耳の中を舌で蹂躙されるという快楽に、思考を放棄したくなってきたからだ。
 ぞわぞわと悪寒にも似た感じの快感が背筋をのぼってくる。おまけに、のしかかるように密着してきている祐麒の胸も当たっているし、耳元で祐巳の熱い吐息や艶のある喘ぎにも似た声を出され、正直なところ堪らないのだ。
(ううっ、しかし祐巳のこの舌づかい、舐め方、エロすぎだろ……この舐め方で……って、や、やばっ、反応しちまう……っ)
 逃げようにもガッチリ頭をホールドされているし、そもそも勿体ないとも思うし、だが現実的にこれ以上はまずい。
「ゆ、ゆ、祐巳っ! も、もう痛みはなくなったから、だ、大丈夫だ」
「…………んっ、そう?」
 ゆっくりと舌を引き抜き、体を離す祐巳。残念だが、仕方がなかった。
「まったく、酷い目にあったぜ」
「だから、自業自得でしょ、っていうかさ、祐麒って耳、弱かったんだ~?」
「そ、そんなこと、ねーよ」
「えーっ、あるよー、だって可愛い声出して、ぴくぴく震えてたもん。可愛かったよ」
 そんなことを言われて、恥ずかしくて一気に顔が熱くなる。
「あ、あんなことされたら、誰だってそうなるっつーの」
「えー、そうかなぁ?」
「それじゃあ、お前にも試してやる」
「え、きゃあっ!?」
 祐巳の背後に素早く移動して後ろから抱きしめ、耳に口を寄せる。祐巳は慌てて首をねじってよけようとする。
「あ、こら、避けたら意味ないだろ」
「だってー」
「少し、試してみるだけだって。俺だってやられたんだから、いいだろ」
「んもー、少しだけだからね」
 文句を言いつつも祐巳は納得したか、あるいは諦めたのか、首を傾けて耳を祐麒の方に向けてくれた。耳にかかる髪の毛を指ですき、あらわになった耳たぶをまずは軽く噛んでみた。
「ふぁっ?? ちょ、それ、違うんじゃないの?」
「物は試しだよ、ど、どうだ?」
「ちょっと、変な感じかも」
 耳たぶはそれほどでもないようだったので、改めて耳の中に意識を向ける。
「…………ふっ」
「うひゃぁぁぁぁぁぁっ!? なな、なんで、息を吹き込むのっ!?」
 ばたばたと暴れる。どうやら、これもイマイチのようだった。
 ということで最後、自分がやられたのと同様に、ゆっくりと舌を入れてみる。
「んっ……ぁ……」
 ここで、祐巳の反応が変わった。
 耳の中は不思議な感じで、複雑なつくりだし、大きさ的に深くまで舌が侵入できるわけもないのだが、だからこそ奥へと行きたい気にさせられる。
「あっ、や、くすぐっ……はぁっ」
 目を閉じ、頬を徐々に上気させながら、体を小さく震わせる祐巳。力が抜けてきたのか、徐々に祐麒に預けてくる体の重みが増してくる。
 奥から引き抜き、浅い部分にも舌先を這わせつつ軽く息を吹き込むと、今度は先ほどよりも大きく反応し、声も大きくなる。
「あ、ゆ、うき……」
 手の甲に、祐巳の手が重ねられる。そこで初めて気が付いた。いつの間にか、祐巳の体を抱きしめていた手が祐巳の胸を包んでいることに。手のひらに伝わる柔らかな肉感、それをもっと感じたくて少し力を入れて揉む。重ねられた祐巳の手は、祐麒の愛撫を防ごうとしているわけではなく、無意識に添えられてきているだけのようだった。
 胸のことを感づかれないよう、耳への攻めを続ける。
「んっ……はぁっ……ね、そ、そろそろ……いいんじゃない?」
「そうか? なら、祐巳も認めるだろ、お前だって耳を舐められたりしたら」
 言いながら、そろそろと胸から手を離してゆく。
「う……ん、認めるから…………あ、はぁっ」
「よーし」
 偉そうに祐巳から離れる祐麒だったが、実のところ祐巳の姿や何やらが色々と艶めかしくて、本人的にも限界に来ていたのだ。

「ああもう、耳がべとべと」
「それは俺もだっての」
 互いに耳を指でいじりながら立ち上がる。
「で、これで満足した? いちゃいちゃは」
「そうゆう風に聞くもんでもないだろ……」
「もうっ、まだうだうだいって、ほら、じゃあ祐麒、ほらっ」
「う、うわっ、なんだよ何すんだよっ、って」
 急に祐巳に押され、抵抗してもぐいぐい押され、尻餅をつくような形でソファに腰を落としたが、それでもまだ押されて倒されてしまう。
「な、何のつもりだ……って」
 倒れた祐麒の上に、さらに祐巳が乗っかってきた。しかも馬乗りになるわけでなく、あおむけになった祐麒の上に、腹這いになる格好でべったりと乗っかってきた。顔が、近づいてくる。
「ねえ祐麒、何かお話ししてよ」
「…………は?」
「考えたらさ、いちゃいちゃって別に特別なことしなくてもいいんじゃないかって思って。ただ、こうしているだけで、いちゃいちゃしているんじゃない?」
「そ、そりゃそうかもだけど」
 確かに今の体勢を客観的な視点から見てみれば、親しい男女がいちゃいちゃしているように見えるだろう。何せ、体のかなりの面積が密着しているのだから。
「でも、ただこうしていても退屈だからさ、何か話してよ。そうねー、面白い話だったら、少しくらい触っても許してあげるから」
「なんだよそれ……なぜ祐巳の許しがいる」
 手を伸ばし、ショートパンツとニーハイソックスの間のむき出しの部分の足を撫でる。
「ひゃっ? こらぁ、まだ許してないっ……って、あ、中に手いれないでよ、このスケベ、変態っ」
 ショートパンツの裾から少し中に指を入れ、太ももの裏を撫でる。さすがに下着の方まで入れると殴られそうなので、そこは自制しておく。
「もー、胸、あててあげてるのに、満足できないの」

「はっ、祐巳の小さな胸があたったくらいで……」
「そんなこといってさっき私のおっぱい揉んでいたくせに」
「なっ、おまえ、気づいて」
「気が付かないわけないでしょー、えっちー」
「なんだよ、気づいていたなら何か言えばよかっただろ」
「祐麒があまりに夢中だったんで、ちょっと憐れに思っちゃってね……」
「おい、その目やめろ、大体、祐巳のささやかな胸なんか」
「失礼な、これでも、もう少しでCカップなんだから」
「え、し、C……?」
「あ、目つきかわった、やーらしー」
「変わってない! てか、さっき触った感じじゃあCなんてないね、うん」
「だから、もう少しでって言ったじゃん」
「もう少しどころじゃないな、まだまだって感じで」
「ってゆうか、祐麒にカップなんて分かんないでしょ、もう」
「触ればわかるんだよ」
「そういって触ろうとするんだから、やっぱりエッチだ」
「男はみんなそうだ、それに、恋人同士がいちゃついているんだから、それくらいはセーフだろう」
「うわ、開き直った。結局、触りたいだけなんでしょ」
「いやいや、これもコミュニケーションの一つというか」
「また減らず口を叩いて……そんな口は、封じちゃうんだから」
「――っっ!?」
 口を開こうとする前に、祐巳によって唇をふさがれた。
 すなわち、キス。
「んっ……ちゅ……ん、はぁっ」
 口が離れると。
 わずかに頬を赤くした祐巳の顔が目に入る。
「……どう? 恋人のいちゃいちゃっぽいでしょ?」
「あ…………あ、ああ」
 コクリ、と頷く。
 これなら、と思って再びお尻に触れようとしたら、ペチリと手の甲を叩かれてしまった。
「すぐ調子に乗る……今は、ここまで、ね」
 パチン、とウィンクして身を起こす祐巳。
 そして、祐麒の腹に跨った格好でくすりと笑い、見下ろしながら言う。
「そーゆーことをするのは、違う時間に違う場所で……ね」
 と、意味ありげな台詞と表情を投げかけ、するりと祐麒の上から降りてリビングから出て行ってしまった。
 残された祐麒はゆっくりとソファに身を起こし。
「それって……」
 今朝のことを思い起こしながら、ボッと赤面した。

 

 一方、階段を軽快に上っていく祐巳は。
「ああいうのでは大胆になるくせに、いざというときは駄目なんだから……」
 そんな不満を呟きつつも、どこか表情は楽しそうに見えるのであった。

 

 

おしまい

 

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