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エンタメ 書評

【ブックレビュー】2 新装版(著:野崎まど)

更新日:

【作品情報】
 作品名:2 新装版
 著者:野崎 まど
 ページ数:576
 ジャンル:エンタメ
 出版社:KADOKAWA

 おススメ度 : ★★★★★★★★☆☆
 驚き度 : ★★★★★★★★☆☆
 こういう人におススメ! : 野崎まどワールドを身をもって知りたい

 

■作品について

日本一の超劇団『パンドラ』の入団試験を乗り越えた青年・数多一人
ここからいよいよ俳優に向けた劇団生活が始まる。
その最初にやるべきことは、新人だけによる劇を作って演じること。
しかし、そんな夢みる時間は一人の女性によって無残に潰された。
彼女、最原最早は言った。

「映画に出ませんか?」と。

彼女が創る映画とは。
愛とは。
創作とは。

シリーズ最終章。


■良かった点

これまでの5作品があって、この「2」という作品に辿り着く。
逆に言えば、前の5作品を読んでいないとこの作品の全てを楽しむことはできないし、意味も分からないだろう。

全ては、最原最早である。
一作目で登場し、その天才性と狂気をまざまざと見せてくれた彼女が、前作の「パーフェクトフレンド」の最後で姿を見せて。
そして満を持してやってきた最終作。
ここでも彼女がやることは、映画を作ることである。
アムリタで作った映画とはまた別に、今回は果たしてどんな映画を作り出そうとするのか、いやでも気になるというもの。

しかし、彼女の凄さを出すためとはいえ、一章をまるまる捨てるってのは凄いな。
いや、捨てているというか、それがあったからこそなのだろうけれど・・・・
槍子さんとか非常に良いキャラクターだっただけに、あっさりとああなってしまうとは本当に勿体ないと思った。
でも、それこそ野崎まどなのだろう。

映画製作にあたっては、今までの作品が次々と絡んでくる。
そう、全ては最原最早が創る映画の為に存在していたかの如く。

舞面真面、みさき
伊藤先生、不死の生徒
【answer answer】、紫依代
理桜

そんな彼らを使い、最早が創る映画「2」とは何なのか。
当然、まともな目的をもったものではないわけで、そんな馬鹿なと思っちゃうような目的である。
ラスト、もちろんそれまでの流れであっさりと終わるわけもない。
終わったようで、まだこの先があるような終わり方。

よくもまあ、こんな作品を作り出したものだ

■ここが改善できるともっとよかったかも?

他の作品が絡んできて、というのは確かなんだけど、絡み方は意外と軽かった。
というのは、読む前の想像が強すぎたのか。
あと、最早って結局・・・・いや、そのやり方でもそれは無理があるだろう。
と、思っちゃったりも。

 

 

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