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エンタメ 書評

【ブックレビュー】裏ギャルちゃんのアドバイスは100%当たる 「だって君の好きな聖女様、私のことだからね」(著:急川回レ)

更新日:

【作品情報】
 作品名:裏ギャルちゃんのアドバイスは100%当たる 「だって君の好きな聖女様、私のことだからね」
 著者:急川回レ
 ページ数:328
 ジャンル:エンタメ
 出版社:KADOKAWA

 おススメ度 : ★★★★★★☆☆☆☆
 オタクに優しいギャル度 : ★★★★★★☆☆☆☆
 こういう人におススメ! : オタクに優しいギャルが好き

■作品について

平凡な高校生・土屋文太のささやかな幸せは朝の電車で他校の女子・表川結衣を一目見ること。
文太は密かに彼女を“聖女様”と呼び、その清楚な佇まいに癒されていた。
そんな彼に話しかけてきたのは聖女様──ではなく、見た目が正反対のギャルだった!?
“裏川”と名乗るギャルは聖女様の大親友──というのはウソで、結衣が変装したもう一つの姿なのだが、文太はまったく気づかない!
からかわれながらも教えてもらえる“(本人からの)100%当たるアドバイス”で、文太は聖女様と親密になれる……のか?
「ふふっ、私(裏)のアドバイスを聞いて、ちゃんと私(表)を攻略してくださいね?」
裏と表、二人で一人の彼女に翻弄されるマッチポンプ・ラブコメディ!

■良かった点

主人公の文太は、朝の電車で見かける美少女のことを内心では”聖女様”と呼んで癒されていた。
ところが、そんな文太の視線に気が付いた”聖女様”こと表川結衣は、ギャルの格好に変身して文太の前に現れて文太のことを探り始める!
その美貌から、普段は男性から性的な視線を向けられる結衣だが、文太からはそういうのを感じない(聖女様として見ているから)
だからこそ、そんな文太ならと話しかけ、むしろ聖女様である結衣と仲良くなるようにけしかける。
そのアドバイスは、当然ながらとても的中するもので・・・

事実を知っていてからかう結衣と、なぜか気が付かない文太のすれ違いというか、そういうのを楽しむラブコメ。
いわゆるオタクに優しいギャルではあるが、そういうのも世間には多くあるので変化を付けてきているのだろう。
生粋のギャルというわけではなく、表はお嬢さま、文太の前だけギャルを演じる、というもの。
優しくするのも、お嬢さまで友人のいない表の顔の結衣というのがあるから、文太をからかうのが楽しくなる。
そういった設定を作ってきているわけで。

文太のポンコツぶりというか、情けなさというかは、ちょっとアレなところがあるとはいえ、そこまで不快になる感じでもない。
ちょっと変わったオタクに優しいギャルものを読んでみたい人に。

■ここが改善できるともっとよかったかも?

同じ場面を主人公とヒロインの両方の視点で描く。
それは良いのだが、全く同じ会話が描かれているので、それで文章量、ページ数が水増しされている。
同じ場面を描くにしても片方はセリフを少し端折って内面の動きに焦点をあてるとか、もうちょっと書きようがあると思うのだが。

 

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