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ミステリー 書評

【ブックレビュー】冬期限定ボンボンショコラ事件(著:米澤穂信)

更新日:

【作品情報】
 作品名:冬期限定ボンボンショコラ事件
 著者:米澤穂信
 ページ数:416
 ジャンル:ミステリ―
 出版社:東京創元社

 おススメ度 : ★★★★★★★☆☆☆
 小市民度 : ★★★★★★☆☆☆☆
 こういう人におススメ! : シリーズを追いかけてきた人

■作品について

小市民を志す小鳩君はある日轢き逃げに遭い、病院に搬送された。
目を覚ました彼は、朦朧としながら自分が右足の骨を折っていることを聞かされる。
翌日、手術後に警察の聴取を受け、昏々と眠る小鳩君の枕元には、同じく小市民を志す小佐内さんからの「犯人をゆるさない」というメッセージが残されていた。
小佐内さんは、どうやら犯人捜しをしているらしい……。

■良かった点

小市民シリーズもいよいよ冬、最後となりました。
本巻ではまたちょっと今までと異なった物語展開となっています。
物語早々に小鳩くんが交通事故にあって入院を余儀なくされてしまう。
しかもその交通事故が、小鳩君が中学時代に調べた事故と状況的に非常に似通っている。
ベッドから動けない小鳩君は、中学時代に起きたその事故、事件のことを思い起こしていく。
過去と現在が錯綜しながら物語は進み、そしてやがて一つの結末に辿り着いていく。

言ってみれば、小鳩君と小山内さんの小市民としての始まりを描いた作品でもある。
過去に二人に何があったのか。
かつてしでかしてしまった失敗。
そこから目指した小市民。
二人の同盟のような関係。

淡々と静かに進んでいきながら、読ませ方、展開の仕方は流石という感じ。
そしてビターに終わる。
このシリーズの完結にふさわしい物語だったのではないかと思う。
謎解き、ミステリーとしてというより、小鳩君と小山内さんの物語として、ね。

■ここが改善できるともっとよかったかも?

わかっていたことではありますが。
小鳩くんが事件を捜査する姿勢というか考え方は、ちょっとばかり不愉快ですよね(笑)
こんな風にされたら、嫌になるのもわかります。

 

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