【作品情報】
作品名:栞と嘘の季節
著者:米澤穂信
ページ数:368
ジャンル:ミステリ―
出版社:集英社
おススメ度 : ★★★★★★★☆☆☆
青春ミステリー度 : ★★★★★★★☆☆☆
こういう人におススメ! : ビターなミステリ―をお望みの人
高校で図書委員を務める堀川次郎と松倉詩門。
ある放課後、図書室の返却本の中に押し花の栞が挟まっているのに気づく。
小さくかわいらしいその花は――猛毒のトリカブトだった。
持ち主を捜す中で、ふたりは校舎裏でトリカブトが栽培されているのを発見する。
そして、ついに男性教師が中毒で救急搬送されてしまった。
誰が教師を殺そうとしたのか。次は誰が狙われるのか……。
「その栞は自分のものだ」と嘘をついて近づいてきた同学年の女子・瀬野とともに、ふたりは真相を追う。
シリーズ2作目。
本作では、本に挟まれていた栞を巡る話。
栞は、トリカブトの花を押し花として作成されていた。
そして、それを使用したと思われる事件が発生。
誰が、何のために作ったのか?
堀川と松倉の二人は、同学年の女子・瀬野とともに真実を追いかける。
瀬野さんがどれだけ美人なのか気になりますね!
というのは置いておいて。
相変わらずの米澤作品、登場人物の思考や言動が色々と面倒くさい(笑)
こんな風に考える高校生が、こんなにもいるものか。
というのは置いておいて。
ミステリ―としてというよりも、高校生が抱く想いというか、なんというか。
そちらの方が強く残りますね。
過去に起きたこと、そこから思い立って行ったこと、それが今日に繋がっていること。
限られた世界の中で、自分の身を護るために盲目的になってしまう部分。
それが正しいと思って行うこと。
欝々とした感情が読んでいてぶつけられる感じ。
自分が高校生の時はもっと能天気だった(笑)
やっぱりビターな内容であり結末。
ラストも、明確に何かが示されるというよりも、そこからのことを読者に想像させる。
ハッピーエンドに辿り着かないのは、作者が作者ゆえに致し方ないか。